↓最近視掛けた話題で、一寸笑ってしまったモノ…
>>Bank of Canada urges ‘Star Trek’ fans to stop ‘Spocking’ their fivers SFドラマ・映画のシリーズ『スタートレック』で、“スポック”の役を演じていた俳優、レナード・ニモイ(Leonard Nimoy)の逝去後、カナダで「肖像画が一寸似ている?」と言われた5ドル紙幣について、肖像画に描き込みをして“スポック化”してしまう現象が見受けられるという…
偶々なのだが…休日等によく寄る近所の喫茶店の店主氏が『スタートレック』シリーズの大ファンで、何気なくDVDを流している場合が在って、つい最近その“スポック”を観たばかりだった。そういう経過が在って、この“スポック化”の5ドル紙幣という話しに大笑いしてしまった。特徴的な髪型を紙幣の肖像画に描き込むと、なる程よく似ている…
カナダの発券銀行では、「紙幣に描き込み」という行為自体については違法ではないものの、それを支払いに使用するようなことは、偽造紙幣の防止というような見地からも好ましいことではないので、「出来れば止めて頂きたい…」ということのようだ…
殊に初期のシリーズでは、それなりに評価されているSF作家がストーリー設定や脚本制作に携わった経過も在るらしく、『スタートレック』はなかなかに豊かな物語を見せる名作となっている。
“スポック”は、“カーク船長”の相方とでも言うのか、<エンタープライズ号>の副長ということになっていて、科学技術に造詣が深い人物ということになっている大きな存在感を示した役だ…演じていたレナード・ニモイが他界しても…「何時も身近に居るじゃないか!!」と手近な5ドル紙幣を“スポック化”してしまうカナダのファン…何処と無く、気持ちは判らないでもない…例えば、私自身も…「シンガーの忌野清志郎が他界してしまって久しい」というのが、未だに何となく「受容れ難い!」と思っていたりする…未だに、照れくさそうな微笑を浮かべて、自転車に跨って「どうも…」と現れる映像が出て来そうな気がすることがある…手近なモノに「去ってしまった愛すべきアーティストの影を見たい」というのは判る気がするのだ…
それにしても…「紙幣に描き込み」という話しに関しては…「そういうの…“在り”か?!」と些か驚いた。何かで読んだ気がするが…外国の現行流通通貨のコインを日本国内でアクセサリーに加工するようなことは違法ではないが、日本の現行流通硬貨を日本国内で加工することは違法と聞いている…カナダ国内で、現行流通紙幣に描き込み?どうなっているのか?
少し気になったのは、カナダの5ドル紙幣に肖像画が在る人物についてである…
5ドル紙幣の肖像画は、ウィルフリッド・ローリエ(Sir Wilfrid Laurier、1841年11月20日 - 1919年2月17日)という人物だ。カナダの7代目の連邦政府首相で、首相を務めた期間は1896年7月11日 - 1911年10月5日(日本史で言えば、日清戦争の少し後から、日露戦争の時期を挟み、明治の最後の辺りまでの時代である…)と約15年間に及ぶ。これは目下、カナダ史上最長らしい…
“ローリエ”は“Laurier”と綴り、“au”を“オー”と発音し、末尾の“er”について“r”の発音が入らない辺りから「フランス語系の姓」と推察出来るが…実際に彼はケベック州生まれのフランス系であり、フランス系出身で初めて連邦政府首相に就任した人物であるという。
カナダという国は、英国植民地とフランス植民地が寄り合った国だが、ローリエはそうした国の政府の先頭に立って、“英国系”でもなく、“フランス系”でもない、「独立カナダの国民」を強く意識し、そうした発言を繰り返して来たことで知られるそうだ…色々な出自の人々や地域が集まった国の統合を促したという意味で、“建国の英雄”的な賢人ということになるのかもしれない…
このカナダでは、どんな教科書にも載っていそうな偉人であるローリエだが…紙幣の肖像画以外の写真を見ても…確かに“スポック”に一寸似ている…
“スポック”が活躍する『スタートレック』シリーズの世界…人間が大宇宙を自在に往来するようになり、異星人との交流も盛んな世界だ…“スポック”は“バルカン人”という異星人の外交官の父と、地球人の母を持ち、父の血が濃く、身体の特徴は“バルカン人”のものである…色々な起源を持つ人々が各々の役目を担って暮らす『スタートレック』の世界…それを象徴する劇中人物でもあった…
ふと思う…「肖像画が一寸似ている?」とされたカナダの5ドル紙幣に在るローリエも、“英国系”でもなく、“フランス系”でもない、「独立カナダの国民」を強く意識し、カナダの歴史を拓いた…“スポック”は、宇宙の様々な出自の人々が暮らす世界で<エンタープライズ号>の重要な任務を支えた…何か両者共に、「異なる起源を有する人々や諸地域が手を携え合うことに尽力」という意味で、風貌以外の“似ている部分”が在るのかもしれない…
カナダで一寸話題らしい“スポック化”の話し…カナダの発券銀行は、一寸頭を抱えて言葉に詰まるであろう…紙幣は“信用”に立脚するもので、社会を動かす道具である以上、描き込みをしてしまって、そのまま使うのは確かに好ましくない…しかし…これからの時代は「異なる起源を有する人々や諸地域が手を携え合う」というようなことが、益々重要度を増すのかもしれない中、カナダの歴史上でそれを手掛けた5ドル紙幣に肖像画が在るローリエや、SFの作中世界でそうしたテーマに取組んだ“スポック”に思いを巡らせること…悪くは無い…
「うわぁ!似てる…」と大笑いした後、一寸考えたことである…