そんな“淵神律子”というヒロインに第一作で出くわし、難題に挑む感の第二作を愉しみ、“相方”の藤平が個人的に受けた頼まれ事が契機にとんでもない事件の真相を暴くことになる第三作を愉しく読了した経過が在る。
↓「シリーズの第四作」という本作の登場を知り、本に出くわして手にし、夢中で素早く読了に至った。
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↑この作者の作品が原案になったテレビドラマは幾分在るようだが、本作もそういうような感じ、何か「映像が何となく思い浮かぶ」というような物語だった…
形式的には捜査一課の傘下ということになっているが、庁舎地下の書庫脇にオフィスが設けられ、古い資料の整理を専らとするということになっている<第三係>である。定年間際で、数年間の身の置き所が無いような者が回される“左遷部署”と揶揄されている。
この<第三係>に坂東という男が在る。日頃、株式の情報に関心を寄せていてイヤホンで株式情報のラジオを聞いてばかりいるというような男なのだが、この男が淵神律子や藤平に「頼まれて欲しい事が在る」と言い出した。淵神律子や藤平、更に円も驚いた様子が伺えるが、坂東は近所の児童養護施設に個人ボランティアとして、少し熱心に協力していた。虐待を受けるなど、家庭的に恵まれない児童生徒を支援して自立して社会に出ることを支援するという施設である。坂東は少額ながら永年に亘って寄付を続けていて、催事の際には足を運んで手伝うというようなこともしていたのだ。この坂東が、真剣に悩んでいる施設の園長を何とか助けたいと言い出したのだ。
この施設の卒業生である鷺沢鈴音が連絡を絶ってしまって少し時間が経つのだという。出生届も出ずに戸籍が無いという虐待被害児童であった鷺沢鈴音については、児童養護施設の園長が「鈴音」という名を与えて戸籍を作って懸命に面倒を見ていた。学校に通う機会を得られずに育ったという不幸を負い、漢字の読み書きが不得手というようなことは在ったものの、明るく素直な若い女性に育ち、施設を卒業して勤めていたパン屋では評判も好かった。その鈴音が連絡を絶ってしまって時間を経て、施設の園長は酷く哀しみ、安否を案じているのだという。それを聞いた坂東は、淵神律子や藤平に「頼まれて欲しい事が在る」と言い出したのだった。
淵神律子や藤平は、坂東の申し出を契機に児童養護施設の園長に話しを聞いて、この鷺沢鈴音の件を何とかしてみようと強く思う。そこで「個人的に受けた頼まれ事」という体で、この鷺沢鈴音の件を調べ始めた。
調べて程無く、パン屋勤務の鷺沢鈴音は夜の店で週末にアルバイトを始め、アルバイトを始めた場所で別な場所に移るというようなこともしていたという事実に淵神律子や藤平は出くわした。そして、程無く別な殺人事件の現場に鷺沢鈴音に連なる情報が出ている事を知る羽目に陥る…
淵神律子は同じ係で仕事をしている者の「意外(!?)な一面」を介して或る不幸な若い女性の人生に触れることになるが、この女性と行動を共にすることになった人物、そしてその人物の周辺の様々な事柄と向き合って行くことになる。
或いは、このシリーズの過去作を通じて「最も拡がりが…」という事案かもしれない…なかなか面白く読了し、同時に次回作以降が酷く愉しみになった…










