「旅に纏わる情報」とは?

「何処かへ出掛けてみたい…」と思っても、「思うに任せ悪い…」という昨今の“事情”というようなことは在る。が、それでも色々と「旅に纏わる情報」に触れること自体は一寸愉しい。で、そういう「旅に纏わる情報」というようなことで、一寸考えることも在る。

何時の間にか「やや旧聞…」とはなってしまっているのだが…以前に、国外旅行のガイドブックに関して、執筆や編集を手掛けている方の御話しを伺ったことが在った。

近年のロシアでは「極東の振興に努力を傾注」という流れが在る。“特区制度”のようなモノを設定し、「経済活動の活性化」という見地で「少しでも有利になるように」という制度の設立、導入が漸次続いている。

日本でも「国外の旅客を積極的に迎える」ということに熱心であるが、それはロシアでも変わらない。ロシアでは外国の旅行者がロシアに入国する場合に求められる査証(ビザ)に関して、「より簡便な手続きで、より早く取得可能」ということを目指し、「電子査証」という新しい制度を設立、導入した。

国外へ旅行する際、日本国と多くの国々との間では政府間の取り決め等により、日本の入出国管理関係の用語で“短期滞在”と呼んでいる「一寸した旅行」という感じの入国に際して「事前の査証取得手続を省略」という例が多く在る。日本とロシアとの間では、そうした取り決め等は無い。日本の人がロシアに「一寸した旅行」をしようとする場合、必ず査証取得手続を行わなければならない。

従前は、この査証取得手続に多少大きな手間も必要で、やり方によって経費も発生するということであった。対する「電子査証」という新しい制度は、インターネット上で自力で手続をして、取得する査証が発効するまでに数日で、航空券や宿泊先をこれもインターネット上のサービスを利用する等して自力で手軽に取ってしまえば、「かなり気軽にロシア旅行へ出発」ということになる。

少し以前に御話しを伺った方は、この新しい制度に注目し、「これまでに馴染みがやや薄かった“周辺諸国”」、「“周辺諸国”への旅という範囲に収まる、(東京から)2時間程のフライトで着く先で“本当に異文化”な状況を体験可能」ということになるウラジオストクのガイドブックを手掛けてみた経過が在るということだった。

ウラジオストクは、「極東の振興に努力を傾注」という流れで設けられた<ウラジオストク自由港>という制度が適用され、「電子査証」も他所に先駆けて導入された。

こうした状況下で、ウラジオストクを訪ねる旅行者は、従前の倍以上にはなっていると言われていた。そしてウラジオストクのガイドブックも、出版社の想定を超える売上で好評を博したようである。

このウラジオストクのガイドブックが好評なことを受け、更に「電子査証」が極東各地へ導入されたことを踏まえ、「“周辺諸国”への旅という範囲に収まる、(東京から)2時間程のフライトで着く先で“本当に異文化”な状況を体験可能」というウラジオストクに加えてハバロフスクやユジノサハリンスクやその他の地域の内容を加えたガイドブックを手掛けてみるということになったのだと聞いたのだった。

そういう経過で、ガイドブックを介して色々な読者の皆さんに「サハリンの情報」を御提供というようなことであったが、実際的な、例えば「〇〇でこういうモノが話題になっていたのが気になって…」、「それなら△△に在るアレのことで、行くとすれば□□を目印で…」という次元の話しもしていたが、それ以上に「或る程度“公約数的”な、より多くの人達に供すると好い、または供すべき情報とはどういうようなモノか?」ということで、貴重な御意見を伺うことが出来たと思っている。

ロシアでも「国外の旅客を積極的に迎える」ということに熱心で、日本国内で催される「日本からの誘客を望む諸外国の観光振興関係機関、旅行会社等」が集まる催しでは、「ロシア各地のグループが最も目立つ?」という状況で在ったという例も見受けられたらしい。そうした中、「ロシアの関係機関が発信しようとしている情報」と「日本の旅行者の“多数派”が知りたいかもしれない情報」とに“落差”のようなモノが「在るかもしれない?」という御話しを伺ったのだった。そして、この“落差”は、もしかすると日本国内での「大都市圏の旅客を迎えることに熱心な地方の諸地域」と、「大都市圏の“時には地方の小さな町へ”という程度に思っている旅客」との関係でも見受けられるかもしれないとも聞いた。

「ロシアの関係機関が発信しようとしている情報」の中、高目な割合を占めている場合が多いのは「雄大な自然」や「アウトドア活動」に関連する内容だという。それはそれで好いのかもしれないが、その「雄大な自然」に出会うためには、訪ねる地域の主要な街から何時間も移動する必要が、場合によっては「朝から夕方の日帰りではキツいかもしれない」ということさえ在る。「アウトドア活動」にしても、入念な準備が必要な場合も在り、それだけで「丸一日掛かり」というのも多い。こういうようなモノを知りたい方も少なくはないのであろうが、それが「日本の旅行者の“多数派”が知りたいかもしれない情報」と「言い得るのか?」という御意見を伺った。

「日本の旅行者の“多数派”」というのは、実は「何かの用事で或る街を訪ね、少し時間が在るので、変わったモノを頂く、音楽演奏でも愉しむ、興味深い展示でもされている場所に立寄るというようなことをしてみたい」という、「手軽に“一寸、普段とは違う”を経験してみたい」と思う人達なのではないかという御話しを、ガイドブックを手掛けている方から伺った。

こういう一連の御話しを通じて、「漠然としていた何か」に関して、「形」を得たように感じたので、「やや旧聞…」とはなってしまっても記憶に留めているのだ。

ウラジオストクに加えてハバロフスクやユジノサハリンスクやその他の地域の内容を加えたガイドブックを手掛けるというようなことで耳にした話が記憶に留まっている。そこでユジノサハリンスクを一寸思い浮かべてみる…

サハリンのユジノサハリンスクというような場所に関しては、「現地の基準」で「特殊?」というモノ、「需要が極めて少ない」と見做されているモノ、単に「不人気…」ということになっているモノ以外は何でも在る。それでも時々、サハリンに関して「モノは在るの?」と訊ねられるような状況が未だに見受けられる…

ユジノサハリンスク市自体で20万人程度、サハリン島南部の日常的にユジノサハリンスク市内との往来が見受けられるような地域の人口が30万人程度ということを思った時には「驚異的?」とさえ感じられる程度に、厚みや拡がりの在る各種文化活動、スポーツ活動も見受けられる。それらが「普通…」な程度に紹介されているであろうか?甚だ心許無い状態であるように思う。

「手軽に“一寸、普段とは違う”を経験してみたい」と思う人達の方を向いたモノ?多数派の方を向いているというのはどういうことか?

恐らくは「こんなモノに出くわした」とか、「こういう催しを観た」とか、「花が咲いた、雪が降った」という次元の自然現象等、「とりあえず思い至った“話しのタネ”」を「可能な範囲で出来るように」というやり方で頻繁に紹介し続けることではないだろうか?十分にそういうことが行われているであろうか?

敢えて「無用!」とまで力を込めて申し上げはしないが、「何か特別」は然程強く必要でもないと思う。その場所の「普通…」が解れば、「旅に纏わる情報」というようなことでは「とりあえず十分…」なのではないだろうか?これは何となく思い浮かべていたユジノサハリンスクに限ったことでもないようにも思うのだが。

何処の街でも、何かの催事等で何処かの一隅が飾り立てられるというような次元の「何か特別」は、色々と見受けられると思う。「何か特別」というのは、本当に「特別」であって、1年の365日の中では「その限りでもない普通…」という日の方が圧倒的に多い筈だ。だから「知らない街…何となく惹かれた…」と、何時か訪ねることを想い描いて「旅に纏わる情報」に触れるような場合、飾り立てられるというような次元の「何か特別」という画を視るようなことよりも、「普通…」な様子を視る方が「或る時、念願叶ってここに辿り着けばこういう様子か…」という「リアル」な情報になるのではないか?

そういうのが、「普通…」が解れば、「旅に纏わる情報」というようなことでは「とりあえず十分…」とした意味だ。

こういう具合に「旅に纏わる情報」というモノが「如何在るべきか?」という面倒なことを時々考えてしまうのだが…それはそれとして、「旅に纏わる情報」というようなモノに、具体的に何処かを訪ねるような計画と無関係に触れるようなことは一寸愉しい。

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