↓こういう作品に出会った!!
↑連休の最中に見付けた一冊で、なかなかに引き込まれるモノが在った…
大谷吉継…或いは官名に因んで大谷刑部…(同時代の人達には、多分「刑部殿」、「刑部様」という具合に呼ばれていたのだと想像する…)かの石田三成と親しかったとされ、<関ヶ原合戦>では石田三成の西軍に参画して活躍し、討死してしまったと伝わる…怜悧な能吏だったとされる石田三成に対し、なかなかの好人物であったともされる…そして、病を得て面貌が崩れてしまうという状況であったために、頭巾や覆面を何時も着用していたとも伝わる…
そういう大谷刑部吉継は、“時代モノ”に色々な形で登場している。主人公格になっていた作品も記憶に在るのだが…本作は彼を主役にした物語としては、最も深くこの人物を描いているかもしれない…
本作は「大谷刑部吉継の生涯」と在るが、近江で大名となった羽柴秀吉に仕えるようになる頃から、<関ヶ原合戦>で討死するまでの事柄が展開し、病を得たことで揺れ動く内面と合わせて劇的に綴られている…
病を得たのは、若き日に使いに出た先で捕えられて不潔な環境に幽閉されてしまったという原因が在ったらしいという描写が在る…そして彼は、若くして髪が薄くなって白髪も多くなっていたことから<白頭>という号を時々用いるようになる。それが本作の題名の「白頭の人」である。
病を得て、「生き続けること」に苦悩するのだが、「それでも力尽きるまで生き続けよう」ということになって行く…彼の病は不運だが「そういう状況でも!」と思うようになって行く辺りが、本作の面白さだ…
加えて…羽柴秀吉(豊臣秀吉)の下に少年時代から在って、後年活躍した人達の中には勇猛な武将も能吏も在るが、その中で大谷刑部吉継は「誰よりも勝るのでもないが、誰にも劣るのでもない」という独特な存在感、そして誠実さによって頭角を現すことになる…そういう辺りも面白い…
本作を読んで…不運な状態であっても「力尽きるまで生き続けよう」ということになる主人公や、彼を支える周囲の人々に何か共鳴するものが在った…「生かされていることに感謝」というような境地と表現すれば善いだろうか?勇壮な合戦が展開する戦国時代モノというよりも、人生を問う物語という感だ…
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