映画『八犬伝』…(2024.10.28)

「休業日に映画を観る」というのは嬉しく愉しいものだ。小中学生の頃から、いい加減な年齢の“おっちゃん”になっている現在に至る迄、そこに変わりは無い。

稚内にも映画館は在る。所謂“シネコン”方式という当世風のモノだが、3スクリーンという体制で、巷に潤沢に在る上映作品の中には上映が見受けられない例も残念ながら在る。それでも新作登場という時の、上映案内の掲示等には何となく眼を向ける。そして「これ!」という作品が在ると、休業日に時間を設けて立寄る訳だ。

今般、注目した作品は『八犬伝』だ。

↓とりあえず予告篇等のリンクを挙げておこうと思う。







結局、“虚”と“実”とを織り交ぜた物語を創っているということになると思う。

『八犬伝』というのは江戸時代の後期、19世紀の小説である。現代風に呼ぶならば「ファンタジー」ということになるであろうか。作者の滝沢馬琴(「曲亭馬琴」という号も用いている。)は、この作品を通算28年間に亘って綴り続けていた。最終的には眼を患ってしまい、失明して上手く原稿を綴ることが叶わなくなってしまった。が、それでも先立ってしまった息子の妻であった女性が、最初から文章を綴ることを得意としていたのでもなく、漢字を余り知らないような状況でさえあった中で懸命に手伝い、作品が完成している。

映画では、この滝沢馬琴の物語が柱になる。熱い想い、人生を賭すように執筆に懸命な馬琴が在る。そして妻や息子との生活も在る。この滝沢馬琴の年来の友人である葛飾北斎が在り、息子の友人である渡辺崋山が在るのだが、滝沢馬琴が家を訪ねて来た彼らに「あの『八犬伝』の構想は…」と語っている内容として、「ファンタジー」の『八犬伝』の物語の映像が在る。

こういうような形で、滝沢馬琴自身の人生という“実”の部分と、彼が創った「ファンタジー」の物語が展開する“虚”の部分とが螺旋のように絡み合って展開するのがこの映画だ。

自身としては、本作は滝沢馬琴自身の人生という“実”の部分が主軸となる物語であるように思う。が、他方の「ファンタジー」の『八犬伝』の物語の映像が素晴らしい。“八犬士”という、「珠を持っている運命の戦士達」が登場するが、限られた尺の中で彼らが上手く紹介され、やがて巡り合って共闘し、巨大な怨霊が背後に在る悪の勢力を討つという様子なのだが、最近の技術を駆使した美しい画で織り成される物語が凄く好い感じであった。

滝沢馬琴自身の人生という“実”の部分では、葛飾北斎との対話、歌舞伎を観に行った場での鶴屋南北との対話、息子を見舞に立寄った渡辺崋山との対話というようなことを通じて、個人の人生、更に社会の“虚”と“実”について、その“虚”や“実”との向き合い方に関して語っているような内容が心に刺さる。更に、身体が弱く、自身の何らかの業績という程のモノが無いながら、喜びと矜持を持って父が綴る原稿の校正等をしていた息子が、「父と作品を…」と言い遺して他界した経過を踏まえ、息子の妻が滝沢馬琴の執筆を手伝い、支えようとする終盤の方は、観ていて涙ぐむかのような感じも在った。

色々な意味合いで愉しめる作品だと思う。これをゆっくり観る機会が設けられて非常に好かった。

映画『ゴールデンカムイ』

休業日に映画館へ。映画を愉しんだ。

↓大好評上映中ということで、テレビCMも流しているらしい。


原案の漫画を読んだのでもない。日露戦争の少し後の時期、元兵士の青年が知り合ったアイヌの少女と共に、莫大な埋蔵金を巡って冒険を繰り広げるという物語であると聞いていた。正しく、そういう理解で間違いなかった訳だが、映画は「壮大な物語の第1部」ということで「不死身の杉元」が「アシリパさん」と共に冬の北海道で冒険を繰り広げる。

↓予告編だ。


↓もう1本在る。


朝から映画館で大スクリーンに近い辺りに陣取って、最初から作品世界に強く引き込まれた。

冒頭は日露戦争の頃、激戦地の203高地から起こる。凄まじい戦いで、乱射される機関銃の弾丸の中を突き進む兵士達の中に「杉元」も在り、必死に奮戦をして生き残るという様子が描かれる。

やがて戦後になり、「杉元」は北海道に在って、森の中の川で砂金を得ようとしていた。が、砂金は得られない。そんな時に、埋蔵されているという金の話しを耳にする。そして、そもそも砂金を得ようとしていた目的の故に、「杉元」は金を探そうと考える。そんな時に、熊に襲われたところを援けてくれたアイヌの少女「アシリパ」と知り合って行動を共にする。

「杉元」と「アシリパ」が探そうとしている金に関しては、軍の第七師団の将校である「鶴見」が率いる一団が追っている。他方、箱館戦争で討死したとされる「土方歳三」が実は未だ生きていて、そのグループも金を追っている。

展開する物語の中、「明治39年、明治40年」と見受けられるような年代の、作中に出て来る「小樽」の感じが凄く好かった。そしてアクションだが、物凄く迫力が在った。また「アシリパ」が示すアイヌ文化の感じ、彼女が受継ぐ考え方に「杉元」が少し動かされるような様子等、引き込まれた。苛烈な戦場で、共に戦場に出た友人を喪うような経験も含めた殺伐とした中にあった「杉元」が、少し変わって行くような感じが好いのだ。加えて、作中の“敵役”という感じの「鶴見」の怪異な感じが凄く面白かった。

愉しい作品に出会えて善かった!

『カムイのうた』

祝日の休業日である。駅ビルの映画館で映画を観た。何か余韻が深い映画だった。そんな余韻に浸ろうと、駅ビルの中のカフェにやって来て、少し感想等を綴ってみようかと思い付いた。

北海道の歴史に纏わる映画で、他地域よりも少し先行してこの祝日に北海道内で公開することになったそうだ。そういうように聞き、稚内でも観られるということで「是非!」というように思った。

↓予告篇だ。


↓もう一種類予告編が在る。こちらの方が長く、本篇の画が多く使われている。


本作は実話に依拠してストーリーが創られている。『アイヌ神謡集』という、“ユーカラ”の内容を紹介する本が在る。それの著者で、19歳の若さで心臓の病気によって他界してしまった女性が在った。その事に着想を得たのが本作の物語である。

差別やいじめに哀しく辛い思いを重ねながら生きて来たヒロインは、彼らが受継いだ“ユーカラ”に途轍もない価値が在るとし、研究して広く紹介したいとする研究者と出会って変わって行く。幼馴染の急死、同時に将来を誓うというような事も在った中、出逢った研究者の薦めで東京に出て『アイヌ神謡集』の執筆を手掛けるようになる。

未だ公開されたばかりなので、無い威容の詳述は敢えてしない。が、凄く心揺さぶられた…

『沈黙の艦隊』

「観たい!」と思う映画の公開日の翌日、居合わせる場所の近くで上映されるとしれば、是非観たい。そして、今般は観た。

↓観た作品の予告編だ。


↓最近登場した最新版の予告編である…


『沈黙の艦隊』は概ね1990年頃の漫画を原案としている。

映画はその原案の時代ではなく、現代、或いは映画の制作を進めている近年の様子を背景としている。(官房長官が移動の車中でスマートフォンでテレビニュースを視ている様子が在る。海上自衛隊の潜水艦に女性の乗員が見受けられる、更に潜水艦の副長を女性士官が務めているという様子も在るが、こういうのは比較的近年の様子だ。)

原子力潜水艦を奪った海江田が「独立国やまと」と号し、秘めた意図に基づく行動を起こす。原案の漫画は長く雑誌連載が続き、世界を巻き込んで色々な動きが起るのだが、映画は「謎の行動を起こす海江田」ということで、海江田の少し後輩ということになっている深町が海江田を追うという部分が大きな位置を占めている。

米政府や米海軍の対応の描写、事態に苦慮して会議を重ねる日本政府の描写も「酷くリアル…」だ。そして天才的な指揮官で、何を考えているのか判らない海江田の存在感も凄まじく、海戦の描写も凄い画だ。

個人的には…事態に苦慮して会議を重ねる日本政府の描写が「ここまで大袈裟な問題ではなくとも…何でもこういう調子か??」と変に納得していた。単純に面白い海戦のアクションとも言えるが、色々と考えさせられる要素が多い作品だった。

↓今般は初めて立寄った、旭川駅直結の商業施設内に設けられたシネコンで作品を観た。
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↓「入場の御案内…」ということになったので、素早く入場した。

↓なかなかに大きいホールだ。
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↑全体で280席在るそうだ。

↓周囲に誰も居ないようだった最前列の真中辺りの席に陣取ることにした。
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↑如何いう訳か、件は割引が適用で1100円だった…

↓2時間少々の上映だが、心地好い、ゆったりした座席だった。
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↓最近のホールの場合、最前列でも観易いと思う。他のモノが全く眼に入らず、大スクリーンに映る作品世界にドップリと入り込めるような感じで、席が指定の場合にこういう場所を択ぶことも多い。
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↑今般、周辺に誰も居ない中で、作品世界に入り込んでしまうかのように作品を愉しんだ。

>>旭川駅前 イオンシネマ

映画『シン・仮面ライダー』=熱く愉しんだ件…(2023.03.19)

3月17日の夕刻に先行上映が在って、3月18日から公開という映画だが、映画館に行く時間を設け損ねていて、3月19日の朝に映画館へ足を運んだ。精確には、拙宅で時間待ちをしていても苛々するので、早目に映画館も入っている駅ビルへ足を運んで、少し馴染んでいるカフェでブレックファストを少々愉しんで寛ぎ、県を売る窓口が開くような頃に映画館へ入って、「凄く観たかった映画!!御願いします!!」と券を求めて、張り切って入場したのだった。

↓観た映画はこれだ!!


1971(昭和46)年にテレビシリーズ『仮面ライダー』が登場して50年ということを踏まえ、新たに映画を制作ということが発表されていた。その作品がいよいよ公開ということになったのである。

事前宣伝の中で、作中の画を見せるのは最小限に止め、「是非、観て確かめて頂きたい」というような具合であった。「観たい!!」と思い続けていたのだった。

最初期のテレビシリーズを過大なまでに意識したと感じられるデザインの仮面ライダーが登場することは承知していた。如何いうような様子なのかと思い続けていたが、本作を夢中で観て、酷く納得した。悪の秘密結社<ショッカー>を抜け出した仮面ライダーが登場し、戦いに臨むことになる。最初期のテレビシリーズや、テレビシリーズを踏まえて原作者の石ノ森章太郎が創った漫画版を踏まえた展開だ。

長く語り継がれる名作を、今日的なテンポも好い感じの凝った映像も使いながら巧く纏めていた。本当に「俺の仮面ライダーが還って来た!」と凄く力が入りながら観ていた。

内容を如何こうと綴るような時点でもないので、『仮面ライダー』を「永遠にヒーロー」と思っている個人として「心震える感動を味わったので大感謝!」という想いをとりあえず一言綴っておきたかったのだ…

映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』

ノベライズを愉しく読んだこと、近日公開作品のポスターを眼に留めたことというような幾つかの“切っ掛け”が在り、休業日の月曜日に朝から映画館へ足を運んだ。

↓観たのはこの作品だ…



↑朝からの上映で、然程混んでいない中で悠然と鑑賞した。

正しく「織田信長“夫妻”の物語」という仕上げになっている物語である。勇壮な合戦譚というようなことでもない他方で、“戦国”という雰囲気が滲む画で魅せてくれる。終盤の安土城関係の画が素敵だった…人気俳優が演じる「織田信長“夫妻”」に感じもなかなかに好かった。

映画館の大スクリーンでじっと観る映画というのは「深く入り込む」という感じで、時には非常に好い感じだ…

『グッバイ、レーニン!』

↓大きなスクリーンでの映画上映という機会が在って、微妙な思い入れめいたモノが在る作品を観る機会が生じたとなれば、とりあえず足を運んで愉しみたいというものだ。

グッバイ、レーニン! [DVD]



↑映画作品は概ね20年前のモノなのだが、作中世界の出来事はその更に以前の1990年頃を背景にしている。

1990年頃というのは、東ドイツがその歴史に幕を引こうとしていた等、所謂“東欧”が揺れ動いた頃だ。当時の自身は「興味深げにニュースに触れる好奇心旺盛な学生」という感だった。「揺れる世界の隙間に自身の無限の未来?」というようなことを夢想しながら過ごしていたかもしれない。

そんな時代を背景にした物語で、随分以前に愉しく観た映画だったのだが、不意に「上映会=観る機会」ということになったのを知り、動き回り易い休日だったので上映会を愉しんだ訳だ。

東ドイツがその歴史に幕を引こうとしていたような頃というのは、余りにも激しく世情が動いていた。そういう中での出来事が想定された物語がこの映画だ。

主人公のアレックスは東ベルリンで暮らしている。<建国40年>というような1989年の秋、政府を批判するデモの輪に加わり、警察に取り押さえられてしまった。通り掛かった母はその様子を観て倒れてしまった。倒れた母は心臓が弱っていて、そのために昏睡状態に陥ってしまった。

アレックスにはこの母と姉とが在る。父は西ベルリンへ去ってしまっていた。母はアレックスと姉を抱え、東ドイツの体制を全く疑わず、教員として働き、色々な活動に携わって来た。この母の昏睡状態は数カ月間に及び、その数カ月間に東西ドイツの色々な事柄が余りにも大きく変わっていた。また、幼い子を抱えて離婚したような状態だったアレックスの姉にパートナーガ登場し、アレックス自身も研修中の看護師と交際して将来を期すというようになっていて、彼らの人生も変わろうとしていた。

やがて母は意識を取り戻す。が、医師によれば、強過ぎる刺激でショックを受けると、また昏睡状態のようになってしまい、今度は回復が望み悪いかもしれないということだった。アレックスは「何も変わっていないのだ」と母に信じさせるようにする他無いと考える。

アレックスは家族や御近所の人達や友人の協力を求め、「何も変わっていないのだ」と母に信じさせるようにと奮戦するのだ。

この奮戦ぶりと、母が実はアレックス達に詳しく話していなかった父の件や、生まれ育った体制が棄てられようとしている中で色々と考えるアレックスというような物語の展開で、久し振りに観て少し夢中になった。作中世界で描かれた、30年程以前の「揺れた情勢」の頃に夢見た何かが、年月を経て如何なったか?そういうやや複雑な想いも湧き起ることを禁じ得なかったが…

久し振りに映画を愉しんだ感!!凄く好い!!

大河ドラマ『八重の桜』―総集編

『八重の桜』は、2013年1月から12月で50回テレビ放映された大河ドラマである。

2011年3月の震災を受け、東北地方の復興支援という趣意を込め、東北地方に所縁の人物を主人公のモデルにしたいということになり、会津出身の新島八重をヒロインとするドラマが制作されることとなったのだそうだ。準備が進められ、2012年9月にクランクインということだ。

このドラマの「総集編」を偶然にも鑑賞する機会が生じた。テレビ放映当時に全部を観たということでもなかったので、少し新鮮な想いで観た。

大きく揺れ動いた幕末期から明治期を背景にヒロインの新島八重は生きた。物語そのものは、ヒロインの人生、家族のような身近な人達、そういう人達が巻き込まれる時代の動きが描かれることになる。

1話が45分間で50回にも及ぶ連続ドラマでは、時代の動きに関する事柄の部分がやや大きく重くなる。その時代の動きに関する事柄の部分も、重厚な俳優陣の演技も相俟って非常に素晴らしいのだが、ヒロインと身近な人達の人生や運命という部分が少し判り悪くなる傾向は免れ悪いと思う。所謂“視聴率”というような尺度で、この作品が人気ドラマと呼び得るか否かは微妙だというのは、そういう傾向の故なのかもしれない。

これが「総集編」となると、かなり趣が異なると思った。「ヒロインの人生、家族のような身近な人達、そういう人達が巻き込まれる時代の動き」というのが、「2時間弱のディスク2枚」という尺の中で実に要領良く纏まっていた。なかなかに愉しんだ。

大雑把な流れである。

ヒロインの八重は会津松平家中の武士、砲術師範を務めていた山本家の娘として生まれた。子ども達を温かく見守る両親、父の後継者で非常に優秀な、八重が敬愛した兄の覚馬、仲良しの弟であった三郎という家族だった。

「砲術師範」というのは、大砲や鉄砲を扱う関係の研究をし、運用する場合には指揮を執る役も担う。鉄砲の試射や銃の改良を研究している父や兄の様子を見て育つ八重は、家に在る資料に目を通すなどし、後に兄に請うて鉄砲の扱い等を学んだ。

激動の時代、会津松平家は「京都守護職」という幕府の新しい役に就く。乱れた京都の治安を維持するという役目である。会津松平家では、当主の松平容保を先頭に武士達が京都へ向かうということになった。八重の兄の覚馬もこの中に加わり、京都で活動することとなった。

「力は称えられ、恐れられ、やがて恨まれる」と作中の台詞にも在ったが、幕末の争乱「戊辰戦争」の中で会津は討幕派、新政府の怨恨を一身に受けてしまうような経過を辿ってしまう。

前半はこの戊辰戦争で会津の戦いが始まって、それが激化するという経過迄、戦いの中で知識と技芸を活かして奮戦する八重の様子が描かれる。

そして後半は、会津が戦いに敗れてしまう経過とその後が描かれる。

会津松平家中の武士であった人達等は「斗南藩」というものを起こして下北半島方面の開拓に取組むようになったが、これが余り巧く行かない。

こうした動きの他方、八重達は米沢の知人の好意でその屋敷の離れに身を寄せていたが、京都で「処刑された?」という話しも在った覚馬が存命であったことを知り、京都へ向かう。

覚馬は視力を損ない、歩行も不自由になっていたが、「京都府顧問」ということになって、理想の街づくりを目指していた。八重はそういう様子に心動かされる。

そんな中で新島襄との出会いが在る。米国で学んで帰国し、学校の設立を目指した新島襄は、当初は大阪での学校設立を目論んだが事が巧く運ばない。そこで京都に向かった。京都では覚馬が協力者となった。そして新島襄に請われて八重は妻となる。夫妻で手を携え合っての歩みが在る。

やがて新島襄が病を得て世を去ってしまい、以降は明治30年頃までの八重の歩み(赤十字社の支部を起こし、自身も看護活動を展開する)や、「皇族以外の女性として初めて叙勲」という経過が出て来る。

ざっと流れを振り返った。

会津松平家の苦闘、会津での凄絶な戦いというような経過、西南戦争の辺りまでの時代の動きに纏わる部分は、色々な物語を読んでいる関係で何やらぐっと来た。が、それ以上に新しい時代を開くべく、運悪く障害を負ってしまっていながらも邁進する覚馬や、その考えに心動かされる八重の様子に感心し、更に「夫婦で支え合う」という「真のパートナーシップ」というようなモノで結ばれたような新島夫妻の様子に心動かされた。

本当に「偶々…」という感じで作品を観る機会を得たのだったが、非常に善かったと思う。

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映画『空母いぶき』

5月下旬に公開となって話題になっていた作品が…極最近になって近所の映画館にやって来た…約1ヶ月遅いことになるのだが…

何となく知人と「アレの上映が…」と話題にしていた作品…「日曜日の午後」というような、映画館に寄り易い時間帯に上映されたので、足を運んで愉しんだ…

↓こういう作品だ!

↑様々な映像作品で見覚えが在る俳優陣が活躍していて、艦船が登場する戦闘シーンも見応え在る仕上がりとなっていたと思う…

長く連載されていたコミックを原案としている作品であるという。コミックの存在は承知していて、掲載雑誌で少しだけ視た記憶も在る。が、詳しく承知しているでもない…だから、飽くまで「映画が登場して話題になっているので観た」という感じだ…

冒頭…字幕が出て状況が説かれる…「遠くない未来」の日本が舞台だ。作中の街並み、人々の様子は現在の状況そのもので、特殊な設定が在るのでもない…その日本の近海に“東亜連邦”なる新興国の船等が現れ、領海侵犯のような問題が頻発しているという…そして<いぶき>である。「航空機を搭載する護衛艦」ということだが、これは「航空母艦=空母」であって、その建造や就役を巡って騒然とした経過が在ったのだ。

そういう状況が紹介され、“事件”の「12月23日」が始まる…

海上保安庁の巡視船が、不審な漁船の一群を発見した。正体不明で外国のモノと見受けられることから、領海侵犯をしているということで対応しようとしたが…漁船に乗っていた一団に襲撃されて、国内との連絡が絶たれてしまう…

東京の政府では首相以下の閣僚達が急遽集まって対策会議である。近くで訓練航海中であった海上自衛隊の<第五護衛隊群>を現場へ差し向けているということになった。

<第五護衛隊群>は、<空母 いぶき>を旗艦とし、4隻の通常型護衛艦と1隻の潜水艦で組まれている艦隊である。訓練航海の取材ということで、ネットニュースの若い女性記者と、全国紙で自衛隊を担当しているベテランの男性記者の2人の部外者も<いぶき>に乗艦していたが、彼らはとりあえず艦内の部屋に隔離された。そして艦隊は現場を目指して進む…

本作の物語は、<いぶき>を旗艦とする艦隊の面々、首相以下の日本政府の面々が“侵略行為”に直面し、事態をどのように乗り切って行くのかという物語である。「“戦争”か?“戦闘”か?」ということが問われる中、「“自衛権”の行使」としての“戦闘”が展開する…

最近の海軍の兵装を研究したと見受けられるリアルな戦闘シーン、作中の指揮官や将兵が用いる戦術等、なかなかに見応えが在るのだが…「重い」テーマが込められている。

この「重い」テーマの部分…海上自衛隊の中でキャリアを重ねて来た<いぶき>の副長と、航空自衛隊の戦闘機パイロットから転身したという<いぶき>の艦長とのやり取りで打ち出される…2人は防衛大学校の同期生ということになっていて、職務上は艦長と副長とで上下関係が在るが、隅っこで2人だけになって意見を言い合う場面では対等だ…「戦争をする力は在るが、戦争はしない」に対し「戦わなければ護れないモノも在るかもしれない」…「戦死者が出ていないことを誇るべきだ」に対し「戦争犠牲者が発生していないことを誇る。国民を護って、自衛官は命を落としてしまう場合も在り得る」…というような具合に互いの考えが出て来るのだ…色々と考えさせられる…

色々な意味で見応え十分な作品だと思う。作中の「12月23日」がどうなるのか?是非、御覧頂きたいと思う…

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

映画作品の公開が始まって少々時日が経つと…映画館での上映回数が少なくなってしまう…そうなると、作品を観る機会が少な目になってしまう…そのうちに当該作品の上映期間が終わってしまう…そういうことは意外に多い…

気になっていた作品…稚内でも上映している…公開のタイミングで、少し出掛けるような段取りにもなって、観る機会を設け損なっていたのだったが…この日曜日の休日に在る機会を活かさずに居ると、「見逃した…」で終始してしまいそうな気がしてしまい…観に出た…

↓気になっていた作品はこれだ!!

↑米国で制作されている“ゴジラ”である…

↓予告篇も幾つかの版が在るようだ…


大変に愉しく、映画館も非常に空いていた中で寛ぎながら鑑賞した訳である…

2014年に米国制作の『ゴジラ』が好評を博した経過が在るが、本作は「その5年後…」という「直接的な続篇」と位置付けられている。

冒頭、高校生位の年代と見受けられる少女が、ノートパソコンを広げて、離れて暮らす父親とメールのやり取りをしていた。実は朝食の支度をしながらそんなことをやっていたのだが、そちらにメールに夢中になっていて、焼いていたモノを焦がしてしまう。そんな所に母親が現れた。

この親子が、本作の物語の鍵になる人達ということになる。少女はマディー、母親はエマ、父親はマークだ…

(前作の中で)出現した巨大怪獣のゴジラであったが、実は米国政府は<モナーク>という研究機構を密かに運営していて、世界中の謎の生物に関する研究を永年続けていた。ゴジラの一件からそれが表に出て、色々な論議が出ていた。ゴジラの一件で、深刻な被害が発生していたことから、存在を把握している怪獣を処分すべきだという論調が強かった。

マーク、エマの夫婦にはマディーの他にアンドリューという息子が在った。が、5年前のゴジラの一件の際にサンフランシスコに滞在中で、事件の混乱の中でアンドリューは亡くなってしまっていた。アンドリューの死の後、夫婦は別居となってしまっていた。エマは娘のマディーと暮らし、自身の<モナーク>での仕事に没頭した。マークは他所に出て野生動物研究の仕事をしていた。

<モナーク>が巨大生物を隔離している、眠った状態であるモノを監視しているという施設は世界各地に点在している。その一つである中国雲南省の施設にエマとマディーは在ったのだが、そこに謎の一団が現れて襲撃を加えた。そしてエマとマディーが連れ去られてしまった…

<モナーク>の関係者は急遽マークを訪ね、協力を請う。エマが手掛けていた研究は、嘗てマークが携わっていた仕事にも関連が在るらしいのだ。ゴジラの一件で息子を失っているマークは、娘が危険と聞いて、否応なく事態に関わって行くこととなる…

そして何が起こるのか?事態は如何に推移するか?それが本作の内容ということになって行く…

本作…続々と現れる大怪獣…それに対処しようとする人々…マークの一家や<モナーク>の人々のドラマ…<モナーク>が用いる様々なモノ…なかなかに夢中になって観てしまった…

制作にも関与しているようだが、何か「往年の東宝映画のゴジラで、色々な怪獣が登場する作品」を何処となく思い出すような雰囲気も無くはない…

作品は“吹き替え”と“字幕”とで上映されている。今般、“字幕”の方の上映で観た…

映画『サバイバルファミリー』(※ 記事中に「ネタばれ」が在ります…)

ユジノサハリンスクでは<日本映画フェスティバル>という催しが毎年開催され、なかなかに好評を博している。ユジノサハリンスクに日本国総領事館が開設されて日が浅い頃からの“文化交流”の取り組みで、今年で17回目であるそうだ。

<日本映画フェスティバル>という催しは、ユジノサハリンスク市内の映画館で日本の映画を上映する。上映時は「ロシア語字幕」という形で、日本語のまま上映される。

今般、5本の映画が上映される中、『サバイバルファミリー』という作品を観た。

↓これが予告編だ…

↑この予告編は何かの折りに観た記憶が在る。が、本編は観ていなかった…初めて観るということになった…

色々な要素が詰め込まれた感じで、「一気に終幕まで…」という感じの作品であったと思う。

東京都内のとある10階建てマンションに住む一家…会社員のお父さん、専業主婦のお母さん、大学生の息子、高校生の娘という4人家族だ…

映画が始まると、賑やかな東京の画が入って一家の日常が描かれる…何処かの会社の経理部門か何からしい場所で仕事をしているお父さん…鹿児島の実家の父から贈られた魚をどういう具合に調理したものか、正直なところ“有難迷惑”な感になっているお母さん…携帯ばかり弄っている娘…何やら地味で無口な学生の息子…それぞれバラバラな感じの家族にも見えるが、「イマドキ」は「こんなモノなのか?」という雰囲気だ…

そんな一家に…と言うよりも作中世界に「大異変」が発生してしまう…

ここから先は「ネタばれ」な内容に言及する。不都合な方は、以降は読み飛ばして頂きたいと思う…

或る朝、お父さんが目を覚まして「何時だ?」と時計を見ると、時計が停まっている…お父さんは慌てるが、どうやら停電だ。テレビも電話も使えず、とりあえずよく判らないままに会社に出ようとする。が、電車も停まってしまって混乱している。2駅ということで歩いて会社に辿り着けば、会社の入っているビルの扉が開かずに混乱していて、結局何人かで硝子扉を壊してとりあえず中に入るが、全ての電気で動くモノが動かず、全然業務が出来ない…

かなり広い範囲で停電しているようだが、停電の状況や原因が全然伝わらない…そして色々と混乱が拡がり、深まる…

この混乱が拡がり、深まる辺りの描写…率直に「少し嫌な気分」になった…映像作品で見受けられる、「余りに異様で気持ち悪い」とか「血腥い」ということではない…「昨年の9月6日」を思い出す、「生々しい感じの大停電」という様子で、「あの時」に「困ったなぁ…どうなる??」が頭の中で甦り、「少し嫌な気分」になったのだ…

作中世界の「大異変」は、送電、通電が停まるに止まらず、電池で動くモノや、電気的な装置で稼働するモノが悉く動かない。電池式の時計やラジオや携帯電話やその他のあらゆる機器に留まらず、機関点火に電気的な装置が在る車輛の類も悉く動かないのだ…

そういう状況が何日か続く中、「大阪以西は無事?」という噂が東京辺りで広まり、地方へ移動しようとする人達が相次ぐ…主役の一家も、お母さんの鹿児島の実家を頼ろうという相談になる…

そんな訳で、自転車を駆使して一家が旅をすることになるというのが、この映画の「メインの筋」となる。当初は空港まで自転車で向かって、鹿児島へ飛ぼうとしたが、飛行機も飛んでいないということで空港周辺が混乱する様子を視て「自転車で鹿児島を目指す」ということになる…

作中世界の「大異変」…「何日間か」という次元では済まない…何ヶ月間も続いていて、一家の旅も色々な人達との出会いや、様々な出来事が在って、西へ西へと進むことになる。「大阪以西が無事」という噂は正しい情報ではなく、大阪へ辿り着いても「大異変」の状況であるという描写が為される…

お父さんが、特段に頼りになるとか、頼られているというのでもなく、子ども達もバラバラ…現実よりも「携帯の中」が大切でもあるかのような状況…そんなモノが「大異変」の中で揺らぎ、変質していく…

自動車、飛行機、電動の鉄道車輛が動かないというような中、徒歩か自転車でも使う他に異動する手段が無いような状況…登場するのが蒸気機関車であったりする…SL観光列車の画を巧く使い、巧みな合成も在って、一寸面白い…

やがて一家は鹿児島に辿り着き、お母さんの実家に落ち着く…「大異変」の状況は続き、何やら「電気が地方の小さな町や村に普及する以前の明治時代の村落」というような暮らしぶりになっている…

そして「原因が一切判らず、記録も残っていないので研究も困難」という作中の「大異変」は2年半続いたということになっている…そして旧に復して行くことになる…一家の面々は多少雰囲気が変わっている…

このエンディグ辺りを見て…作中のような「大異変」が2年半も世界中で続いたというなら、「世界はどのように変わった??」というのが酷く気になった…きっと「激変」してしまって、色々と妙な事になってしまうような気がする…

「“全てオフ”になった時、“人間がオン”になる」というキャッチフレーズが本作には在るようだ…「なるほど…」と思う面が在った…個人の人生、身近な人達との係わり、その他色々な事について「少しでも大事にしているだろうか?」という問題提起が在るようにも思った…

「お笑い」を塗しながら、「なかなか考えさせられる」という感じだ…他方、冒頭の方に在る「イマドキの大学生や高校生の様子」を観て、「判る…」でもなく、「えっ?!こんな感じ?!」と驚いていた自身に気付き、何やら自身が酷く年齢を重ねてしまったというような気もしていた…

映画『孤狼の血』(2018.06.01)

日本国内の映画館で映画を観る…時には好いものだ…

↓この作品を観た!

↑ネットでこの作品の紹介を視て、「機会が在れば…」と思っていたのだったが、丁度好く上映中だった…

何か…「昔の東映の作品」を最近の流儀で再現したかのような…独特なムードが漂う作品だった…

物語は「広島県呉原市」という「架空の街」を主な舞台として展開するのだが…「呉原」は明らかに呉をモデルとしているようだ…広島から然程離れていない都市というイメージ…そして「これは呉だ…」と、判り易い場所で撮っているような画も見受けられた…

物語の冒頭は、やくざが何やら暴力を振るっている凄惨な場面で「昭和63年4月」という設定時代が示される…そして、14年前に呉原の組織と、広島の大きな組織の傘下団体と関連が在る組織による抗争が繰り広げられ、火種が燻っている状態で年月が過ぎているというようなことがナレーションで入る…

そして「昭和63年8月」と本編の時代に入って行く…

広島大学を卒業して警察官になって日が浅い日岡は呉原東署に刑事として配属されて来た。一緒に活動をすることになったのは、ベテランの大上刑事…好く言えば署の名物刑事たるベテラン…他方で暴力団との癒着というような噂も多い人物だ…

署内でこの大上が事情を聴いている女性…兄が行方を眩ませてしまい、既に4ヶ月程になるのだという。何処かへ出払っているという様子は見受けられず、日頃使っているモノが悉く自宅に残っている中、流石に「何かの事件?」と警察に相談に来たのだという…

この行方不明になってしまったという男…暴力団の組員ではないのだが、暴力団に関係が在る金融会社の社員であった…

14年前の抗争で、一方の組織の組長は服役しており、近く出所という情報が在る。そういう中、広島の組織の傘下団体に連なる側が「一気に抗争に決着し、呉原を押さえる」という思惑を膨らませているらしい。そういう中、有力な資金源と見受けられる金融会社につながる男が行方を晦ましてしまった…

大上は「手段を択ばず…」という強引なやり方で次々と情報を集める。二岡はそういう状況に呆れながら行動を共にして行くことになる…そんな中で俄かに“抗争”の状態が活性化し、色々と事件が発生してしまう…

大上が秘めているモノ?二岡が秘めているモノ?2人の関係?抗争の行方?「見どころ満載」で、独特なムードの中で物語が展開する…

久々に…「深い余韻」のようなモノが残る映画だった…

映画『探偵はBARにいる3』

映画『探偵はBARにいる3』の公開を知ったが、「恐らく観る機会は?」と思っていた…

そこで“ノベライズ”を入手して読了したが…その後になって、「少しだけ時間を設ければ観られる」ことに気付いた…

で、12月2日に札幌入りし、12月3日に時間を設けることとした。

公開されて日が浅いということで、<サッポロファクトリー>の映画館はなかなかに賑わっていた…因みに、映画終盤の“クライマックス”は<サッポロファクトリー>で撮られたシーンである…

↓“予告編”…


シリーズの“世界観”は第1作、第2作から確り継承されている。とにかく愉しい!!

↓シリーズの紹介の、なかなかに好い動画も見付けた…


映画を観た後、映画の中にも登場する路面電車に、映画のラッピングのモノも視掛けた…「札幌に道草」で好かったことである…

ロシアで話題の映画:『マチルダ』(Матильда)

ポスターを視ると、ヒロインと思われる女性が真中で、帝政ロシアの軍服と思われる衣装の男性が脇に居る図案になっている映画が上映中であることに気付いた。

「何か、ロシア史に題材を求めた作品?」と考えたが…「色々な意味」でなかなかに話題の映画であるということが直ぐに判った。実際、一部は日本のメディアでも取り上げられている程だ…

↓幾つか出回っている予告編をこちらで…



↑なかなかに美しい画の作品である。

これは、かのニコライ2世の挿話に題材を求めた物語である。物語の後半で、ニコライの父であるアレクサンドル3世が崩御してしまっていて、戴冠式に臨もうとする経過になるので“皇帝”なのだが、主に皇太子時代の挿話ということになる。

物語の冒頭部…ロシア正教の寺院で、列席する大勢の人々の居並ぶ中にニコライ2世が現れ、コーラスの声が堂内に響き渡る独特な雰囲気で荘厳な戴冠式が催されている。その会場の入口辺りに女性が1人入り込む…会場の入口辺りを制服姿の、保安関係部門の幹部らしき男性が通り掛かる。そして女性に気付き、声にこそ出さないが「あの女!?」とばかりに猛然と女性を追い始める。女性は場内の奥側へ逃げて行く…

そして時間が遡る…冒頭に登場した戴冠式の場面へ至るまでの物語が展開する訳だ…

皇太子ニコライは、未だ独身だったが、特定の女性と交際するでもなかった。父のアレクサンドル3世は、そんなニコライを視て「女性との交際位は在っても…」と思っていて、美しいバレリーナとでも交際することを仄めかしていた。

ニコライは、バレエの公演で「バレエ団に在って最近台頭して来た」という感のバレリーナであるマチルダに魅せられた。トップのバレリーナのさり気ない意地悪で、衣装の紐が解けてしまったが、マチルダはそれを意に介さないかのように見事に踊って見せたのであった。

やがてニコライはマチルダに言い寄る。このニコライの他方に、マチルダに魅せられている男達の存在も在るのだが…

ニコライはマチルダに言い寄るものの、当初は何となくぎこちない…それが時間を経て、少しずつ打ち解けて、互いに欠かせないという関係になって行く。

マチルダはポーランド系の一家の出で平民であり、ニコライはロシア帝国を継承する皇太子である。結婚というようなことが簡単に認められるものでもなかった…そして後のアレクサンドラ皇后となるドイツの公女アレックスがロシアにやって来る…

ニコライはアレックスを后に迎えることになっている他方で、マチルダに夢中でもある…アレックスも複雑な想いの中に…他方で、ニコライと同じくマチルダに魅せられている従兄弟のアンドレイの存在も在る…

そういうようなことで色々と在って戴冠式の場面に進んで行くことになる。日本での公開に関しては承知しないが、余り細々した映画の物語を綴ると、“ネタばれ”で迷惑なので控える。美しい映像でロマンスという感じなのだが、何処かサスペンス的な要素も入っている感じだ。2時間弱な上映時間だが「あっという間」だった…

全般的な感じは、「美しい映像で綴られる愛とサスペンス」で、「史上の人物の挿話に題材を求めた」という感を逸脱するものでもない。“+16”という公開基準が設定されていて、確かに「お子様向け」とは言い悪い側面は在るが、グロテスクな訳でも何でもない…が、それでも「色々な意味」で話題である…

というのは、ニコライ2世は「ロシア正教を擁護していた人物」であり、“受難者”ということで1990年代にロシア正教会で「聖人」に列して祀っている。そういう人物の“愛人”というような、「道徳的とも言い難い」部分を取上げるということに関して、「事実無根!!」というような説が在り、そういう説を熱心に擁護する立場の人達からの攻撃的批判が随分と在るようだ…

そんなことも在って話題の作品で、映画館は賑わっている。今般は<オクチャーブリ>という近所の映画館の“小ホール”という100人程度のホールで観たが、「各列の端が少々開いているものの、概ね席が埋まる」という観客動員で、ユジノサハリンスクで何回か映画を観た経過の中では「最も賑わっていた」感だ…更に、複数の上映ホールを備えるシネコンでは、「複数のホールで1時間毎に上映」ということさえやっていた日も在ったようだ…

「史上の人物」と言っても、「様々な側面が在る人間」であり、「映画に登場」となれば「作中人物」だ。「映画の作中人物」として「様々な側面の一つ」に光が当てられ、描写される。そこに脚色も入る。飽くまでも「映画」なのだ。

この作品を観て思った…

ニコライは「帝国の皇太子」という非常に重い立場に在って、何やら「何でも意のままになるような」と他の人には思われるかもしれない…が、実際には「何一つ意のままになる訳でもない」という「不思議な位置」に居る、些か不器用な青年だ…その彼が情熱を傾けて、「何一つ意のままになる訳でもない」を振り切って、踏み出してみることを意図し、本人がよく判らない次元の場所で摩擦が重ねられ、結局ニコライ自身は「余儀なくされた方向転換」の中で、新しく自身の人生を踏み出そうとする…そんな感じだ…

ハッキリ言って、何か非常に「らしい」感じの「ロシアの戯曲」というようにも思えた…随分と在るらしい攻撃的批判というようなものは「やや的外れ?」とも思えた。尤も、作品を擁護する側では「映画を観ていない人達が批判している」としているようだが…確かにそうだ。

ニコライ2世は、皇太子時代に来日している。そして“事件”も在った関係で、日本の歴史にも足跡を遺している。「昔の外国要人」としては、日本では比較的知られていると思う。そのニコライ2世の挿話に題材を求めた本作…日本でも観られるようになると好いと思う。

<Салют-7>:ロシア映画 『サリュート7』(2017.10.21)

ユジノサハリンスクの映画館では、色々な映画を上映しているが、概して上映作品の入替が速いような気がする。「これ?!面白そう!!」という作品が上映されていると知った時は、余り時を置かずに「行くぞ!」と映画館に足を運ぶのが賢明であるように思う…

「ロシア」と言えば思い出す幾つかのモノの中に、或いは「宇宙開発」というモノも挙がるかもしれない。人類初の有人宇宙飛行を実現したのはソ連であった…そして幾多の宇宙ステーションを運営して来た経過が在る…

そういう「宇宙開発」の経過の中には様々な挿話が在る訳だが、そういう実話をモデルにして制作した映画が公開されている…

↓2つのパターンの「予告」をこちらに…



↑なかなかに凄い画であるが…実話を基に創った脚本で、こんな画の出来事の背後の人間ドラマもなかなか丁寧で、非常に面白い作品であった…

1985年の出来事をモデルにしている。“ソ連時代”である。ロケットや宇宙ステーションには「СССР」と“ソ連”を示すマーキングが在り、宇宙へ出る搭乗員達のユニフォームにも“ソ連”のエンブレムが入っている。そして、止めてしまって存外に長い感じの、米国のスペースシャトルも元気な時代で、作中に<チャレンジャー号>も一寸出て来る…

多少…「ネタばれ」のようなことにもなりかねないが…ストーリーを少々綴ってみる…

映画の冒頭…ソ連の宇宙ステーションで2人の搭乗員が船外作業を行っている。宇宙服に身を固めて、宇宙空間で宇宙ステーションのメンテナンス作業を行う訳である…

その船外作業で、経験が浅いと見受けられる女性搭乗員が不注意で宇宙服に釘を引っ掛けて俄かに調子を崩す…ベテランの男性搭乗員が彼女を助けて無事に帰還する。が…ベテランの男性搭乗員は、船内に戻ろうとした際に妙な光を視て、妙な気分になってしまった…

帰還後…ベテランの男性搭乗員は「精神的な負担が重い任務を続けて疲弊しており、宇宙へ出る任務は外れるべきである」という診断を受けてしまう。マダマダ幼い娘も居る中、妻は危険な宇宙での任務を外れて地上勤務となることを歓迎するが、本人は多少気分が荒む…

そうした中で永く共に仕事をした経過が在って、公私に亘って懇意な同じく宇宙へ出る搭乗員でエンジニアの友人と池にボートを出して釣りに興じて気晴らしをしていると、友人に「緊急招集」が掛かって関係者が迎えに現れた…

大変な事態が起こっていた。宇宙ステーション<サリュート7>は、無人運用を続けていたが、突然に交信を絶ってコントロールが失われてしまったのだ。コントロールが無いまま、全長20メートルにも及ぶステーションが何処かの「街の真中」にでも落下すると甚大な被害も発生しかねない。世界各国に情報も伝わって「ソ連の宇宙ステーションがコントロールを失ったらしい」という騒ぎも起こっている。

この事態に対応するため、<サリュート7>の点検修理を主に手掛けるエンジニアと操縦を担当する搭乗員を<ミール>宇宙船で宇宙へ送り込むことが決定した。<ミール>は、ロケットで軌道に上がった後、<サリュート7>とドッキングを行うのだ。

宇宙ステーションの管制センターでは、エンジニアの人選は直ぐに決めたが、操縦を担当する搭乗員の人選が難航していた。誰しもがドッキングを経験しているでもなく、更に「条件が好くない」のである。シミュレーターで今般のドッキングを試すが「出来ない!」という結論に至る。管制センターの責任者は、最後の手段として「自身で何とか?」とさえ思い詰めたが、俄かに出来る筈もなく、シミュレーターを試すがうまく出来ない。

結局、「宇宙へ出る任務は外れるべきである」という診断を受けていたベテラン搭乗員しか、その困難なドッキングの任に堪えないという判断に至り、<サリュート7>の点検修理の任務に就くこととなった…

エンジニアは妻に出発を告げるが、妻は妊娠中で間も無く産れるような中、「暫くは地上に居ると言っていた筈」と大泣きしてしまう…ベテラン搭乗員の妻は、街のカフェで待ち合わせて、スパークリングワインを注いで宇宙へ出ることになったと告げる夫に「何を言っているの!?」と怒ってしまい、夫をその場に残して出て行ってしまう…

そうして2人は宇宙に出た…

やや苦労しながら、ドッキングを果たしては行ってみた<サリュート7>は、何と内部が凍り付いてしまっていた…「最早ステーションではない…冷凍庫だ…」という状態だった…

この氷を何とか解かすところから点検修理の作業は始まる…氷が何とか除かれて行き、作業は順調にも視えたのだったが…危機が訪れる…

これ以上は、「多少」を逸脱する「迷惑なネタばれ」と思われるので遠慮しておく…

<サリュート7>の対応で宇宙に出る2人、各々の妻達、管制センターの現場責任者…この辺りが軸になる人物達で、彼らを取り巻くドラマが、「流石に最近の技術!!」と驚く程にリアルに再現された「ソ連時代の1985年頃の宇宙ステーション」という画の中で繰り広げられる。なかなかに見応えが在った!!

この見応えの作品…朝の上映だったので260ルーブルで観られた…何組かの御夫婦、親子連れが見受けられた中、何となく1人で観ていた…

日本国内での上映予定に関しては承知していないが…佳い作品だと思った。

サハリンでロシア映画を鑑賞:<Спасти Пушкина>(スパスチー・プーシキナ)(プーシキンを救え)(2017.04.29)

近所に、ボリュームが在るサンドイッチを頂きながらビールを呑める店が在り、何となく足が向く…

↓その店で流れていたテレビに映った、映画を紹介する映像である…

↑<Спасти Пушкина>(スパスチー・プーシキナ)(プーシキンを救え)という、2017年のロシア作品!4月27日から公開されたばかり…テレビで紹介されるのを視た時には「近日公開」という扱いだった…

アレクサンドル・セルゲイヴィチ・プーシキン(1799.06.06-1837.02.10)は、ロシアでは最も有名で、最も評価が高い詩人で、所謂“近代文学”の礎となるような作品を多く遺したとされる。「プーシキンの誕生日?」とでも話題を持ち出せば、10人中8人か9人は「6月6日ですよね…」と躊躇無く応えられるような、そういう程度―日本でも文学史を飾る多くの作家が在るが、「誕生日?」とでも話題にすれば「知らない…」という作家ばかりだと思う…―に有名な詩人である。この“超”が付く程度に有名な19世紀の文学者が、21世紀の街に現れるという、SF調な設定と、学園ドラマ的な要素が絡まり合ったようなコメディー作品が<Спасти Пушкина>(スパスチー・プーシキナ)(プーシキンを救え)である。

1837年…小雪が舞う中で、プーシキンは命を落とすことになった“決闘”へ向かっている…プーシキンは相手と対峙する…

2017年…モスクワの、その名も<プーシキン高校>では、担任の先生の指導の下、生徒達が学校行事の準備を賑々しく行っている。スピーチ大会、詩の朗誦の会のような催しで、校内のホールに学校名に因んだプーシキンの大きな肖像画を飾ろうとしている。その場で、「おじいちゃんの宝物をこっそり持って来た」というエゴールが、親友のフョードルに<プーシキンの時計>なるモノをこっそりと見せている。年代モノの懐中時計だ。他の生徒がそれを視て、「おい、見せろよ!」というようなことになり、何やら争奪戦のようになり、終いに時計が宙に舞う。落ちて壊れては大変と、エゴールとフョードルが時計が飛んでしまった方に飛び込んで、モノを無事に掴んだのだが、そこで妙なことが起こる。

エゴールとフョードルは、時間と空間が捻じれた中に飛び込んでしまって、プーシキンが決闘して銃弾が発せられる瞬間にタイムスリップし、そして次の瞬間にプーシキン本人と諸共に元の2017年に戻ったのだった…

気候の好い5月頃の設定という感じの学校に、冬の外套姿で粉雪を少々被ったプーシキンが不意に現れ、居合わせた生徒達や先生は驚いて騒ぐ。プーシキン本人も「何処に居るんだ?私は?」と困惑する。

こういう騒ぎになれば、早速にプーシキン高校の生徒達の中の“ブロガー”がビデオをネットで流す。それを視て、多少名前の売れたトークショーの司会者が、番組一本を制作する、カメラに照明や音声に、メイク係から番組内の“ジングル”を生演奏するバンドと歌手に至るまでの大チームを引き連れてプーシキン高校に乗り込んで来て、生放送まで始まった。

「あなたは本物のプーシキンなのですか?」と問う司会者。対するプーシキンは「私には皆さんの御質問の意味が…判らない…」という反応。そんな小さな騒ぎが続く。

こういう騒ぎの他方、エゴールとフョードルは「何とかプーシキンを元の世界に戻さなければ…」と色々と考える。そこに彼らと仲が好い女子生徒のミラーナが現れ、「戻っても命を落とすだけなのだから、助けてあげましょう」と言い出す。しかし、エゴールとフョードルは「歴史を変えると、大変なことになってしまう!」と必死だ。

そうして何やら混乱する中、「恐らく“タイムマシーン”」と見受けられる時計の争奪戦が始まったり、プーシキンを金儲けのネタにしようとする人達が蠢く。他方でエゴールとフョードル、加えてミラーナと担任の先生の4人で、先生の愛車で走り回って、プーシキンに「21世紀のモスクワ」を見せて回る。

余りにも有名な文学者の“ホンモノ”と、妙な切っ掛けで交流することになった現代の高校生達…自身の時代から200年近くも後の時代の少年少女達と不思議な交流を経験する19世紀の詩人…凄く愉しい物語だった!

プーシキンが21世紀の街を行く場面では、カフェで視掛けたウェイトレスが素敵だと、紙に詩を書き残して去ってみて、ウェイトレスが後から感激していたとか、プーシキンの銅像の真似をする大道芸人に「商売の邪魔をしてくれるな!」と絡まれて大喧嘩になる寸前の騒ぎが起こったり、大きな銅像を視て「私に似ている!」と驚き、子どもが「プーシキンだ!」と寄って来て写真をお願いされ、親が何やら現代の紙幣を彼に渡してみたり等々、笑いが止まらなかった…

映画は、商業施設<シティーモール>の館内に在るシネマコンプレックスで観た。最も小さい部類のホールで上映されていたのだが…“貸切”状態だった…

随分以前に、モスクワで映画を観た思い出は在るのだが、サハリンでは映画を観たのは2回目である。随分以前にも、機会が在ってロシアの映画を観たのだったが…あれは<シティーモール>のオープン以前で、<オクチャブリ>という映画館だった…

“人気作品”と呼び得るのか否か、よく判らない…凄く愉しかったのだが…日本での紹介が在るのか否かは判らないのだが、出来れば紹介されて欲しい作品だ…

『シン・ゴジラ』

昨年12月末、『ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー』を“吹替”、“字幕”で計2回、『海賊とよばれた男』を1回と、「観たい!!」と思っていた作品を観る機会を設けられた。他方、2016年には「観たい!!」と思っていて、観る機会を設けられなかった作品も幾つか在る…

その「観る機会を設けられなかった作品」の一つに『シン・ゴジラ』が在る…7月末に公開された作品で、既に映画館での上映は然程見受けられなくなってしまっているのだが…札幌で上映が続いていることを知った。

12月に上映の件を知ったのは善かったが…12月には夜遅めな時間帯の1回のみという上映で、やや観に行き難かった…が…1月に入って、1月1日の入場料が安くなる日に「午後の早めな時間帯に1回上映」ということになっていた…「これは!!」と1月1日に札幌都心部へ出て、札幌駅のビルに入っているシネコンを訪ねて、この作品を観ることが叶ったのだ!!

↓東宝が公開している“予告”…


↓東宝が公開している“予告”の別ヴァージョン…


映画のタイトルの『シン・ゴジラ』…“シン”とは何だろう?

先ずは「新しい作品」という意味の“新”である。これは、現在の映像テクニックを駆使した迫力在る映像で綴られる物語を観ると誰でも得心出来る…

そして「真実味を帯びた物語」という意味の“真”である。勿論、「ゴジラが現れる」というのは、「究極的なまでの虚構」である。が…「とんでもない大災厄」、「想定さえしないような出来事」というモノに直面した政府等の対応の描かれ方に、“妙”なまでのリアリティーが在る。そして過去の“ゴジラシリーズ”で御馴染な「防衛隊のメーサー車」というような“SFメカ”に類するモノは登場せず、飽くまでも映画が制作されて上映されている2015年や2016年現在に「実在するモノ」が主体で「ゴジラとの攻防」が繰り広げられる。ここにも“妙”なまでのリアリティーが在る。

更に「神のような力を帯びているらしい謎の巨大生命体が現れる」という意味の“神”である。未知の生命体に関して、作中の色々な人達が持てる知識を総動員して色々と考えるが、結局“神”のような途轍もない存在であるという結論に至る。そして作中の或る研究者は、英語論文の中で“GODZILLA”と、故郷の伝説に在る“ゴジラ”という語を表記する際に“神”の“GOD”を入れたという話しにもなっている…

既に公開から少し時間が経っているが…未だ「ネタばれ迷惑!!」な感じも一部に残っているであろうから、これ以上のストーリー詳述は敢えてしない…

本作は、「ゴジラが現れる」という「究極的なまでの虚構」が、“妙”なまでの、それこそ苦笑いを禁じ得ないようなリアリティーの在る進行の中で綴られている…とにかく愉しんだ!!

「観る機会を設けられなかった」ことをかなり残念に思っていたので、1月1日に本作を観られたのは「思わぬ“お年玉”」となった…善かった!!

『ローグ・ワン スターウォーズ ストーリー』

久し振りに「近所の映画館」へ…“外国映画”に関して「吹替3D」で上映というのは、やや気が退けたのだが…それでも観てみた。そして酷く気に入った!!機会が在れば「字幕」の上映も観たいと思った…

↓こういう映画を観た!!
I enjoyed a film at Wakkanai on DEC 23, 2016 (2)
↑何やら入場者に記念品を配布していたので、頂いた訳だ…

↓こういう按配に、ポップコーンと冷たい茶を求めて、席に陣取ってゆったりと映画鑑賞をした…
I enjoyed a film at Wakkanai on DEC 23, 2016 (3)

<スターウォーズ>は、「長大な物語」というように構想されていて、当初登場した3部作は、後から登場した3部作の「後の時代」ということになっていて、現在では「エピソードからエピソード6」と呼ばれている。そして少し前にこれらの「続き」ということになる「エピソード7」も少し前に登場した…

この『ローグ・ワン スターウォーズ ストーリー』はこれらの「長大な物語」の“スピンオフ”的な物語だ。“時系列”としては、全く初めて登場した、現在は“エピソード4”と呼ばれる作品の時期の「少し前」ということになる。

そういう「“作品世界”の中での位置」というような話しも在るのだが、それはそれとして、私は本作を「新しい、独立したSFファンタジー活劇」として、かなり愉しんで夢中で観た…

物語は<スターウォーズ>の世界…恐怖と抑圧で銀河の星々や様々な種族を支配する帝国軍に対し、抵抗勢力となっている同盟軍や反乱軍が在る世界だ…

主人公の女性ジンの少女時代の回想から物語が起こる…

帝国軍の仕事をしていた技術者の父は、仕事を離れて妻や娘と辺境の農園で静かに暮らしていたが、「進行中の大計画に彼が必要」と帝国軍の高官がやって来る。ジンはこういう事態に備えて決められていたシェルターに避難した。やがて、帝国軍の高官に抵抗した母は警備兵に殺害され、父は高官に連れ去られた…そしてジンは、後からやって来た反乱軍の男に助け出された…

そんな過去を持つジンは、偽名を名乗って暮らしていて、犯罪を犯して収容所に在ったが、収容所から同盟軍関係者達によって連れ出された…

ジンの父が携わる“超兵器開発・建造”の計画が完成に近付いていて、重要情報を持って来たと称する、帝国軍を抜けて同盟軍に身を投じようとしていると称する輸送船のパイロットが惑星ジェダに在るという…その惑星ジェダには、現在では非主流派となってしまっている同盟軍の有名なゲリラの領袖が居て、接触を持っているらしい。ジンは帝国軍の技術者である父と生き別れた後、その領袖に育てられた…2人の“キーマン”と繋がりを持つ“重要人物”であるジンに、同盟軍は協力を半ば強要し、ジンはそれを容れて情報担当将校や、彼が相方としているロボットのK2-OSと惑星ジェダを目指した…

そして惑星ジェダを振り出しに、開発・建造中で半ば完成しているという“超兵器”<デススター>の機密情報を巡るジンの冒険…志願して帝国軍の施設に潜入し、機密情報の奪取を目指す決死隊のコードが<ローグ・ワン>と言う…

「希望は死なない…」と危険な潜入作戦に挑む面々の奮闘…これがとにかくも面白い!!勇壮なBGMや迫力溢れる効果音の中で展開するアクションやSF描写が素敵だ…

↓左端が、帝国軍で高官の警備隊をしている兵士達のヘルメット…隣は、この『ローグ・ワン スターウォーズ ストーリー』での事態を受け、<エピソード4>で機密情報を巡って同盟軍と戦う帝国軍の幹部ダース・ベイダー…(これは非常に有名!!)その隣の白いのは、帝国軍の主力兵士である<ストーム・トルーパー>…右端は、本来は帝国軍が使っているロボットで、本作では主人公の側でなかなか面白い活躍を見せる<K-2SO>…
I enjoyed a film at Wakkanai on DEC 23, 2016 (4)
↑思わず…グッズを求めてしまった…

公開中の新作映画なので、仔細は敢えて綴っていないが…とにかく愉しかった!!

>>ローグ・ワン スターウォーズ ストーリー(公式サイト)

映画『仮面ライダー1号』

公開初日の、稚内の映画館での初回上映で、この映画『仮面ライダー1号』を…観てしまった!!

「かの“藤岡弘、”が“本郷猛=仮面ライダー”の役で主演する映画が…」と聞いて、凄く興味を覚えた…『仮面ライダー』は、悪の秘密結社ショッカーの“悪魔の科学”の力で、凄まじい力を持つことになった主人公が、「自らの意志」でその悪に立ち向かって行こうとする…そんな物語だ。藤岡演じる本郷猛…あの風貌、暗いような、熱いような独特なムード、声の感じ、アクションの感じ…とにかくも“仮面ライダー”という呼称は永く使われ続けていて「半ば一般名詞」という風で、色々な俳優がそういう役を演じてはいるが…“仮面ライダー”と言えば、頭の中に真っ先に思い浮かぶのは「藤岡演じる本郷猛」で、「何時までもヒーロー」なのだ!!

その「藤岡演じる本郷猛」と、今日はスクリーンで再会出来た!!些か興奮を覚えている!!

映画『仮面ライダー1号』は、現在テレビ放映中の『仮面ライダーゴースト』の世界に、本郷猛が現れるという物語である。そして本郷猛ばかりではなく、往年の悪の秘密結社のショッカーと、ショッカーから分派して新たに活動を始めたノバショッカーというモノも姿を現す…

「本郷猛の“仮面ライダー”」と言えば…「おやっさん!」こと“立花藤兵衛”である…立花藤兵衛は、「オートバイレースもやっている大学院生」ということだった本郷猛が、オートバイレースの関係で親交が在ったという人物で、“仮面ライダー”ということになった本郷猛の協力者だった人物…言わば恩人なのだが…映画『仮面ライダー1号』にはその孫である女子高生の麻友が登場する…

この立花麻友…どうしたものか、突然現れたショッカーの怪人達―往年の作品に登場していた怪人が3体!!当然「イィッ!!」の掛け声の、黒づくめコスチュームで覆面の“戦闘員”の一群を引き連れている…―に狙われる…そこにノバショッカーを名乗る一団が現れ、ショッカーと乱戦になってしまう。更に仮面ライダーゴーストも割って入る中、立花麻友は逃げた。逃げた立花麻友を執念深く追うショッカー…その眼前に現れたのは、本郷猛だった…

そういうような感じで物語が展開して行く…映画の公開初日でもある。詳しい筋書きや仔細は、未見の皆さんのためにも、余りくどく綴るべきではないであろう…

何か…嘗て悪の組織を駆逐し、その後も世界各地で密かに悪と戦い続けていたヒーローが、恩人の孫を気に掛けて現れ、静かに暮らしたい場面でまた蠢く悪に出くわして「戦う様」を何世代も下のヒーローや関係者に見せ、そしてまた去って行く…そういう風情だった…

正直…『仮面ライダーゴースト』の戦う場面の演出に関しては、何かよく理解し悪いモノが在ったが…本作の“1号”の感じ!!あれこそが“仮面ライダー”だ!!「おやっさん…一緒に行きましょう…」と古い倉庫に眠っていたバイクを出し、着込んだジャケットの内ポケットに色褪せたような写真を入れて、エンジン音高らかに出発…暴れまわる怪人達が居る場面に駆け付け、バイクで戦闘員達を蹴散らした後…「ライダー…変身!!」で戦闘態勢…そして凶悪な怪人達と雄々しく闘う…これが好い!!

本作は“1号”が主役だが…不思議な存在感を示す敵役の“地獄大使”が、何か妙に好かった…どさくさに紛れて…「嬉しいぞ!本郷猛!お前と戦えて!相変わらず、暑苦しいぞ!!」という台詞を吐いた…

受け継がれ、結び付く生命…“本郷猛”はそんなことを説こうとする…熱血青年が、そのまま齢を重ねて、いい年のおじさんになったような感じだが…或いは「こういう感じのヒーロー」というものが、シリーズのようになっても好いのかもしれない…今回の“1号”のデザイン…「少しおじさん的な、ゴツい体形に?」という話しも在るが…

とにかくも…「藤岡演じる本郷猛」と、今日はスクリーンで再会出来た!!善かった!!

テレビドラマ『戦艦大和のカレイライス』

休日…近所の喫茶店で、テレビドラマの録画等を視てゆったりとするようなことが多々在るのだが…

↓録画ではなく、オンエアーされていたテレビドラマを観た…
>>『戦艦大和のカレイライス』(NHK広島)

なかなかに愉しく観たので、一寸気になって調べた。2014年11月に地域限定で放映されたものが、2016年2月7日に全国地上波放送放送となったという経緯らしい…

「自分探し」等と言っている若い女性が、不思議な青年と出くわして、人生を見詰め直して踏み出して行くような大筋なのだが、SFとかファンタジーという仕上がりで、一寸愉しい…

広島で制作したドラマで、物語の舞台は呉である。全編、殆どの場面が呉や周辺でのロケのようだ…その映像も美しい…

「一寸、記憶に留めたい」感じの作品だ…

きっと、「地方制作の秀作」というのはマダマダ在るように思う。こういうようなコンテンツを積極的に紹介するようにして頂きたいものだ…

映画『KANO 海の向こうの甲子園』が本当に愉しかった!!!

ブラインドの隙間から朝の淡い光が射し込む中、<大阪ストロング>を静かに啜る…静かな朝に頂く珈琲の美味さが際立つのは、<大阪ストロング>そのものの美味さの御蔭だけではない。今朝は、何か深い満足感に包まれている…

“白夜映画祭”と称し、近所の映画館で「オールナイトで映画を上映」という催しをやっていた…その中で「この作品!?」と大変に気になっていた作品が在った。午前3時40分から午前6時40分というような時間帯で上映されることを知り…金曜日の夕刻に食事を愉しんでから直ぐ休み…3時台に起き出して、映画館に足を運んだ…

↓観た作品はこれだ!!


「近日公開」というような映画の情報に触れ…「これは!?」と「前のめり」に「観たい!!!!」という作品は出て来るが…近所の映画館で必ず上映されるでもないし、上映されている映画館が在る街へ行く機会が設けられるでもなく、機会が在っても映画館へ道草するゆとりが無い等、些か残念な思いをすることが実に多い…この『KANO 海の向こうの甲子園』もその「残念な思い」をした経過が在る作品であった…それが、街の催しというようなことで観られた!!実に善かった!!

1931年の甲子園…現在の高校野球の前身である“中等学校野球大会”が物語の主な舞台となる作品で、台湾南部に在った「嘉義農林学校」(“嘉農”が通称で、野球チームのユニフォームには“KANO”の文字が入る…)のチームが主役である。映画館のホールに陣取って映画を観ていて、「劇中の野球チーム」に過ぎないのだが、何時の間にか「チームに声援を贈るように、夢中になっている…」ということに気付いて、多少苦笑いもしてみたくなった…

物語は、1944年頃の或る日、フィリピン方面に向かう将校が、「嘉義に着いたら起こしてくれ…」等と言いながら、台湾南部へ向かう列車に乗車するような辺りから始まる。この将校が、「忘れ得ない1931年の甲子園に現れた“嘉農”」を振り返るという体裁…加えて“嘉農”そのものの様子を追うというような、双方の筋が交差するような按配で物語は展開する。

冒頭の将校…直後の“回想”で“中等学校野球大会”に出場した経過が在ることが判る。「札幌商業学校」のエース投手だったのだ。開会式の回想…北海道から九州までの各代表に加えて、“京城”(ソウル)とか“大連”というプラカードも見える選手入場が行われている。当時の“中等学校野球大会”では、“朝鮮”、“満州”、“台湾”という出場枠も在ったのだ…選手達が勢揃いした辺りで「交通事情により、到着の遅れているチームが…」と戸惑い気味に司会が言い出すと、どやどやと現れた一団が…それが“嘉農”であった。「甲子園!着いたぞ!」とガヤガヤしていて、「お前達!!並ばんかぁ!!」と監督が一喝…バタバタと集合した選手達の列に“嘉農”の面々が加わった…「何だ?この連中は?」という“失笑”、“冷笑”というムードで迎えられた無名チームという按配だった…

こうしてこの“嘉農”が甲子園へ至った経過が語られる…

“嘉農”の野球チーム…「一度も勝ったことがない」ようなチームだった…メンバーとなっている農林学校の生徒達は、中国系商工業者の息子や現地民農業者の息子、日本人の土木や農業の技術者の息子で、「多民族混成チーム」だった…

このチームに、学校の事務員で会計係の近藤が出くわす…更に、近藤が四国の松山で野球をやっていて、指導者経験まで在ることを知った農林学校の教員が、野球チームの指導をするように口説くのだった…

近藤は、松山で野球の指導が巧く行かずに飛び出し、台湾に流れて職を得た過去が在ることが示唆され、教員に口説かれても逡巡したが、結果的に監督を引受けた…「多民族混成チーム」で「勝ったことがない」ので揶揄され勝ちだったが、近藤は「“野球をやろう”とするのに、民族は関係ないやろう!」と言い切り、寧ろ守備が巧い日本人、打力の高い中国人、俊足の高砂族とメンバーの持ち味を組合せて佳いチームが造れる筈だと“熱血指導”を続ける…

こうした中…チームの面々は“熱血指導”に戸惑いながらも懸命に練習に励む。「甲子園!」を掛け声に近所でランニングをしていて、「妙なガキども…」と街の“名物”のようになって行く…そうした中で、チームは「闘う姿勢」を持つようになって行く…

やがて甲子園の“1枠”を賭けた「全島大会」が始まり、」“嘉農”の面々は次々と強敵に競り勝って優勝し、台湾代表として甲子園に向かうのである…

本作はチームの面々の成長物語でもあるが、監督を引受けた近藤が自身を見詰め直す物語でもある。「各々の持ち味で佳いチームを…」というのが、美しく、熱い…甲子園では1回戦に勝っても「揶揄的な見方」をする人達が見受けられたが…そんな人達までもが、“嘉農”の奮戦に心揺さぶられるのである…

久し振りに「この映画が観られて善かったぁ!!」と強く思った。実は今日、6月20日午後1時から、稚内ではもう一回この作品の上映が在る。未見の方で、稚内に居てお時間が許すなら是非!!素晴らしい作品だった!!

『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) エピソード7 虹の彼方に』

過日「『仁義なき戦い―広島死闘編』という作品が凄い…」等と話題にしていて、そんな記憶も新しい中でレンタルDVDの店の前を通り掛かった。当該作品を思わず探したが…貸出中だった…

「少し残念…」と思いながらレンタル店内を見回すと…「是非、こちらを御覧頂いて…」と擦り寄って来る感じのDVDが…

↓この作品である!!

【新品】【アニメ】機動戦士ガンダムUC 7巻(DVD)



↑“エピソード1”から、この“エピソード7”まで…7本に及んだ『機動戦士ガンダムUC』の最終エピソード!各エピソードを視ていたので、最終話も気になっていた…愉しく拝見した!!

本作は30年以上に及ぶ“ガンダム”の群像の中では「異例?」と思えるのだが、「原案小説が先行して登場し、後を追うようにアニメ作品が順次制作され、発表された」という代物である。通常は…アニメ作品が在って、後から“ノベライズ”が発表されていることが多い。或いは、アニメ作品と無関係な小説というモノも幾分在る…

そのアニメ作品にしても、「好評につき、制作本数を追加…」というような動きも在ったらしい。アニメ作品は、最終的に7本になった…

↓原案の小説に関しては、「読み始めると停まらなくなる…」という按配で、夢中で読了してしまった…
>>ブック/『機動戦士ガンダムUC』
↑薄い文庫本で10冊に及ぶ作品だが、冒頭部の『ユニコーンの日』と最後の『虹の彼方に』が各々“上・下”の体裁なので、エピソードとしては、10本ではなく8本のような感じである。

小説とアニメとは、「異なる特長」を有する表現手段なので、各々の特長を活かした“見せ方”をしている。故に、基礎は同じでありながらも、両者は各々に違った印象を与えてくれる。小説とアニメのエンディングの雰囲気は、かなり違うような気がした。

“エピソード6”の最終盤…

行きがかりで“独自行動”ということになっている連邦軍艦<ネェル・アーガマ>は、紛争の原因となっている「ラプラスの箱」が、スペースコロニー<インダストリアル7>の一部となっている<メガラニカ>に在ると視て行動していた。<ネェル・アーガマ>は<メガラニカ>を目指して航行し、艦に積まれていたモビルスーツ<ユニコーン>も出動した。

これに対し、“ネオジオン”は残る戦力が総力を挙げて「<ネェル・アーガマ>の阻止」を図って襲撃を仕掛ける。他方、連邦軍の宇宙艦<ゼネラル・レビル>からは、“特務機”ことモビルスーツ<バンシィ>が発艦している。更に、連邦軍の宇宙艦隊だが、何やら不自然な動きを見せていた。

<バンシィ>は<ユニコーン>に遭遇し、襲い掛かった…他方、<ネェル・アーガマ>の所属する“ロンド・ベル隊”の指揮官で、自らの旗艦<ラー・カイラム>に在ったブライト・ノア大佐は、連邦軍宇宙艦隊の動きを訝しんでいる…

こういう辺りから“エピソード7”は動き始める…

<バンシィ>と<ユニコーン>がぶつかり合っていて、“ネオジオン”の襲撃を受ける<ネェル・アーガマ>は必死の防戦を続けている。ブライト・ノア大佐は“戦友”であるジャーナリストのカイ・シデンから「連邦軍宇宙艦隊の不自然な動き」に関連すると視られる情報の示唆を受け、<ラー・カイラム>を北米に在る連邦軍施設へ向ける…

<バンシィ>に阻まれ、“ネオジオン”の襲撃を排除出来ずに居た<ネェル・アーガマ>は、負傷からの快復が未だ十分とは言い難いマリーダ・クルスが乗るモビルスーツ<クシャトリア>を出動させ、<バンシィ>に対抗させる。そして<ユニコーン>は<ネェル・アーガマ>の救援に向かうことが出来た…

やがて…<ユニコーン>のバナージは“オードリー”ことミネバ・ザビと合流し、<メガラニカ>に至る。そこで「ラプラスの箱」と呼ばれてきた機密の一部始終を知る。そこに“ネオジオン”の領袖、フル・フロンタルも現れた…

<ユニコーン>のバナージとフル・フロンタルの対決の行方?ブライト・ノア大佐が急遽向かった連邦軍施設で行われようとしていた動きは?「ラプラスの箱」と呼ばれてきた機密はどうなってしまうのか?正しく、このシリーズの“フィナーレ”である…

ところで…最終盤に至って、宿敵フル・フロンタルは、小説版には登場しないメカを駆使する。これがなかなかに面白い代物である…また小説版では“ジオン共和国軍”という勢力も登場するが、アニメ版では登場していない…これは「仔細を描き込む小説」と「仔細を整理するアニメ」との違いの故であろう…

本当に「偶然にも視る機会を設けてしまった…」という按配で作品に出くわしたが…なかなかに夢中になった…レンタルの期間を通して、「何回か繰り返し視る」ということになってしまうであろう…

映画『ICHI―市―』

↓以前から気に掛かっていた作品なのだが…漸くDVDで観る機会を設けることが叶った!!

ICHI -市ー [ 綾瀬はるか ]

価格:1,000円
(2014/11/8 10:18時点)



↑「もっと早くから観ておけば善かった…」と思った…大変に気に入った!!

盲目の市(いち)は、あての無いような旅を続けている…

或る日、市は同じく盲目の女が悪漢に暴力を振るわれている傍に居合わせた。通り掛った浪人がそれを止めようとする。浪人は悪漢と揉めるが、どういう訳か刀が抜けない。市も争いに巻き込まれそうになるが、その時、仕込み杖が一閃して悪漢を斬倒す…

こうして、どういう訳か刀が抜けない浪人と市は旅の道連れとなり、或る宿場町に至る。そこでは宿場町の顔役と、町を食物にする悪党一味の抗争が繰り広げられていて、二人はそれに巻き込まれてしまう。

こういうような物語で、往年の有名な作品『座頭市』シリーズをモチーフに…否、『座頭市』の主人公を女性に翻案―“いち”という名前…如何にも「時代モノの女性劇中人物」というのが似合う名だ…―した作品とされている…が、『座頭市』シリーズに親しんでいる訳でも、明るい訳でもないので、「独自の物語」として本作を大変愉しく観た。

市は、実は本当の父親なのかそうではないのかが判らないまま、かなり以前に分かれた後、会うことが叶っていない男を捜し求めていた。他方で、眼が不自由なことを呪い、自身や社会に心を閉ざしているようなところが在る。身を護るために仕込杖を振るって相手を斬ることも厭わず、「善悪の境目が見えるでもない」と嘯く…

彼女の道連れになる浪人…人が好いと言うのか、正義感が強い方で、傍目には“お節介”に見える程度に困った人の居る場面に首を突っ込むような男である。過ぎる程に善良で前向きな印象の男なのだが、「どうしても刀が抜けない」という深い心の傷を負っている。

この二人が、宿場町に蠢く、恐ろしく腕が立つ悪党の頭目と対峙する中で、互いの姿から各々に欠けていたモノを見出し、何時の間にか互いに惹かれるかのようになっていく。そうした中で、悪党の頭目との対決が展開する…

メインな感じの二人の展開に加え、悪党の跋扈に対して闘おうとする若親分とその父の件や、市を案内したことが切っ掛けで彼女に懐く少年の件などもなかなかに好かった…

何となく好い作品に出逢うことが叶った!!

映画『ストロベリーナイト』

↓「久々にレンタルしたDVD」の一つということになる…

Movie/ストロベリーナイト - スタンダード エディション
↑「原案の小説を読んでいて、その後に観た映画」というものは、私の経験上では落胆する場合も多めなのだが、本作は「好い意味での映画らしさ」、「強い印象を与える映画ならではの表現」で、なかなかに味わい深いものに仕上がっていた…

物語は…

マンションで他殺と見られる男性の遺体が発見され、姫川刑事達は捜査班に参加することになった。殺害された男性は暴力団の末端に在った人物であったことから、更に彼が関与する暴力団に関連の在る人物が殺害された事件が何軒か発生していた最中であったことから、組織暴力対策課の捜査員達との合同捜査ということになった。そういう中で、姫川刑事は彼らとの考え方の違いに苛立つ。

そんな時、捜査本部が設置された署に匿名電話が入り、姫川刑事は偶々話しを聴く。捜査に着手した殺人事件の容疑者名を挙げる“タレコミ”の電話だった。姫川刑事は、名前が挙がった人物を調べようとするが、「触るな!」と上司たちから止められてしまう。訝る姫川刑事…彼女はどうするのか?

ということで、物語に関しては、“謎解き”な事件モノなので、これ以上は踏み込まないようにしたい…

劇中では、雨の場面が多い。夢中で映画を観ていて、観終ると「傘は?」と何となく思う程度に、作中では雨が多いのだ…またそのジメジメした感じが、ストーリーに非常に似合う…

映画を観ていて何となく思ったが…原案の小説の作者は「この映画のキャストを思い浮かべながら、人物に関して綴っていたのか?!」と感じられる程に、各配役が「似合う!!」感じである…小説のファンは、そういう楽しみで、一寸観るだけでも面白いかもしれない…尤も、本作はそういうことは脇に置いて、夢中になってしまう迫力が在るが…

「他殺と見受けられる男性が発見された」という当初の事件に、複雑に絡まり合う様々な事情…多少“勘”に頼りながらも、積極果敢に絡まり合った事情を明かそうとする姫川刑事…意外と言えば意外な“真犯人”に辿り着くまでのドラマ…味わい深い…

因みに…原案の小説は『インビジブルレイン』という題だ…

>>『音の惑星』 on the web...: 『インビジブルレイン』(2013.04.29)

『ストロベリーナイト』とは、姫川刑事が活躍するシリーズの最初の長編小説で、故に“シリーズ名”のようになっている。更にこの映画やテレビドラマでは、この『ストロベリーナイト』がタイトルに採用されている。因みに“ストロベリーナイト”という用語そのものの意味は、作中の事件関係者が用いた造語、固有名詞である。どういうモノなのかは…是非とも小説で…

>>『音の惑星』 on the web...: 『ストロベリーナイト』(2013.04.29)

映画『プラチナデータ』

「本人は事情を理解しているでもない」にも拘らず、「当局からの追求」を受ける身の上となり、逃走しながらも理解していなかった事情を解き明かして行く…或いは存外に古くから在った“型”なのかもしれないが、必死に逃走する主人公や、主人公を追う者や、協力者となる者など、劇中人物達と共に「事態に秘められた謎」を解き明かすのは面白い…

↓そうした、古くから在る“型”の、比較的近年の作品に出逢った…

東野圭吾/プラチナデータ - スタンダード エディション
↑大変に興味深く観た…そして劇中世界は“近未来”と設定され、さり気なく劇中で覗いていたモニターに「2016年」等と在ったが…或いは「本当に近年中に発生?」と思わせるような、「妙に迫る」リアリティーも在ったように思う…

物語は…

冒頭…他殺体が発見され、警察の捜査員達がその現場に駆け付ける場面だ。発見されたのは幼児の遺体で、捜査員達は悲しみと怒りを胸に黙祷を捧げている…

そんなことをしていると、ベテラン刑事の浅間がとある施設に呼び出される。そこは厳重な警備の下で研究を行っている施設だった。“DNAモンタージュ”なる手法で、事件の容疑者をかなり高い確率で割り出すことが出来るのだと、研究所の主任研究員である、若き天才エンジニアの神楽が言う…

そして研究所で神楽が名指しした人物を、捜査陣が追うことになった。すると…その人物は紛れもなく幼児殺害の容疑者であった…“DNAモンタージュ”なる手法の威力は絶大だった…

しかしベテラン刑事の浅間は疑問を抱く。神楽が“DNAモンタージュ”なる手法を駆使した際のDNAデータは、適法ではない方法で取得されたモノかもしれないと浅間は考えたのだ。

浅間は研究所に神楽を訪ねて詰め寄った。神楽は、間もなく新法が成立し、その辺りの問題は無くなると言い、DNAは人の全てを司る等と言い、それが“プラチナデータ”なのだとも言う…

と、少し長めなプロローグが入った後が本論である…

大学病院の一画で、そこに住み着いてソフトウェア開発を行っていた兄妹が、他殺と見られる状態の遺体で発見された。妹が数学の天才であり、神楽が進めていた“DNAモンタージュ”のプログラム作成に協力していたのだった。

そうした経過から、当然のように事件の容疑者割出しに“DNAモンタージュ”が用いられる運びになった。神楽は、事件現場で採集されたというDNAデータを解析する。

神楽は“DNAモンタージュ”が示した結果に驚愕した。容疑者として示されたのは、神楽自身だったのだ。神楽は全く身に覚えが無い。

神楽は、何故このようなことになったのか探り出そうとしながらも、追われる身となってしまい、必死に逃走する。そして浅間は容疑者となった神楽の追跡に参加するが、他方で神楽が余り公にしていない何かを持っていると考えて独自に調査を行う…

という以上は、物語の性質上、踏み込まない方が賢明というものであろう…

本作は“アクション”を巧みに見せながら、キッチリと“謎解き”と「少し考えさせられる何か」を伝えている。好い意味で「映画らしい」感じの作品だ。また、劇中の“DNAモンタージュ”なるモノなどを「らしく」見せる、SFの画創りも好きだ。

殊に“アクション”は秀逸であるように思う。必死に逃げる神楽と、懸命に追う浅間を含む捜査陣の様子を、多数のカメラを「基本的に一場面を切らない」ような、所謂“長回し”で撮っているようだ…思わず「どうするんだ、神楽?どう出るんだ、浅間?」と前のめりに見入ってしまうものが在った…

実はこれも原案の小説は在るのだが…本作は、小説とは違う「見せ方」、「感じさせ方」を有している映画の好さを十分に生かし切って、なかなかに見応えが在るモノになっている。

>>『音の惑星』 on the web...: 『プラチナデータ』(2012.07.31)

人間にはDNAのように、生物として身体に受け継がれているモノが当然在るが、他方で人格や行動や性格等は、実は自分で考えたり経験を重ねるなどしながら、自ら創っているのかもしれない…

「DNAが人の全て」と豪語する神楽がどうなって行くのか?思いも掛けない型で展開する事態をクールに見詰めながら、懸命に真相を追及する浅間刑事…この2人が“ダブル主人公”と私は観た…が、周辺の劇中人物達もそれぞれに面白い…お勧めな作品だ!!

映画『脳男』

何となく思い付き、久し振りにレンタルのDVDを利用…“モニター”と化して久しくなってしまった、拙宅のテレビを久々に使用した感である…

↓こんな映画を愉しんだ…

Movie/脳男
↑ミステリー?怪奇?アクション?色々な要素が詰まっている…最後まで何が起こるのか、予測困難で、夢中になってしまった…

冒頭は、残酷で不穏な事件を予感させるプロローグ的な映像で始まる…そして本筋だ…

研究熱心な女性の精神科医が居る。或る雨の日、彼女はバスに乗車しようとしたが、バスは目の前で発車してしまった。タクシーで移動しようかとしていた時、バスは爆発炎上する…ヨロヨロと出て来た重傷の子どもを視て、彼女は子どもに駆け寄って「救急車!!」と叫ぶ…

バスが爆発炎上した現場で、遺体を回収する場面を携帯で撮影する野次馬に激昂していたベテラン刑事は、相方の若い刑事と地道に捜査を続けた。爆弾事件が連続発生していた中、鑑識係が視付けた「特殊な工具が使用されている痕跡」から追及し、爆弾事件の容疑者が居たと思われる倉庫に至る。人の声が聞こえ、踏み込もうとした時に爆発が起こった。現場には一人の青年が佇んでいた。彼らは青年を爆弾事件の容疑者と見て逮捕する。

逮捕された青年は、名前を名乗った意外は殆ど何も話さない。捜査陣は手を焼くが、留置場で他の容疑者に襲い掛かって重傷を負わせてしまったことから“精神鑑定”ということになった。

刑事達は爆弾事件の現場に居合わせた女性医師を敢えて指名し、青年の精神鑑定を委ねる。女性医師の目線でも、青年は何か不自然だった。女性医師は青年が何者なのか、どういう性質の人物なのか、探求しようとする…

これ以上は“ネタばれ”になる危惧が在るので控えようと思うが…極めて珍しい性質の青年の謎と、“事件”の展開…驚くべきものが在る…

これは評価の高い小説を原案にした作品だという…恐らく…小説が詳細に描き込む辺りについて、巧みに整理されているのであろうが、巧く纏まっていたと思う…

自身で感じ、考えるから人間…そういうことを考えさせられた…何か独特な味わいが在った…

映画『永遠の0』

時々「これは!!」と“前のめり”に観たい映画というものが公開される。そういう作品は、必ず拙宅近所で上映されるという訳でもないので、見逃してしまう場合も多いが…公開されて日が浅い間に札幌辺りに出る状況が在ると、札幌で時間を設けて観る場合が在る…

『永遠の0』という作品…小説を大変興味深く読んだ…

>>小説『永遠の0』(映画の原案)

原案の小説と映画とは「別」であるかもしれないが、映画の話しを聞いて、少々期待した。そして札幌で映画を観た訳だが、期待以上に佳かったと思う。

健太郎は、祖母が他界した時に、弁護士をやっていて敬愛している祖父が、実は祖母の再婚相手であり、母には「実の父」ということになる戦死してしまった祖母の最初の夫が居たことを知る。そんな時、ライターをしている姉が“戦後60年”ということで“祖父”の物語を取材しようと言い出し、司法試験浪人の健太郎はその取材を手伝うことになった…

「実の祖父」は宮部久蔵と言い、零戦のパイロットだった。最後は“特攻”で戦死したということだが、詳しいことは判らない。宮部を知り得る人を探し、姉弟は話しを聴いて回った。宮部に関しては「臆病者という評判だった」という話しが多かった。

健太郎は、その芳しくない評判を聴かされ続けることに嫌気が差し始めたのだったが、入院中であった場所へ訪ねて話しを聴いた男は、小隊長を務めた宮部と3機編隊で一緒に出撃していたという人物で、彼が語る真実に健太郎は心揺さぶられるのだった…

やがて健太郎は、急遽養成することになった搭乗員達の教官を務めていたという宮部の指導を受けた経験を持つ者、古参の搭乗員として独特な評判が在った宮部をライバル視していた経過を有する者等の話しに耳を傾け、「宮部の物語」、「宮部の真実」を知ることになる…

優秀な搭乗員で、冷静沈着で、強い信念を持っていた人物である宮部…その様が“回想”的に、「映画」となって観る者に迫る訳だが、戦闘場面が様々な映像技術を駆使して見事に再現されている…攻撃を受けて大損害を出しながら沈没する空母、敵味方が入り乱れる戦闘機群の戦い、特攻作戦の様子等がリアルに再現されている…それらと同時に、家族を愛し、愛し続けようとした宮部の生き様が活写され、何か心震えるものが在る…

↓映画の予告編…


原案の小説の話しが、「映画の尺」で巧みに整理されていた…善かった…

大変に話題の映画で、会場はなかなかの賑わいだった…この作品は多くの皆さんにお奨めしたい!!

『探偵はBARにいる 2』を観て大満足!!

「映画の前売り券」を求めたというのは、何時以来のことであろうか?かなり“前のめり”に「観たい!!!」ということになった映画…

↓予告編!!


↓こちらは少し短いバージョン…


映画の原案となっている小説のシリーズが好きで、第1作も映画館で観たのだったが…第2作も「公開日に稚内の映画館で上映開始」ということになった…

「公開初日の第1回上映」という型で、この『探偵はBARにいる 2』を大変愉しく観た!!!

↓本作の原案はこれだ…
>>『探偵はひとりぼっち』

原案は「80年代の或る日」ということになっているが、映画は「現在(映画撮影中だった2012年頃)の或る日」ということになっていて、原案の小説を巧く膨らませている感である…

マジックが得意で、“俺”の友人でもあった“マサコちゃん”が無残に殺害されてしまった…一件から暫く経ち、捜査に進展も無さそうな状況下、“俺”は事件のことを探ろうとする…が、街の色々な人達はどうにも冷たい…やがて、事件には有名な代議士が関与しているという噂が聞こえてくる…そしてそこに、「大切なファンだった人の死の真相を知りたい」と言うヴァイオリニストの弓子が現れる…

未見の方のお楽しみを妨げない意味で、これ以上は詳述しないが、アクション在り、笑い在り、涙在りの非常に愉しい作品に仕上がっている。大泉洋と松田龍平が演じる「“俺”と高田」の名コンビは健在で、正体が判らない敵、或いは因縁の在る敵と戦いながら、事件の真相に近付く…最終盤は「どんでん返し」的な展開が連発する…そう思っている間に、あっという間に上映終了だった…

「好きな映画を映画館で…」というのは実に愉しい!!

『聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―』

↓久々にレンタルしたDVDの一枚…興味深く観た…



聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-

↑何か、淡々としたドキュメンタリーを思わせる雰囲気の作品で、そういう演出が似合う物語のようにも思った。

物語は昭和14年頃の様子から起こる…日独伊三国同盟に関して、海軍首脳は反対論を唱えていた。山本五十六は、その反対論を唱える側で、海軍省次官であった…やがて山本は連合艦隊司令長官に任じられ、海軍省を離れた…

以降は太平洋戦争に突入し、真珠湾やミッドウェーの戦いが描かれ、昭和18年に戦線視察の機上に在った際に撃墜されて戦死するまでが取り上げられている…

作中では「当時の新聞」というものが随分出て来る…これがなかなか考えさせられる…

また、色々と伝えられる挿話に想を得たと思われる、山本五十六の人物描写も好い…演じている役所広司が「嵌り!!」だと思った…

更に、流石に極最近の映画だけに、海戦シーン、空戦シーンの描写が臨場感溢れるものになっている…

お奨めな作品だ!!これから返却に行って来る…

『外事警察 その男に騙されるな』

↓久々にレンタルしたDVD…



外事警察 その男に騙されるな

↑大変愉しく観た!!なかなかに迫力の在るサスペンスだった…遅めな時間帯に観始めて、夜更かしの原因となった…

「ウランが流出してしまった」という情報が入った同じ頃、震災被害に遭った或る大学から、「核爆弾の点火に利用可能」という装置の設計データが盗まれたらしいということが発覚した。外事警察は<魔物>と渾名される辣腕捜査官、住本を中心に捜査班を設け、「核兵器テロ」を防ぐべく活動を始めた…

住本は工作員と見受けられる韓国系の男の日本人妻を情報提供者として取り込もうとする。そんな活動の他方で、韓国の公安機関NISも問題の“核爆弾”を追っている。外事警察、NIS、テロリスト、協力者のぶつかり合い、騙し合いで物語は展開する…

未見の方のお楽しみを妨げない意味で、これ以上は内容を詳述しないが、大小様々な所謂「どんでん返し」が繰り返されながら“事件”が進展する…

確かこれは、テレビドラマが在ったモノだと思う。住本や部下の女性捜査官、上司や官房長官という役を演じている人達は、テレビドラマと同じだ…何れもなかなかに佳いのだが…「テレビドラマの原案」となった小説は以前に読了していた…

人知れず展開する、恐るべき陰謀を巡らす者達と、それを食い止めようとする者達との闘い…興味深い物語だ…

映画『スカイクロラ』

珍しく「一歩も戸外に出なかった」という状態で日曜日を過ごしたのだが…気侭に眠ってしまう時間が長かったこと…“不在連絡”が入っていたことに気付いて連絡した宅配便が届くのを待っていた時間が長くなったこと…という他に、久々にレンタル店で借りたDVDを何となく観てしまった時間が長かったという理由が在る…決して、戸外に出ることが憚られる程に天候が悪かった訳でもない…

↓なかなかに気に入った作品がこれである!!



スカイ・クロラ The Sky Crawlers(DVD)

↑独特な作中世界で展開するドラマとアクションがなかなかに面白いアニメーションである…

『スカイクロラ』に登場する作中世界…劇中人物達の名前は日本人風であるが、描かれている街や、航空基地が在る郊外の様子は、欧州的―英国の小説に在るような村の雰囲気や、路面電車が走る東欧風な街が出て来る…―であったり、米国的―主人公達が出入りするダイナーが米国のドラマに出て来るモノのようだ…―であったりする風景だ…そして「第2次大戦最終盤」を想起させるようなプロペラの着いた戦闘機が活動しているが…さり気なく出て来る家電製品のようなものはもう少し時代が下ったモノに見えたり、デスクにパソコンらしきものが在ったりする…近未来のような、現在のような、或いは遠い未来かもしれない独特な世界である…

この独特な作中世界では、“キルドレ”と呼ばれる特殊な人間が空戦を延々と続けている。頻繁に戦闘が繰り返されているが、何処かの陣営が決定的勝利を得るでもない。どうも“会社”なるものが戦闘を行っているようだ…

そこに主人公のカンナミ・ユーイチが現れる…“キルドレ”と呼ばれる特殊な人間の一人であり、或る基地に配属されるのだが、それ以前の記憶が曖昧である…このカンナミ、同僚のトキノ、基地の女性指揮官クサナギ、その他の劇中人物達のドラマが淡々と展開する…

何か「“生きている”というのはどういうことか?どういう意味か?」とか「“人生”とは何か?」というようなことを問うような、寓話的な雰囲気が独特な姿に造形された作中世界に展開する物語に満ちている…ような気がした…そして…「第2次大戦最終盤」風な感じの飛行機が繰り広げるアクションが素敵な映画でもある…

調べると…“シリーズ”となっている原案の小説も在るらしい…そちらにも興味を覚えるが、この映画…なかなかに素敵だ!!

大満足!!『のぼうの城』が素晴らしかった!!

何気なく、札幌で観られる映画に関してチェックしていたが…『のぼうの城』が未だ観られることが判り、行くことにした!!

昨年11月に公開され、以後12月に色々と公開されているので、前面に出て宣伝されている訳でもなかった…それが未だやっていた!!どうしたものか、地元での上映が無かった―興行成績1位の人気作品なのである!!!!!“マニア”やら“通”だけが喜ぶような作品ではないのである…―ので、余程「札幌にでも観に…」と思っていた作品だったが、「稚内・札幌間の交通費を使うなら、遠くない将来にDVD等が…」ということまで考えていたのだ。札幌滞在中に機会が設けられるのであれば、機会を何としても設けなければなるまい…

>>『のぼうの城』が凄く観たい!!!(2012.10.26)

流石に上映回数が少なくなっていて、その少なめな上映時間を目掛けて行くことになった。行ってみれば、混み合う人気作品の上映時に適用される“指定席”にこそなっていなかったが、200人弱は入りそうなスクリーンで半分以上の席が埋まっていた。なかなかに盛況である…

豊臣秀吉勢の関東侵入という事態の中、関東の北条一門傘下に在った忍城は“開城”が既定方針だったものの、降伏を勧告に現れた使者の言動に激怒した城代が「戦いまする!!」と抗戦を決めてしまう。歌や踊りを愛する心優しき城代は、何をやらせても不器用で巧く出来ないことから、公然と「でくのぼう」を縮めて“のぼう様”と呼ばれていたが、領民には不思議な程に慕われていた男だった…

この“のぼう様”を総大将に担ぎ、500人の武士に領民達を加えた3千人程度で2万人を超す大軍に立ち向かう。「“力”が在れば何をどうしようと勝手」というような傲慢さに、「それだけで善い筈が無い!!」と自分達の“矜持”を賭けて闘うのである…

映画は、そうしたことが基底に在る物語が、見事な合戦絵巻として表現される。正攻法で正規軍としての戦いを展開する攻め方に対し、個性的な指揮官達がゲリラ戦展開する城方…そして“水攻め”…“水攻め”の事態に、“のぼう様”は不思議な行動に出る…

映画の上映が終わってから拍手喝采というようなことをするのは一般的ではないかもしれないが、私は上映が終わってから思わず拍手をしてしまった…大満足だ!!

『のぼうの城』が凄く観たい!!!

「2011年公開」と言われていた『のぼうの城』だが、事情―「津波を想起させる場面?」ということで熟考することに…その後、編集に手が入ったり、一部に追加カットを撮影したそうだ…―で公開を延期していたが、いよいよ公開されることになった!!







小説がなかなかに話題になった。そしてそれを愉しく読んだ。

>>『のぼうの城』―待望の文庫化!!

豊臣秀吉の小田原遠征に際して発生した「忍城(おしじょう)の戦い」に題材を求めていて、壮大な合戦シーンも入るドラマで、「映像?」と思いながら読んだ記憶が在る…

そう思っていたのだが、実はこの『のぼうの城』は「映画の原案」ということではない。実は、最初に「映画の脚本」が存在し、脚本化されている物語を広く巷間に知らしめるべく“小説化”という話しが持ち上がり、「映画脚本を原案とする小説」という異例な作品が登場したという事情が在ったようだ…そして小説はなかなかに話題になった…

この辺りの事情…プロデューサーが綴ったものがネット上で公開されている。大変興味深く読んだところである…足掛け8年で公開される大作映画である!!

>>「のぼうの城」ができるまで

物語は…

何をやらせても巧く出来る訳でもない、不器用この上ない忍城の城代が居て、「でくのぼう」を縮めて“のぼう様”と呼ばれていた…しかし気さくな男で、領民には愛されていた…

この“のぼう様”…城主が小田原へ行くことになった際、「秀吉が派遣する軍勢に降伏することも止む無し」と言われていたのだが…乗り込んで来た秀吉勢の使者が傲岸不遜で、城主、家中、領民を愚弄するような言動を見せたことに憤激し、降伏ではなく抗戦を決めてしまう…

こうして“のぼう様”を総大将に、家中の将兵500人程に近隣の領民を加えた3千人程度で、秀吉勢2万を迎え撃つことになったのだ…

2万の秀吉勢を預かる武将達の筆頭格は、かの石田三成である。秀吉に心酔する三成は、忍城の地形があの「備中高松」に似ていることに思い至り、秀吉に肖って“水攻め”を敢行する…

“のぼう様”と彼を擁する将兵や、公然と蔑称で呼びながらも城代を愛する領民達は「城を水浸しにしてしまう」という恐るべき攻撃を前に、どのように戦い抜くのか?

戦国時代の史実に依拠した物語で、“結果”は或る程度知られているのだが…敢えてそれをここで綴るのは野暮というものなので控える…

強大な軍事力、経済力を誇示する相手に、“矜持”、“親愛”、“友情”で立ち向かう小勢力の個性的な面々の奮戦…これは観たい!!!

公開は11月2日らしいが…折角在る近所の映画館では…目下のところ、上映するという情報が無い…

映画『009 RE:CYBORG』が物凄く観たい!!!

石巻発のニュースを見た…

かの「石ノ森萬画館」が11月17日に再オープンすることが決まったのだという。

石巻は昨年の大震災に際して津波被害を受けた地域で、「石ノ森萬画館」もそれを免れなかった…そして復旧工事が続けられていたのだが、間もなくそれも完成するのだという…

“萬画”と称しているが、石ノ森章太郎は永い作家活動の中で、文字どおり“萬”と言って差し支えない、様々な分野の作品を手掛けている。

そういう状況ではあるが、“石ノ森作品”と言えば、所謂「石ノ森ヒーロー」だと思う。私自身、彼が産出す「ややダーク(?)」な、些かの影を負ったヒーロー達の物語に親しみながら幼少期、少年期を過ごしている。

石ノ森萬画館」が、石巻の「大災害からの復興」の希望を込めて再開されることを伝えるポスターに登場したのは『仮面ライダー』と『サイボーグ009』だった…「不滅の仮面ライダー…不死身の009…“復興”の想いを負うヒーロー達だ!!」と妙に嬉しくなった…

「ややダーク(?)」な、些かの影を負ったヒーロー達…その多くは、“悪魔の力”とでも呼ぶべき「狂気の科学」によって途轍もない力を得る…そういう状態になったことに悩む主人公は、やがて自らの意思でその力を活かし、“悪魔の力”との闘いに望む…『サイボーグ009』も『仮面ライダー』もそのパターンだ…

そんなことを考えていて…何か『サイボーグ009』のアニメの主題歌が妙に聴いてみたくなった…


↑何回も聴いて、思わず口ずさんでしまう…

「石ノ森ヒーロー」が石巻の復興を牽引…というようなことを考えていると…耳寄りな情報が…

『サイボーグ009』が映画になる!!来る10月27日に公開だ!!







『サイボーグ009』に偶々出くわしたタイミングで映画の情報に…何か「かなり前のめり」に「観たい!!!」と思った…

この映画は『攻殻機動隊』の監督やスタッフが手掛けるアニメーションのようだ…“009”を始めとする劇中人物達も、『攻殻機動隊』のような、“リアル”路線の画になるようだ…嘗て何回も制作されているアニメーションは、石ノ森章太郎の画をある程度忠実に再現した画を使っていたのに対し、大胆なアレンジである。が、それでもなかなか好きだ!!

かなり強く観たい作品なのだが…しかし…この映画…稚内では10月27日に上映されない…折角、近所に“映画館”が在るのに…

『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』

偶々レンタル店で目に留めて「何もかもが懐かしい…」と、旧い映画を借りてしまう…私には時々そういうことが在る…

↓普段はその種の作品を敢えて、こうして紹介するようなこともしないのだが…今回は敢えてしてみたくなった…



劇場版 機動戦士ガンダム3 めぐりあい宇宙編/特別版

↑30年も前のアニメ作品だが…今観ても愉しい!!

「“ガンダム”の映画」というのが凄く話題になっていた当時…札幌都心の、「経営資源を“シネコン”に集中」ということで止めてしまって、何時の間にか時間が経ってしまった映画館に、「僕も行く!!」と言う弟を連れて、3本共観に行った…それだけでも「想い出の作品」であるが…

後年になってこの作品はテレビ放映されていたり、ビデオ等でも何度も目にする機会が在った訳だが…観る都度に、困難な状況に放り込まれた“ホワイトベース”の仲間達の必死な冒険や、彼らの前に立ちはだかる強敵達の動き、戦乱の行方に一喜一憂してしまう…今回、かなり久しぶりに、何となく観てしまったが、かなり細々した辺りまで覚えているのだが、それでものめり込んでしまう…

この『めぐりあい宇宙(そら)』は、三部作の3本目である。“ホワイトベース”の仲間達の冒険(=巻き込まれた戦乱)が終焉する…

ストーリーやら細々したことを綴り始めると際限が無くなってしまうので、敢えてそれはしないが…「不朽の名作」であると、改めて観て思った…

間もなく…返却だ…

映画『黒い家』

過日、読書好きな知人と話した。「映像作品と原案の小説」、或いは「原案の小説と映像作品」というようなことである。

概して、「原案の小説を読んだ後に映像作品を観る」ということをすると、小説で詳細に描き込まれていたことが削られ過ぎて幻滅したり、映像作品に登場する作中人物に関して、思い描いた風貌や声と大きくかけ離れていて違和感を感じるということが時々在るという話しになった…

↓この作品に関しては、小説で描き込まれた事柄が適度に整理されていて、登場する作中人物達は、小説の描写を通り越して「これ以外に考え悪い」という程度にビッタリと嵌っている…



黒い家 【DVD】

↑或いは「映像ならでは」の「画面で見せる」、「音と画」の演出で、原案の小説を巧みに昇華させているのかもしれない。なかなかに見応えが在った!!

本作の主人公は内野聖陽が演じる保険会社の社員なのだが、映画を観ると、寧ろ「この人間、こころがない…」というキャッチフレーズのネタになった「問題の女」を演じた大竹しのぶが「主役を食う」凄まじい存在感を示している…それ以外の各キャストも、なかなかに好い俳優陣が出演している。

原案の小説では京都が主な舞台で、事案の調査に動く主人公が訪ねるのが大阪府下や和歌山県内なのだが…映画は金沢が主な舞台で、事案の調査に動く主人公が訪ねるのが新湊辺りとなっている。これは「ロケ協力」か何かの都合であろう…或いは、本作が「あなたの街の片隅にも…」という「身近に潜む禍々しいものが、何時の間にかとんでもないことに…」というようなことをテーマにしていて、或る程度“普遍化”可能であるから、こういう種類の変更も可能だったのかもしれない…実際…韓国でこれを翻案した映画も作られたそうだ…

主人公の若槻は、大手生命保険会社の北陸支社で、保険金の支払いに関係する事務等を扱っている社員である。不審な照会電話を受けた後に、少年の首吊り死体の“発見者”ということになり、そこから怪異なまでに恐ろしい目に遭うというように、ストーリーは原案の通りだが…“作家”としての監督の鮮やかな演出で、濃密に物語が展開する。

原案の小説を読んでからこの映画の存在を知り、DVDをレンタルした時、偶々知人にその話しをした。すると知人は「あれは凄い!!大竹しのぶの“あの役”がとにかく凄い!!」と話してくれた。全くそのとおりだった…

とにかくも興味津々で観たが…決して後悔しなかった…

『TIME/タイム』

映画館で流れる「近日公開作品紹介」というもので見て興味を抱き、残念ながら映画館で観る機会が設けられなかった作品…

↓最近は、存外に早めにDVDで愉しむことも叶う…

TIME/タイム
↑大変興味深く観た!!

これはSFである…と言って、仰々しい仕掛けが出て来るというのでもない…作中世界は、一見すると現在の米国の都市と何ら変わりもない…

遺伝子操作により「25歳以上に老化することがない」という状態になった社会では、人の身体に時計が組み込まれ、“余命時間”が表示されるようになっている。“余命時間”は“通貨”でもある。社会は階層化されていて、貧しい人達は“1時間”に汲々としていて、“時間切れ”で多数の人達が命を落とす。他方、富裕な人達は、半ば永遠の命を持っている。

主人公のウィル・サラスは、こういう社会の貧しい階層に生きる若者だった。ある日、彼はバーで妙な男に出くわす。“100年以上”の“余命時間”を見せびらかして、居合わせた人達に酒を奢っているという男だった。ウィルは「そんなことをしていると、ギャングに襲われる」と男に忠告するのだが、そこに案の定ギャングが現れた…ウィルは男を助けて逃げた。

ウィルが出会った男は、富裕階層の男でありながら、半ば永遠の命に心を擦り減らした自殺志願者だった…この男に出会ったことから、事態が動き始める…

ウィルは、この世界の秩序を脅かす存在になる…“時間管理局”のレオン捜査官はウィルを執拗に追う…

ウィルは、大富豪の娘であったシルヴィア・ワイスを巻き込んで行動を共にするのだが、彼女の考え方の変わり方が、何となく面白い…

というようなことなのだが…適度なアクションが入るサスペンス仕立で在りながら、なかなか“哲学”な内容であるように思った…“時間”と人間…“金”と人間…“生”と人間…“死”と人間…色々と考えさせられた…

非常に興味深い作品だ!!

『仮面ライダーエターナル』

↓かなり久々にレンタルの店に寄り、眼に留まったので思わず借りたDVDである…

Movie/仮面ライダーw Returns: 仮面ライダーエターナル

「稚内に映画館がオープン!!」ということになって日が浅かった頃…「とりあえず入ってみたい…」と『仮面ライダーW』の映画(※)を観たということが在った…この映画には、物語が展開する(架空の)街“風都”(ふうと)を危機に陥れる「狂気のテロリスト」にして「不死身」である敵役が変身する「最凶の敵」として“仮面ライダーエターナル”が登場している…

今回の作品、『仮面ライダーエターナル』はその「最凶の敵」がそういう様相で仮面ライダーWの前に現れる以前に関する物語である。「最凶の敵」であったエターナルに「恩義を感じている人物」が現れ、そのことをWとして活動している2人に語って聴かせるという仕掛けになっている物語だ…

主人公は大道克己という男である。交通事故で死亡してしまったが、彼を溺愛した科学者の母、マリアは研究中の「死体を甦生させる技術」を駆使して彼を甦らせた。これは、「死体を甦生させて最強の兵士を造る」という研究に発展した。計画は“NEVER”と呼ばれた…

この研究を支援した“財団X”は、他の計画への支援を継続するためにこの“NEVER”計画への支援を打ち切った。が、大道克己とマリアは独自に活動をすることにした。“死体”の“仲間”を集め、傭兵集団として活動していたのだった…

映画では、この大道克己を先頭にする“NEVER”を名乗る5人組みがWの前に立ちはだかり、街へのテロ攻撃に向けて蠢くのだが…本作は一寸違う…

“傭兵”として某国に潜む大物テロリストを襲撃しに向かった“NEVER”は、そこで“クォーク”と名乗る一団と出くわす。“クォーク”というのも“財団X”が絡む計画から生まれたもので「超能力兵士の集団を作ることを目指す」というものだった…

“クォーク”と争いになり、大道克己は“ヴィレッジ”と呼ばれる彼らの本部に連れ去られてしまった。そこで出会ったのは、「“クォーク”を育てるため」と称して方々から連れて来られ、閉じ込められて不自由な生活を強いられている人達だった…

この状態の中、大道克己は悲惨な状態に陥っている“ヴィレッジ”の人達を奮い立たせ、そこを支配するドクター・プロスペクトに敢然と戦いを挑むのであった…

というのが大雑把な筋なのだが…かなり“苦味”が強い物語である…なかなか興味深く観た!!

映画でもそれなりに個性的に描かれていて面白かった、大道克己の同志達、“NEVER”の面々についても各々少し掘り下げられている。各々が大道克己に見出され、同志となった経緯が仄めかされる…

“仮面ライダー”は、何処か狂気染みた力によって途轍もない能力を持つことになった主人公が、自らの意思で“悪”に向かって行くというような、或いは「主人公が自らの意思で“正義”を獲得しようとすること」に主眼があるドラマだと思う。或いはエターナルは、“正義”を掴み取ろうとした場面で大きな“挫折”に直面してしまう…やがて映画で描かれる“凶行”に走ることになるのだが…本作は、非常に「“仮面ライダー”!!」を感じさせてくれた…

「テレビシリーズから映画が登場し、映画に登場の劇中人物を主役に据えて、更に別なドラマ」というような例…特撮に限らず、なかなか例が無いと思う…結局、秀作はどういう風に切り取っても秀作であるということだ…

※↓以前に観た映画はこちら…

Movie/仮面ライダーw Forever: Atoz / 運命のガイアメモリ - コレクターズパック

『怨み屋本舗』

週末、「店主氏がDVDを流していたので思わず見入ってしまう…」という展開で喫茶店に長居してしまうということが在ったのだが…

↓その原因はこれである…

ドラマ/怨み屋本舗(Box)
↑大変愉しく視た!!

本名やその経歴が一切不明な謎の女“怨み屋”…癒しきれぬ怨念を抱く人々に静かに近寄って、その怨みを人知れず晴らすと囁く…相手を探し出し、社会的に抹殺するか、実質的な殺害をしてしまうか…相手から引き出すことが叶うギリギリの報酬を示し、それを請け負う…

というような“現代版必殺仕置人”のような“怨み屋”である…個性的な面々を“工作要員”として駆使しながら、極悪人を懲らしめる…

各エピソードの“ネタ”だが、「実際に在るかも知れない?」と思わせる、なかなかにリアルな事件になっている…やや怖い一面も…かなり凶悪で悪辣な事件も在る他方、「この種の摩擦…意外に身近かもしれない…」というものも在る…

勿論、“怨み屋”の活動は適法ではない…幾つもの事件の背後に“ウラミヤ”なる不可解なものが蠢いているということに、警察の一部も着目するようになる…

基本的に「一話完結」だが、シリーズ全般としては一定程度連続性が在る。これがなかなか面白く、最初に少し視始めると「続き!!」ということになってしまう…

本作はコミックを原案としているそうだが、原案とは随分異なっているようだ…しかし、私は原案の方を詳しく知らないので、「全く新しく出くわしたドラマ」として愉しんだ…また、謎の女“怨み屋”を演じる、木下あゆ美の雰囲気が好い…

SPEC 警視庁公安部公安第5課未詳事件特別対策係事件簿

日曜日の午後に立ち寄った喫茶店で店主氏がDVDを視始め、カウンターに陣取った私も一緒に視てしまい…面白いので「続き!!」という話しになり…「このままでは寝覚めが悪くなる…」と最後まで視てしまった…『SPEC 警視庁公安部公安第5課未詳事件特別対策係事件簿』というテレビドラマである…

通称“未詳”こと「警視庁公安部公安第5課未詳事件特別対策係」…変わり者の天才である当麻と、不可思議な事件が切っ掛けで強行突入版SITから左遷されてきた瀬文が、“スペック”と呼ばれる超能力が絡む事件に挑む…という物語だ。

「京大理学部卒業」という才媛だが、どうしたものか負傷した左腕を三角巾で吊って、色々なモノをゴチャゴチャ入れたキャリーバッグを引き摺って歩く当麻…“スペック”と呼ばれるものが本当に在ると信じている。その“スペック”の可能性も含めた独特な推理を展開する…他方、「現場叩上げの警官」である瀬文は、正統派の刑事の手法を重視する熱血漢である…

この取り合わせを視て…私は何となく『X Files』の後半の方に在った、医師でもある女性のスカリー捜査官と、行方不明になっていたモルだー捜査官に換わって彼女と組んだ、ベテラン刑事風なドゲット捜査官の組合せを思い浮かべた…モルだーとの活動を通じて、超常現象を受容れるような感じになっているスカリー捜査官に対し、ドゲット捜査官は「警官の流儀だ!!(コップ・ウェイ)」と称して地道に身体を張って、怪異な事件を追っていたのだった。

当麻と瀬文は、互いに矜持も高く、気が強く、よくぶつかり合っているが、幾つもの事件に挑み続ける中で信頼感を醸成していく…

そうした主要劇中人物達の動きも好いが、奇想天外な設定の事件や、“スペック”なるものの行き着く先や、激化する“戦い”も面白い…

最終回のエンドロールの後、「続篇や映画化は無い!!」と当麻が叫んでいるのだが…続篇のスペシャルドラマや、映画も出来るようだ…

↓映画『SPEC ~天~』特報1/3分58秒でわかるSPEC/コメント動画


偶々だが、なかなかに面白いドラマに出くわした…

『薩摩剣士隼人』?!

最近は各地で“ご当地ヒーロー”というものがあって、なかなかに人気らしいが…そんなものの一つに偶々出逢った…これが…大いに愉しかった!!

勇壮な太鼓の音楽と共に「山が燃え、鳥が舞い、雲は流れ、浪は飛沫く…剣を心に歩む道…滾る薩摩の風が吹く…薩摩剣士!隼人!」の口上―これが主題歌の歌詞にもなっている…―で登場する鹿児島県の“ご当地ヒーロー”…これは「テレビシリーズ」になっているという…更にそれがネットで配信されている!!

↓早速観た第1話…


“薩摩剣士隼人”が初登場する第1話…鹿児島には人々と「ぼっけもん」と呼ばれる精霊達が平和に暮らしているが、昔妖怪に化けて人々を脅かしていたことから退治されて封印された狐族がこれを乱そうとしている…そこで“薩摩剣士隼人”が登場する…

「ぼっけもん」は各地の名産等がモチーフになっていて、所謂“ゆるキャラ”のオンパレードである…しかし、“薩摩剣士隼人”そのものは見るからに「正統派特撮ヒーロー」である!!

ドラマは、鹿児島県各地の景勝地でロケが行われている…

↓例えば第8話…枕崎の海岸でロケしている!!開聞岳を遠くに望む、枕崎の風景が素晴らしい!!

↑このエピソードには“薩摩之歌姫”なる3人組の女性グループが登場する…これもなかなかに好い…

“剣士”と名乗っているので、基本的に時代劇の殺陣のように、剣を振るって戦う…

↓第6話…全般にコントのようだが…凝ったアクションが見られる!!


所謂“ゆるキャラ”のようなものが多く登場する他方、敵役の頭目や戦闘員は、最近の“スーパー戦隊”に登場しているような雰囲気で、なかなか本格的だ…

偶々だったのだが、非常に愉しいものに出くわした…

>>薩摩剣士隼人TVシリーズ配信中!

映画『ドラゴン・タトゥーの女』

作品の情報を聞いて以来、興味を抱き続けていた作品…いよいよ公開となった…

↓札幌で夕刻に少々時間が出来たのでサッポロファクトリーのシネコンを冷やかすと、“メンズデー”というやつで割引になっていたので、「好機!!!」とばかりに観た!!


これはスウェーデンの小説を原案とした映画だ。原案の小説については、なかなか夢中になって読んだ。“3部作”の第1作ということになる。

原案の小説が大人気で、スウェーデンでも映画が創られ、テレビドラマにもなって、そちらもなかなか人気が高いようだ。そのスウェーデン制作の映像も観ている…

「原案の小説を確り読んでから映画化作品を観る」ということをすると…何と言うのか「整理され“過ぎ”」な状態で、“作品世界”が「?」という雰囲気になってしまうことも多い。それはそれなのだが、多少の幻滅は禁じ得なくなってしまう…この映画に関しては、そういうことはない。本当の原案ではスウェーデン語であるべきものが英語になっているというだけで、非常に好い具合に脚本が整理されていると思った。小説で滲んでいた“ニュアンス”が巧く画になっていたようにも感じた。

「好い具合に脚本が整理…」というようなことは、観終わった映画を振り返りながら思ったことで、実際には作中で流れる1年弱という時間を示す美しい映像と、「欧州版“金田一モノ”」という風情の物語に夢中になっていた…映像を彩る音楽もなかなかに素晴らしい!!

調査報道を手掛ける雑誌記者のミカエルが、報道対象とした企業家に名誉毀損で訴えられて敗訴してしまうという状況に陥った際、一族の娘に関する40年間の謎を明かしたいと執念を燃やす老人が彼に調査を依頼する。ミカエルはそれを引き受ける。やがて、老人と彼の弁護士がミカエルを知る際に依頼した警備会社の調査員の存在を知り、その人物を助手として起用しようとする。その助手になる人物が、本作のヒロイン、「ドラゴン・タトゥーの女」ことリスベットである。この映画の主役コンビ…なかなかに好い!!

社交的なミカエルと、人付き合いに不器用なリスベットは、事件の落着後に何となく距離が開くという感じで物語りは幕引きになるのだが…原案の小説はリスベットが負った過酷な運命が明かされる第二部、第三部へ続く…或いはこの映画も?

なかなかに楽しめた作品である!!

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

「1月1日は映画館の入場料が安い…」ということで…サッポロファクトリーのシネコンへ足を運んだ…

↓観た映画はこれだ!!


上映を行っていたのは、このサッポロファクトリーのシネコンの自慢の施設「IMAX(アイマックス)」だった。割引の“適用除外”だった…が…それでも価値は在った!!

とにかくスクリーンが大きい!!この大きさだけでも“入場料”分の価値が在るかもしれない。街や砂漠の空撮では、何か「揺れている…」と錯覚する程であるし、この『ミッション:インポッシブル』シリーズで時々登場する、高層ビルでのアクションは、何か足が竦んだ程だった…

冒頭部…事の発端はブダペストである…そして話しはモスクワへ…更に、ドバイ、ムンバイと舞台を移しながら、スピーディーに物語が展開する…狂気を帯びたような敵、“コバルト”の陰謀を阻止すべく、本部による支援が出来なくなってしまった状況下、イーサン・ハントと仲間達が冒険する…

個人的には…多少様子を知っているモスクワでのシーンが、少しのめり込んだ感じだった…時間が経つのを忘れて映画に入り込んでしまった。とにかく楽しかった!!

>映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』オフィシャルサイト

追伸
サッポロファクトリーのシネコンだが…映画を観た半券を出すと、サッポロファクトリー内の飲食店で割引をしてくれる場所も在る…

『イースタン・プロミス』

↓何気なく目に留めた作品だった…
イースタン・プロミス [DVD]
イースタン・プロミス [DVD]
↑非常に興味深く観た!!なかなか楽しめた!!

ロンドンが舞台となって展開する物語である。

冒頭…いきなり、ややショッキングな場面が在る…所謂“ノワール”な世界の物語である…

クリスマスが近付いた或る日のこと…薬局で「助けて欲しい」と不可解なことを口にした少女が倒れて気を失ってしまい、救急病院に運び込まれた。少女は妊娠していた。何やら腕に注射の跡が在るなど、様子が妙である。所持品に手帳が在るのが、本人の身元を知る手掛かりになりそうではあったが、身元不明である…身元不明の少女は志望してしまったが、赤ん坊は助けることが出来た。赤ん坊は病院で保護されている…

この一件に携わった助産師のアンナは、少女の身元等を何とか探り出そうと、少女の所持品に在った手帳を調べる。中にはロシア語の文章が記載されていて、日記帳と見受けられた。更に、日記帳に挟まれていたカードは市内のロシア料理レストラン<トランス・シベリア>のものだった。

アンナはこの<トランス・シベリア>を訪ねる。そこで経営者の男と会い、更に運転手であると言うニコライという男と知り合った。

少女が産んだ赤ん坊のために、少女の情報を得ようとするアンナは、こういう偶然で“ロシアマフィア”の世界を覗く羽目に…

こういうサスペンスである。善意で行動して“ロシアマフィア”の世界を覗く羽目になったアンナと、その“ロシアマフィア”の世界に身を置くニコライの2人が本作の主人公ということになる。そして赤ん坊が“鍵”となっていく。

作品全体は重厚な雰囲気で、なかなかに好い!!そして、ディーテールも素敵だ。更に言えば…「“ロシアマフィア”とは?」という問いに答えてくれるような内容も含んでいる。物語のテンポも良く、あっという間に時間が過ぎてしまう…ヒロインのアンナは美しく、ニコライは渋い…なかなかお奨めの作品である!!

『クライング・ゲーム』

何か「観たような記憶が在る割りに、その記憶が不鮮明な映画を観たい」というようなことを考えた…

↓これを観てみた!!
クライング・ゲーム DTSスペシャル・エディション [DVD]
クライング・ゲーム DTSスペシャル・エディション [DVD]
↑「観た…かもしれない?」と思っていたが、実際には初めて観る作品だった…そして、なかなかに味わい深いものが在った…

IRAの闘志ファーガスは、英兵を人質に取る作戦に参加した。黒人兵士を拉致し、彼を監禁した…

ファーガスは黒人兵士の監視役になったのだが、色々と話す中で、不思議な友情めいたものが芽生えた…

ファーガスは黒人兵士から、ディリーの話しを聴かされる。昼間は美容室で働いていて、夜は<メトロ>というパブに居るというディリーと黒人兵士の写真を預かった…

やがてファーガスは、当局から追われる身でロンドンに移り、黒人兵士から聴かされていたディリーを見出す…そしてジミーという偽名を名乗り、ディリーに接近する…

というようなことで、これ以上の仔細を綴ってしまうと、未見の方の楽しみを妨げるので、この辺りに留めておきたい…

文字どおり「意表を突く」ようなことが相次ぐ…そうやってグルグルと展開するサスペンスである…

映画の冒頭から終盤まで、幾つかの歌が挿入されるのだが、歌の歌詞―確り字幕を造っている…―が各場面にピタッと嵌り、また物語を暗示するような感でなかなかに好い。

これは意外に好い作品だ!!!

『ノーチラス』

何か「観たような記憶が在る割りに、その記憶が不鮮明な映画を観たい」というようなことを考えた…

↓これを観てみた!!
ノーチラス [DVD]
ノーチラス [DVD]
↑正直…「やや旧い感じ」であったり、「チープ?」とも思えたが、なかなかに愉しいSFのように思う。

なかなかに愉しいSF…小学生の頃、学校の図書室に在ったやや旧めな作品の翻訳を色々と読んでいたような記憶が在るが、そういう類の作品のような気がする。更に…「こんな船が在ったら乗りたい!!!」とか「こういう船が欲しい!!」等と、少年のような発想も抱いてしまう場面が在った…

2099年…世界は滅亡の危機に瀕していた…永い間相次いだ天災などで、世界がスッカリと荒廃してしまっていたのだった…

こんな中、潜水艦<ノーチラス>が建造された。この潜水艦は、海中に在ることで「海水を冷却装置とする」方式の“タイムマシン”なのだ。

潜水艦<ノーチラス>の指揮を執る科学者のノアは、世界を滅亡の危機へ追いやった天災は、1999年に取組まれていたある実験の結果であると考え、1999年の世界に向かい、それを阻止しようとする…

潜水艦<ノーチラス>の“使命”は果たされるのか?意外にこういうような感じの物語も好きだ。

劇中では、1999年の世界で「不審な潜水艦」以外の何物でもない存在である<ノーチラス>と米海軍が交戦に及ぶ場面も在る。その場面が意外に面白い…

『慰めの報酬』

何か「観たような記憶が在る割りに、その記憶が不鮮明な映画を観たい」というようなことを考えた…

↓これを観てみた!!
007/慰めの報酬 アルティメット・エディション [DVD]
007/慰めの報酬 アルティメット・エディション [DVD]
↑主役のジェームス・ボンドを演じるのがダニエル・クレイグになってから2本目の作品ということになる…

本作と前作の『カジノ・ロワイヤル』は、“007シリーズ”の原案になっているイアン・フレミングによる小説の初期のものを、時代背景を顧慮して翻案しているもののようだ…殊に本作に在っては、ウォッカ・マティーニを注文する場面や、「Bond... James Bond...」と初対面の人に名乗る場面など、「何となく御馴染み」な場面が無かったりする…

本作は前作の『カジノ・ロワイヤル』の“続き”ということになっている。前作で、愛していたヴェスパーが殺害されてしまったことを受け、殺害に関与した者達を追う中で、欧州と南米を往来して利権を漁る悪者に出会し、彼と対決することになる。

“007シリーズ”と言えば、何か奇を衒ったような「秘密の道具」が出て来たりするが、本作にはそういうものは無い。他方で、携帯端末を駆使して本部と連絡を取り、本部のコンピュータで検索した情報をやり取りするというような、「在りそう…」な場面が在ったりする。ボンドの行動を止まらせようと上司の“M”が考える場面では、支給してあるクレジットカードを無効化してしまったりする場面も在るのだが、リアルだ…こういう「リアル路線」…個人的には好きだ。

“007シリーズ”と言えば…“ボンドガール”だが…本作では、悪者に復讐するためにボンドと行動を共にする女性と、南米のボリビアでボンドを翌日の飛行機に乗せる役目を仰せ付かったとして登場する女性エージェントが登場するが…何れも魅力的だ!!

何か2012年には、このシリーズの新作が登場するらしい…その前に、さりげなく“復習”することになった…

『クライシス・オブ・アメリカ』

何か「観たような記憶が在る割りに、その記憶が不鮮明な映画を観たい」というようなことを考えた…

↓これを観てみた!!
クライシス・オブ・アメリカ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
クライシス・オブ・アメリカ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
↑或る意味…怖い話しの映画である…

1991年…イラク軍のクウェート侵攻に対し、米軍等が出動した…所謂“湾岸戦争”である…

米軍のある部隊は、敵襲を受けて連絡を絶ってしまったが、意識を失った指揮官に代わって副官だった下士官が指揮を執り、部隊は無事に生還した…

ということが在ってから12年の年月が流れた…指揮官だった男は軍人を続けている…部隊を救った下士官は、実は政治家一家の出で、戦後に勲章も受けて英雄ということになり、下院議員を務めていた。そして、副大統領候補指名のレースに参加してもいた…

指揮官だった男は、ボーイスカウト等が聴講する講演を行っていた。戦時の経験を聴かせていたのだった。その会場に、部下だった男が現れ、講演後に話し掛けてきた。

指揮官だった男は、久し振りの再会をとりあえず喜んだが、部下だった男は奇妙な話しをする。部隊が連絡を絶ってしまった際の記憶が、何か不鮮明であるような気がしてきているのだという。そして、妙な場面の夢を頻繁に視るとも話す。更に、目覚めてからスケッチブックに視た夢のイメージを描くようにしているということで、それを持参した…

指揮官だった男は、そのスケッチブックに驚愕する。実は彼自身も、似たような夢を時々視るのだった…或いは“湾岸戦争症候群”と呼ばれる「戦時の過酷な経験故の不調」とも思われたが、彼自身は夢に見るイメージに関して「あれが現実だった」という、確信めいたものを感じるようになる。

ということで…洗脳、マインドコントロールというような、ややおどろおどろしいサスペンスが展開する…なかなか見応えが在った…

指揮官だった男…主人公を演じるのは、かのデンゼル・ワシントンである。なかなかに色々な役をこなす、素敵な俳優だと思う。

『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版』

一つ興味深い作品に出遭うと、“関連作品”に眼が向くというのはよく在ることのように思う。

過日『装甲騎兵ボトムズ』のテレビシリーズのDVDを愉しんだのだが、この作品には根強い、同時に熱いファンも在ることから、「後年になって制作された作品」が幾つも在る。

そういう「後年になって」の一つに『ペールゼンファイルズ』が在る…

『ペールゼンファイルズ』は6本のDVDに収められたシリーズであるが、それの内容を編集、更に一部映像を新規に制作した「劇場版」というものが在る。

「劇場版」は2009年1月に公開されたそうだ…

↓残念ながら劇場(=映画館)で観る機会を設けることは叶わなかった…と言うよりも、作品が在ったことを最近になって知った…

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版(UMD)
↑2時間弱に纏まった内容で、非常に愉しく観ることが出来た。

過日愉しんだ『装甲騎兵ボトムズ』のテレビシリーズから『ペールゼンファイルズ』(劇場版)までの間には四半世紀(25年間)という時間が在る。映像を創る技術は格段に進んでいる。「進み過ぎ?」とも思える程だ…が、この『ペールゼンファイルズ』(劇場版)はそうした「進んだ」モノが好い具合に活かされていると思う。

『装甲騎兵ボトムズ』には“AT”という独特なメカが登場する。作品には「“AT”という架空兵器が在る世界」の“戦記ドラマ”という側面が在る。『ペールゼンファイルズ』(劇場版)は“3DCG”というような最近の技術を駆使して“AT”のシーンを創っているのだが、これにより熱いファンが思い描く「あの世界の戦闘」を描くことに、見事に成功しているように思う。

が…それでもなお本作は「戦乱の不穏な空気が漂う世界で展開される、独特なメカアクションを交えた、SFサスペンスドラマ」という軸はぶれていないと思う。

テレビシリーズで、主人公のキリコは“レッドショルダー”と呼ばれる、その苛烈な戦い振りで悪名高い特務連隊でAT搭乗員をしていた経歴を持っていたことに言及が在る。本作では、キリコがその部隊を離れた後のこと、恐らくは「テレビシリーズでの物語の少し前」と見受けられる時期が描かれる。

『ペールゼンファイルズ』(劇場版)は、2つの視点から物語が紡がれる。一方は、“レッドショルダー”と呼ばれる特務連隊の創設に携わっていたという、統括責任者であったらしいペールゼン大佐と、彼の身柄を押さえ、彼の密かな研究に感心を寄せる“情報省”の高官の目線…他方は、過酷な戦場を駆け回るキリコと、彼と行動を共にすることになった兵士達の目線である…

キリコは、大河の川辺に設けられている敵拠点への強襲上陸作戦に参加するが、苛烈な戦闘で友軍の殆どが損なわれた中、生存することが出来た。負傷して弱っていたが、彼は別な戦線の補充員ということになり、新たな基地に送り込まれた…

新たな基地で編成された5人のAT搭乗員から成る分隊にキリコは加わることになった…

分隊長のバーコフ…多少学が在るように見える―終盤に、自分は“気象情報分析官”をやっていたことが在ると分隊の仲間達に明かしている…―ベテランの兵士で、やや変わった者が集まった分隊を何とか纏めている…

ゴラン…如何にも「過酷な戦場を渡り歩いた」という雰囲気の荒くれ者風な兵士である…途中のエピソードで、「何をしてでも生き残る」ということを繰り返していて、一部に“死神”と仇名され、私怨を買っている男であることが判る…

コチャック…「自分は技術者であり、戦闘を行う分隊に加わるような筋合いではない」と主張する、臆病者な印象を与える男である。搭乗員としての技量は低く、分隊の足を引っ張る場面が在る…他方、技術者である彼の知識が窮地を救う場面も在った…

ザキ…未だ少年である…新兵なのだが、どうしたものか、全くの初対面であるキリコに対して“殺意”を有している。近くに居合わせた、前任地での負傷から未だ完全に回復していない男がキリコで在ることを知り、ナイフを手に襲い掛かったという騒動を起こす場面が在った…謎の少年兵だ…

キリコ達の動きに対して…ペールゼンと、彼の身柄を押さえ、彼の密かな研究に感心を寄せる“情報省”の高官である…

作品の冒頭で、ペールゼンは憲兵に連行され、やがて軍事法廷に引き出される。軍事法廷では特務連隊“レッドショルダー”の基地で兵士の反乱事件が発生していて、死傷者も発生し、酷い破壊が行われた件が取上げられ、検事がペールゼンを追求しようとするが、ペールゼンは傲然と沈黙を護る。そこに情報相の高官が現れ、裁判を「無期延期または中止」ということにしてしまい、ペールゼンを連れ去る…

情報相の高官は、ペールゼン自身が「私の個人メモ」と称しているファイルを持っていた。これが本作の題名になっている“ペールゼンファイルズ”である…

ペールゼンはキリコを「類稀なる特異な存在」であると考えていて、それを研究していた。そしてその研究を突き進める構想を有していた。ファイルからそれを読み取った高官は、彼が構想した“実験”を自分達の力で突き進めようとしていたのだ…

「未見の方の愉しみを妨げない」という意味で、これ以上の仔細にはここで言及しない…バーコフ分隊の戦いと、その陰に在るペールゼンの目線や情報省高官の妙な思惑…正しく「サスペンス」だ…

一度観て、“謎”に関する部分が判ってしまっても、「バーコフ分隊の戦い」を描いた画が素晴らしく、DVDを思わず繰り返して観てしまう…本作にはそんな魅力も在る…