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↑アニメーション作品の『火垂るの墓』を基礎とし、映像の画等を使って編んだコミックである。「映画の漫画化」という体裁なのだが、アニメーション映画を想起出来るような感じに巧く編まれている。
映画の制作陣の中に「美術監督」として山本二三が名を連ねている。先日、その山本二三の画の展覧会を鑑賞する機会が在った。数多くの作品の中、『火垂るの墓』で使用された、昭和20年の神戸や西宮の街という背景画に何か凄く惹かれた。記憶に残ると思っていたところに、『火垂るの墓』の映像の雰囲気が判る本ということで本書を知ったのだ。
幼い妹の節子を護り、一緒に生きようとする清太であったが、それが果たせなかったという物語だ。無邪気な様子の節子だが、苦しい情勢の中で苦しさを吐露しないように堪えているような感である。何とかしようと、清太は少し頑ななのかもしれない。
社会が安定を欠いてしまうような、戦禍というようなことにでもなれば、最も辛いのは「力無き者」かもしれない。原案の小説もやや古く、加えてアニメーション作品もかなり事実を経ている。それでも本作は色褪せてはいないと思う。
色々と戦禍を巡る話題も聞こえるような昨今、こういう作品は忘れたくない。

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