休日の朝の「妙な事態」…

過日試した「我流のアイリッシュコーヒー」―丁寧にハンドドリップで淹れた珈琲に、目分量でアイリッシュウィスキーを注ぐというモノ…―が酷く美味かった。秋を追い立てるような強風の中を少しばかり歩き、何となく寒々しい感じがするので、それを頂こうかと思ったのだが…珈琲を淹れる以前に、アイリッシュウィスキーの<ブラックブッシュ>の、「中身が少しばかり残っている…」という状態のボトルが眼に留まり、愛用のタンブラーに中身を「ドボっ…」と注いでしまった。

そしてボトルが空に…結果的には「湯茶の替り」に<ブラックブッシュ>ということになったが…湯気こそ立たないが、寒々しい感もする休日の朝に、悠然とアイリッシュウィスキーを啜るのも悪くはない。

「正しい休日」と戯れに言うが、早朝からコインランドリーを利用して、洗濯に勤しんで、作業を終えて引揚げたところである。選択したばかりのスウェットシャツを半袖Tシャツの上に着てみたが、屋内ではこれでジーンズ穿きという位で好い按配だ。戸外に出るには、風除けに上着や帽子は必須だと思う…

休日に利用するコインランドリーは、<市内線>と称する路線バスが行き交う通と、鉄道の軌道を跨ぐ橋のようになっている通が低い辺りに下りて交差する地点の直ぐ傍に在る。大正時代に初めて稚内の街に鉄道が敷設された頃には、「稚内の停車場」が設けられていたという場所に相当する辺りだ。

そこを目指し、洗濯モノを乱暴に詰め込んだ、ネットを自宅で利用するようになるより以前にエアメールで発注した記憶が在る米国の会社による通販で入手した筈の、変に大きなバッグ―想うと、コインランドリーを往復する場合の“専用”になっている…―を提げて「風ニモ負ケズ…」とゆっくり歩いた。

コインランドリーまで…拙宅からは15分程度の道程ということになるか?<市内線>と称する路線バスが行き交う通―それに因んで「バス通」というのが通称だ…―の歩道に出てゆっくりと進み、「もう少し!!あのコインランドリーの前に到ると…実に好いタイミングで“営業開始”の頃合いで、出入口のロックが解かれる筈…」と近付いた。

何か様子が変だった。普段見掛ける範囲では最大級の、大型のトラックとしか思えないモノが見えた。相当な重さの様々なモノを詰め込める、半ばコンテナのような形の大きな箱状の後部が、強力なエンジンを搭載している背が高い運転台を備えた先頭部の下に埋め込まれているアレだ。そういう車輛の後ろ側が「不自然?」と思える角度で「停められている?」というように見えた。

その大型トラックが見える辺りの手前には、「昔の“駅前旅館”の後裔」ということになるらしい宿泊施設が何件か在り、施設の建物前に慎ましい規模の駐車場が設えられ、宿泊施設に滞在するグループを乗せているらしい大型バスが停まっている場合が在る。が、そういう大型車輛が「コインランドリーへ向かって歩道を歩いている」という状態で視える訳でもない。「歩道を歩いている」という辺りで大型トラックの後部が見えるのは、少し変なのだ…

やがて「赤い回転灯」に気付いた。赤い回転灯を灯しているのは、白と黒とのツートンカラーの軽自動車だった。警察車輛である…その警察車輛に乗っているのであろう、制服姿または関係者であることを第三者に伝える目印になるモノを身に着けた人物の姿は視えなかったが…

「事故??」と思いながら、「直ぐ傍のコインランドリーを利用すべく、洗濯モノを詰めたバッグを提げて歩いている」という自身が、警察車輛に乗っているであろう人達―警察官…―にどうこう言われる“不審者”であるのでもないのだから、特段に気にせずに進んだが…唖然として数瞬だけ足を停めてしまった…

大型トラックが交差点近くに在った住宅と見受けられる建物に「突っ込んでいる」という状態で、建物は破壊されで“トンネル”のようになり、大型トラックは「トンネルから頭を出した」という感で泊まり、建物の脇に停めて在ったらしい乗用車の側面が傷だらけになっていた。

流石に驚いたが、そのまま進めばコインランドリーは普段どおりに営業していたので、そのまま普段どおりに歩み寄って利用したのだが…そこは深夜から早朝に発生した、見掛けた人が驚いてしまう程度な事故の現場であった訳だ…

様子を視る限り、鉄道の軌道を跨ぐ橋のようになっている通を進んでいた大型トラックが、その通が交差する<市内線>と称する路線バスが行き交う通に入り損ねて、相当な勢いで直進して住宅と見受けられる建物に突入してしまっていたようだった。大型トラックは“形”が殆ど留まってはいたが…シートベルトを着用していたにしても、運転していた人や助手席に乗っていた人には「一定以上のスピードで走行する、一定以上の自重を有するモノが建物と突き抜けた向こう側の車輛に激突」という衝撃が加わった訳で…相当な負傷という状況であることは想像に難くない。そして、大型トラックが突入した建物の中に在った人達?あの壊れてしまった、大型トラックが通り抜けるトンネルのような様相になってしまった部分で、眠っていたような人でも在れば?それは“悪夢”という以上に表現すべき言辞が見当たらないことに苛立ってしまう…

コインランドリーで、洗濯の終了を待つ間にも、直ぐ傍の異様な状況は眼に入っていた。何処かの放送局のカメラがやって来て、ニュースコンテンツ向けに画も撮ったいたようだった。全く予期しない中、そういう変な状況を偶々目撃というのは、余り気持ちの好いものでもない…

「正しい休日」と戯れに言う「どうでもいいような日常」に、何やら「とんでもない事態??」が刺さり込んでしまったような気がする…寒々しい中で動いて温まりたかったと同時に、「ほんの少し整理しながら、視てしまった異常な事態を少し“客体”のように扱ってしまいたい」という気分が強かったかもしれない…

何となく振り返りながら…<ブラックブッシュ>を満たした愛用のタンブラーは空いた…

何やら「妙な感じ」で始まった休日の土曜日だ…

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