↓ベルリン警察のゲレオン・ラート警部が帰って来た!!
価格:1,404円 |
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↑大戦間期のベルリンを舞台に、清濁併せ呑むようなラート警部が挑むことになったのは、なかなか正体が判らなかった「最凶の敵」とでも呼べる存在だった…頁を繰る手が停まらなくなった…
有名な百貨店で、路上生活を送る少年少女の2人組が、閉店前から忍び込んでいて、閉店後に高級品を盗み出して後から売るという犯罪に手を染めていた。盗みをやり遂げようとしていた辺りで、どうしたものか警官達が踏み込んだ。少女の側は何とか百貨店のビルを脱け出したが…少年は高い階でフェンスから落ちそうになっていたところで、追い駆けてきた警官に指を踏まれてしまい、転落して死亡してしまった…警官は故意に少年の指を踏み付けた…殺してしまったことになる…
そんな事も在った頃…ラート警部は副警視総監に呼び出された。何事かと思えば、ベルリンにやって来た米国人で、ニューヨーク地区のギャングの構成員と見受けられる男を監視するという任務を与えられた。殺人事件捜査の担当者の役目ではないと抵抗もするが、副警視総監は有無を言わせない。密かに監視するのではなく、あからさまに監視して、妙な行動を取らせないようにということになった…
ラート警部が監視することになった人物…米国のユダヤ系のギャングで、殺し屋のエイブラハム・ゴールドスティンという人物だった…嘗て『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』という映画が在った。ニューヨーク辺りで、ユダヤ系の少年達が長じてギャングになって行くというような物語だったが、ゴールドスティンは正しくその映画の世界の、ユダヤ系の出自を持つニューヨーク辺りのギャングの“殺し屋”と目される人物なのだ…
ラート警部はゴールドスティンが滞在するホテルに貼り付いて監視任務に勤しむことになる。他方、ラート警部は、馴染みが在る「組織犯罪の黒幕」と言われる“ドクトル・マブゼ”ことヨハン・マルロウからの依頼で、彼の組織の幹部が姿を消してしまった案件を密かに調べていた…そうしていた間に、街では次々に事件が起こり、やがてゴールドスティンに関連すると見受けられる事件も発生する。
一見すると「各々の事件」にも思える出来事が、次第に相互に絡み合ってくる…「1931年のベルリン」という背景の中ならではの事象も描写され、事件は進展する。そうした中でゴールドスティンがベルリンに現れた真意も明らかになる。
主人公のラート警部が監視することになるゴールドスティン…本作の“サブ主人公”という感なのだが、これがなかなかに好い…ニューヨーク地区のギャングの非情な“殺し屋”と目される人物でありながら、“侠客”的な振る舞いに及び、それが警察の捜査陣の注目を集める事態に至ってしまう…
表に裏にと随意に動き回るラート警部も冴えているが、今回は“半同棲”という按配な関係になった恋人チャーリー(シャルロッテ)との物語にも進展が在る。その関係の描写も好い!!チャーリーは法曹を志して裁判所で仕事をしているが、百貨店の盗難事件現場から抜け出した少女の一件で、事件に巻き込まれて行く…そして危機に陥り、ラート警部が奮戦する…
大きく動く時代背景と、その中で事件を追う刑事…非常に気に入っているシリーズなのだが、ドイツでは「テレビドラマ化」という話しが進んでいるのだそうだ…

