↑非常に興味深く読了した…
<SRO>のシリーズは、現時点で6作在る。“時系列”としては5作目と6作目との間の出来事なのだが、内容は<SRO>の物語の以前に遡っている。そこで<episode 0>というように銘打たれているのであろう。
本作だが、多分<SRO>シリーズに親しんでいた方が興味深いとは思うのだが…単発作品としても、負傷して拘置所内の医療施設に横たわる凶悪な女性犯罪者の所へ捜査員が訪ねて、その謎に包まれた人物像を知ろうと本人の過去について尋ね、本人がそれを語っているような内容だ…非常にダークな内容の物語として、単発での面白さも在る…
本作の主人公は、<SRO>シリーズに登場する「最凶の敵」とでも言うべき“近藤房子”である。第5作の物語で捜査班の面々に挑み、負傷して逮捕されたという状況で、拘置所内の厳重に警備された医療施設に収容されている訳である…
<SRO>?これは「広域捜査専任特別調査室」という、室長を務める山根新九郎の発案で設けられた捜査班だ。各県警の管轄を越えて発生している可能性が在る連続殺人等の事件を調査するということで始められたのだが、捜査班は「はみ出し…」という按配になっているキャリアの刑事ばかりが集まっていて、7名の小さな部署に階級がかなり高い者ばかりが集まってしまっているという異色なチームだ…
この<SRO>が発足し、調査活動が開始された中、山根は各県警の管轄を度外視して、共通の特徴を有するような身元不明遺体の発見事案を調べ始める。調べてみるとそういうケースが在って、「広域的に殺人を繰り返している連続殺人犯(シリアルキラー)の存在」という可能性を発見してしまう…
この「広域的に殺人を繰り返している連続殺人犯(シリアルキラー)」を探して捕えなければならないと活動する中、<SRO>が発見したのが薬剤師の近藤一郎・房子夫妻だった。<SRO>は近藤一郎が凶悪な犯罪を繰り返していると視て、逮捕を目指す。
<SRO>は近藤一郎の凶行を食い止めようと彼を追い詰めたが、止む無く彼を射殺してしまう。そういう出来事等が在った中、犯行は夫妻の手で行われていて、寧ろ妻の房子が主導的に行っていたということに<SRO>は気付き、やがて房子が逮捕された。
近藤夫妻の禍々しい犯罪が伝えられる中、房子は一部から<キラークイーン>等と呼ばれ、妙なカリスマのような存在になっていた。そうした中、護送の際に協力する者が現れて房子は脱走してしまった…
近藤房子は、逮捕に至る道筋を着けた<SRO>を憎み、彼らに挑みかかる。そして対決し、負傷した状態で逮捕されてしまう訳だ…
こういうような「<SRO>VS近藤房子」というのが、シリーズの“柱”のようになっている側面が在り、その近藤房子を掘り下げたのが、本作<SRO episode 0 房子という女>だ…
最初の方は…幸せでもない生い立ちの中、犯罪に問われるということから逃れるような型で事件を起こしてしまうのだが、次第にそこに“快楽”のようなモノを見出して行動をするようになって行く…そして、そういう最中に近藤一郎とも出会い、行動を共にするようになる…何か「不気味な力」に引き込まれるようにして、勢いよく読み進んでしまった物語だった…
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