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↑「サントラ」ということで、映像作品に供するための音楽集なのだが、映像作品と無関係に「普通の音楽作品」という感覚で楽しむことが出来るモノだと思う。
このディスクに収められているのは、映像作品の『機動戦士ガンダム サンダーボルト』で用いられている演奏や、ボーカルの入った作品ということになる。劇中の主な視点人物が「音楽好き」と設定されていて、各作品は「彼らの好み」を思わせるモノなのだが…大半がこれを愉しむ私の好みにも合致する。配信されている映像作品の一部を観た時から「BGMが凄く好いじゃないか!!」と思っていたのだが、それらを改めて愉しんでいることになる。
映像作品の『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は、コミックを原案としたアニメーション作品である。この原案作品そのものは、登場して日が浅い頃から何となく知っていたが、友人の一人が「間違いなく貴君の好み!」と紹介してくれたことが切っ掛けでコミックを手にし、爾来「かなり気に入っている作品」ということになってしまっている。映像作品となっている部分の後も、物語は進行中で雑誌連載は続き、コミックも順次登場している。
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は、かの「ガンダム」の劇中世界の設定を使った、「SF戦記ドラマ」というような作品だ。
人々が“地球連邦”という体制下で暮らすようになり、やがて“コロニー”と称する巨大な円筒型の人工天体を宇宙空間に築いて、そこでも暮らしていた“宇宙世紀”という時代…“コロニー”の一つが「連邦からの独立」を叫んで“ジオン公国”と称し、独立戦争を起こした。“コロニー”を攻撃し、更に「地球上に叩き落す」という凄まじい破壊が為され、宇宙や地上に“モビルスーツ”と呼ばれる大きな人型の恐るべき機動兵器が蠢く…そういう戦争が続いていた…そんな中での物語だ。
戦争の当初は、“ジオン公国”の奇襲攻撃や、彼らが使い始めた“モビルスーツ”に苦しめられていた“地球連邦”側だったが、次第に劣勢を跳ね返し、“ジオン公国”の本国を防衛する宇宙要塞への進撃を進めようとしていた。物語はそんな背景の中で始まる。
破壊されてしまった“ムーア”こと“コロニー”の“サイド4”が在った宙域は、“ジオン公国”の宇宙要塞と他の空域を結ぶ連絡航路の一部を為していて、それを護ろうとする“ジオン公国”側に対し、「宇宙要塞攻略作戦の補給経路」として制圧を目指す“地球連邦”側が攻めていた。
“地球連邦”側で制圧作戦を担ったのは、“ムーア”こと“サイド4”の関係者を軸とした“ムーア同胞団”と名乗る戦隊だった。“サイド4”が在った空域は、破壊された“コロニー”や、交戦した両軍の宇宙艦や“モビルスーツ”等の宇宙機の残骸が散乱し、残存している様々なモノが稲光のように宇宙空間に放電する現象が頻発していた。そういう状況の故に“サンダーボルト宙域”と呼ばれていた…“サンダーボルト宙域”を護る“ジオン公国”側では、“リビングデッド師団”がその任務に就いており、“モビルスーツ”を介して操作する“ビッグガン”と呼ばれる移動砲台を、壊れた“コロニー”に在った建物の残骸等の様々なモノの隙間に巧みに隠して配置し、徹底した「待ち伏せ狙撃作戦」で“地球連邦”側の進撃を阻んでいた。
物語の主な視点人物となるのは、“ムーア同胞団”のイオと、“リビングデッド師団”のダリルである。共に各々の陣営で“モビルスーツ”の搭乗員である2人は宇宙戦場で邂逅し、対決することとなる…
少々込み入っている話しを駆け足で紹介した…
両陣営に設定されている主な視点人物であるイオとダリルは、共に「音楽好き」で、持ち場のコックピットに在っても、規則違反を無視してラジオの音楽を聞いている…作中には、正体不明な海賊放送のラジオ局なるものまで登場している位だ…ドラムス演奏という趣味まで持っているイオは熱心なジャズファンで、ダリルは作中世界の「一寸前のヒットソング」を好んでいる…
このサウンドトラックは、イオが好むジャズ調な楽曲と、ダリルが好む「作中世界の、一寸前のヒットソング」という調子な楽曲との混成である。それぞれに好い!ディスクの音楽は“劇伴”と呼ばれるような「映像に合わせて更にアレンジ」というモノでもなく、全曲が「普通に音楽作品として制作した」というままな状態で収められている。それが好い!
とは言え…この映像作品を初めて観た際に、イオが好むということになっているジャズ調なBGMが流れる中、“ムーア同胞団”の将兵が宇宙艦の中を蠢いて、“モビルスーツ”の編隊が、危険な敵の潜む暗い宇宙の戦場に飛び出していくというような画に見入ってしまったということが在り、このディスクに収められた関連の楽曲が殊更に気に入っている…
このディスクに収められた楽曲が使用される映像作品が気に入っているから聴いて愉しいということも在るが、そこを突き抜けて、「気に入った楽曲が収められたディスク」ということでストレートに愉しんでいる面も在る。色々な意味でお薦めな作品だ!!

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