<明月プレミアム>

「迂闊なことをしてしまった…」と“小さな後悔”を重ねること頻りであったのだが…拙宅の“甕型サーバー”に入れて在る<黒明月>を切らしてしまい、漸くサーバーに注ぐための1.8lパックを仕入れたのであったが…何時も<明月ブランド>の焼酎を御願いしている、えびの市内の業者さんのウェブサイトを視ていて…「これ!?!」と眼に留まったモノが在り、併せて頼んでみたところである…

↓こういうモノを入手してしまった…

明月 プレミアム 明石酒造 芋焼酎 宮崎県 900ml 25度



↑プレミアム(premium)…「割増」という意味や、「高級な」という意味が在るらしいが、何か「金色と白」というような高級感が在るラベルが好い…「高級な」という意味も在る語を冠した呼称で、ラベルも高級感が在るようなデザインながら、「特別に高い」ということはない、「何か…好さそう!!」と普通に買い求められるような範囲の価格だ…

実はこれ…「えびの市内でのみ売られている」というモノらしい…何時もお願いしている業者は、えびの市内で「普通の御近所の小売店」として営業の傍らに通信販売も手掛けているということのようなので、この「えびの市内限定販売」というモノを持っていたのであろう…

↓2014年にえびのに立寄った経過が在る。
>>宮崎県えびの市の雪景色(2014.12.17)

このえびの市内に入った際、「そう言えば<明月ブランド>の焼酎を御願いした経過の在る業者が市内だった筈で…恐らく“地元の酒屋”然とした店だと思うが、もし気付いたら立寄って“市内限定販売”の焼酎というモノでも土産に求めてみようか…」と思わないでもなかったのだが…降り頻っていた雪―宮崎県内でもえびの辺りは雪が降ることも在る地域らしいが、12月の降雪・積雪は少々珍しいらしい…―の中、「或いは、北海道内で見掛ける“積雪期が始まる頃”のような雰囲気も些か…それでも、北海道では視たことが無い種類の木々が…」と感じ、考えながら、歩行者の姿を殆ど見掛けないような田圃の間の道で、吉都線の2駅間に相当する区間を延々2時間程度歩き通し、辿り着いた駅で発車時刻表を視て「これを逃すと、次は約2時間後…」と知ったことから、都城へ向けて急いで列車で去ってしまい、結局は「地元の酒屋に寄って…」は実現しなかったのだった…

えびのというのは、宮崎県、鹿児島県、熊本県の3県が境を接するような山々の麓の宮崎県側を占める辺りで、古くから豊かな農地が拓けた地域である。<明月ブランド>の明石酒造は、1891(明治24)年に明石仁衛門が焼酎製造を始めたことを以て会社の起こりとしている。既に120年を超える伝統だ。

明石酒造の<明月>というブランドは「人々の心が満月のように、まあるく明るく円満に、そして平和にとの願い」が込められたものとのことで、1950(昭和25)年に初めて登場したようだ。これもなかなかに伝統的なもの―65年だ…―となっている…

えびのという立地…豊かな農作地帯が産み出す、豊かな材料を調達可能な地域であるが、それ以上に「えびの高原の原生林を伏流する良質清冽な水に恵まれている」というのが、酒造会社として非常に恵まれている。こうした恵まれている環境の下で、120年の伝統が活かされる酒造りに関係者の皆さんが励んでいることになる…

その<明月ブランド>の明石酒造が、「(敢えて)えびの市内限定販売」ということにした<明月プレミアム>…「どういう感じなのか??」と強く興味が湧いた…

早速!!最初はストレートで試してみる…

<黒明月>は、近所の店で時々頼む<黒霧島>や、主に出先のコンビニで“ペット容器”に入った少量を愉しむ<黒白波>のような、「最近の“主流”?」と思える感じなのだが…この<明月プレミアム>は、<明月>に似ているような気がした。「主張し過ぎない程度に主張する」という、“柔かさ”のようなモノが感じられる口当たりだ…

そして<明月プレミアム>をお湯割りに…鹿児島から取寄せた、小さなお湯割りグラスを用い、沸かした湯―<高牧の森の水>の出番!!―を先に注いで、後から<明月プレミアム>を注ぐ…材料の“黄金千貫”に由来する甘味が仄かに感じられる他、「酒らしい辛さ」も滲む…なかなかに個性が感じられる…

明石酒造のウェブサイト等で視ると…<明月プレミアム>には米焼酎をブレンドしてあるのだという。そして、それは<明月>にも共通する。違いは、ブレンドして出来たモノを熟成する工程のようだ…<明月>は「1950年代以来、地元で親しまれている」という代物だ…それの熟成に「一手間加える」というのが、<明月プレミアム>であるようだ…その結果として、「より心地の好い口当たり」を実現したことになる…

些か失礼ながら…決して大きな街でもない感のえびのの地に在って、120年の伝統を受継ぎながら未来に向かう「地域の酒造会社」として、「永く地元で愛されたブランドの代表的なモノを、より洗練された型に仕上げ直す」という意味で、この<明月プレミアム>は「(敢えて)えびの市内限定販売」ということにしたのであろう…それを通販に乗せたえびの市内の業者の想いとしては、「えびの縁で各地に居る皆さんに向けて…」ということであったのかもしれない…そういうことと想像しながら、「偶々<明月ブランド>の焼酎を気に入ったというだけのことで、一寸えびのに寄ってみた…」という、言わば“外人”な私が<明月プレミアム>を愉しませて頂いた訳だ…

北海道のような地域に居れば、“宮崎県”と聞くだけで「北海道が厳冬季である2月にプロ野球のキャンプ!!温かい!!」と思うのだが、えびのは山間で雪も降り、屋外でスケートリンクも出来るような高原を擁した、「存外に厳しい冬」も在る土地だ…或いは、そういう「気象のメリハリ」の故に、良質な米や野菜を産する土地としての歩みを辿ったのかもしれないのだが…そして豊かな農村であるが故に、戦国時代等には諸勢力が争う舞台にもなったのだった…

何か勝手に気に入ったえびのを想い起こし、宮崎県辺りを彷徨した経過も在る種田山頭火が詠んだという「どうしようもない私が歩いている」というフレーズを思い浮かべながら歩き回ったあの「雪の田園」を想いながら、<明月プレミアム>の杯は重ねられて行く…

そして些か心地好くなりながら、不意に思い出す…<明月プレミアム>と併せて仕入れた<黒明月>を“甕型サーバー”に注ぎ足したかったのだが…仕入れた<黒明月>が何処かへ逃げて行くでもない…それはまた、思いついた時で善かろう…

「(敢えて)えびの市内限定販売」という<明月プレミアム>を、えびのとは縁薄い、「異郷=サハリン」を望む、雪が被った北の海岸でゆったりと頂く…何か「途轍もない贅沢」をさせて頂いているような気分になる…或いは、拙宅で焼酎の在庫が切れていたという中、“渇望感”のようなものが在って、殊更に<明月プレミアム>を「美味い!!」と思ったのかもしれないが…

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