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↑映画作品は概ね20年前のモノなのだが、作中世界の出来事はその更に以前の1990年頃を背景にしている。
1990年頃というのは、東ドイツがその歴史に幕を引こうとしていた等、所謂“東欧”が揺れ動いた頃だ。当時の自身は「興味深げにニュースに触れる好奇心旺盛な学生」という感だった。「揺れる世界の隙間に自身の無限の未来?」というようなことを夢想しながら過ごしていたかもしれない。
そんな時代を背景にした物語で、随分以前に愉しく観た映画だったのだが、不意に「上映会=観る機会」ということになったのを知り、動き回り易い休日だったので上映会を愉しんだ訳だ。
東ドイツがその歴史に幕を引こうとしていたような頃というのは、余りにも激しく世情が動いていた。そういう中での出来事が想定された物語がこの映画だ。
主人公のアレックスは東ベルリンで暮らしている。<建国40年>というような1989年の秋、政府を批判するデモの輪に加わり、警察に取り押さえられてしまった。通り掛かった母はその様子を観て倒れてしまった。倒れた母は心臓が弱っていて、そのために昏睡状態に陥ってしまった。
アレックスにはこの母と姉とが在る。父は西ベルリンへ去ってしまっていた。母はアレックスと姉を抱え、東ドイツの体制を全く疑わず、教員として働き、色々な活動に携わって来た。この母の昏睡状態は数カ月間に及び、その数カ月間に東西ドイツの色々な事柄が余りにも大きく変わっていた。また、幼い子を抱えて離婚したような状態だったアレックスの姉にパートナーガ登場し、アレックス自身も研修中の看護師と交際して将来を期すというようになっていて、彼らの人生も変わろうとしていた。
やがて母は意識を取り戻す。が、医師によれば、強過ぎる刺激でショックを受けると、また昏睡状態のようになってしまい、今度は回復が望み悪いかもしれないということだった。アレックスは「何も変わっていないのだ」と母に信じさせるようにする他無いと考える。
アレックスは家族や御近所の人達や友人の協力を求め、「何も変わっていないのだ」と母に信じさせるようにと奮戦するのだ。
この奮戦ぶりと、母が実はアレックス達に詳しく話していなかった父の件や、生まれ育った体制が棄てられようとしている中で色々と考えるアレックスというような物語の展開で、久し振りに観て少し夢中になった。作中世界で描かれた、30年程以前の「揺れた情勢」の頃に夢見た何かが、年月を経て如何なったか?そういうやや複雑な想いも湧き起ることを禁じ得なかったが…
久し振りに映画を愉しんだ感!!凄く好い!!

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