『灰色の階段 ラストラインØ』

↓大変に気に入っているシリーズの“番外編”が世に問われる形となった。こういう作品に出くわすと、それを看過すること等出来ない!入手して紐解いて、ゆっくりと愉しんだ。

灰色の階段 ラストラインØ (文春文庫 と 24-22)



↑本作は<ラストライン>と銘打ったシリーズで、加えて他シリーズにも入り込んで活躍をしている「ガンさん」こと岩倉刑事が主人公である。<ラストライン>と銘打ったシリーズ等では、「50歳代に差し掛かっているベテラン刑事」として登場する。が、本作はそうではない。「50歳代に差し掛かっているベテラン刑事」という劇中人物造形が出来上がって行く過程というような、交番勤務から刑事になったような頃、若い刑事として結婚の話しが在ったような頃、子どもが未だ幼かったような頃というような「“ガンさん”の過去…」という物語が綴られ、そういう篇を集めているのだ。少し夢中になった。

「ガンさん」こと岩倉刑事は、古い事件の事となれば異様なまでに憶えているという少し不思議な人物だ。また、事件には目配せして憶えておくようにすべきだというような考え方をしているのかもしれない。ベテラン捜査員として押す、引くと大胆に行動する。そして捜査会議では、“流れ”や“勢い”に対して「待った!」と思い切って発言をする場合が在る。それが「最後の一線」ということで「ラストライン」というシリーズの呼称の由来になっているようだ。

「50歳代に差し掛かったベテラン刑事」ということで、或いは初登場の以前の段階で、その来し方というようなモノが漠然と構想されていたのかもしれない。本作は、そうした構想に確かな形を与えたモノということになるであろう。本作に収められた各篇は、何れも一寸愉しい。

↓これまでに読んだ、「ガンさん」こと岩倉刑事が活躍している物語は下記だ…
『ラストライン』
『割れた誇り ラストライン2』
『迷路の始まり ラストライン3』
『時効の果て 警視庁追跡捜査係』
『骨を追え ラストライン4』
『悪の包囲 ラストライン5』

これからも愉しみたいシリーズである。

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