『江戸500藩全解剖 関ヶ原の戦いから徳川幕府、そして廃藩置県まで』

↓史上、少し長い期間に亘って大きな存在感を示していた事象に関する概説という内容の本で、興味深く読み易い。

江戸500藩全解剖 関ヶ原の戦いから徳川幕府、そして廃藩置県まで (朝日新書)



↑持ち歩き易い新書ということも手伝って、持ち歩きながら方々で短い時間に読み、何時の間にか読了に至った一冊だ。

本書で言う「藩」というのは、「幕藩体制」の「藩」だ。江戸幕府の下、各地の知行地を統治する存在の大名家、その家臣達や政治経済の機構を含めて言う概念だ。この「藩」については、長い江戸時代を通じて増減が在る。260台から280台という数で推移している。俗に「300諸侯」と呼ばれている大名家であった筈だ。こうした「藩」または大名家に関しては、長く続く場合も多いが、何処かの時点で廃絶してしまうという例も多く在った。そうしたモノを含めて「500程度にはなったであろう」というのが、本書の題名に在る「500藩」という語の意味であるらしい。

江戸時代の大名家に関しては俗に「300諸侯」と言うので本書の題名に在る「500藩」は気になったが、廃絶した例を含めて累積すると「500程度?」ということだが、それは何でも構わない。本書に関しては、関ヶ原合戦の頃から廃藩置県迄の長い江戸時代を通して、少し興味深い各地の大名家の様子を俯瞰し、殊に興味深い挿話を取上げて纏めているのである。聞いたことが在る例も、聞いたことが無かった例も、然程詳しくは知らなかった例も色々と交じっている。豊富な話題が提供されている。

こういうような、豊富な話題を巧く纏めて読ませてくれるというような一冊はなかなかに好いと思う。巻末の方に300の大名家の一覧のようなモノも在るが、全般的に方々の様々な大名家の挿話が網羅的になっているということではない。関ヶ原合戦、御家騒動の顛末、藩政改革、種々の事件、藩での教育、幕末期の揺らぎ、廃藩置県というようなテーマで色々と話題を供している。本書を読むと、「幕藩体制の藩」という切り口で、江戸時代の流れや、文化の一部が理解し易くなるようにも思う。

なかなかに愉しく読んだ。御薦めしたい。

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