↓デンマークのコペンハーゲン警察で活躍するカール・マーク警部補が還って来た!!
↑文庫で愉しんでいるこのシリーズ…4作目だ…
カール・マーク警部補は、未解決事件の調査を行うべく新設された<特捜部Q>の責任者である。何がどうなって警察署事務官になったのか、素性がよく判らないシリア移民であるというアサド…少しエキセントリックで、他の警察署で持て余された女性職員のローセ…<特捜部Q>はこの3人で切り盛りしている部署だ。
カール・マーク警部補は、2人の同僚と共に捜査活動中、謎の襲撃を受け、1人死亡、1人重傷という事態に陥った。復帰してみれば元々の所属部署に“居場所”が無く、折好く舞い込んだ<特捜部Q>の話し故に、その部署を預けられたのであった…
本作の物語は…1985年の或る日から書起される…財界人や学識者が集まったパーティーの席上、会社経営者の妻を目に留めた医師が、「その女の過去を知っている。ロクでなし!」と罵倒するという騒ぎが起こる。夫妻は場を離れるが、夫は車中で医師が言い出した話しの真偽を妻に問う。妻は医師の言が事実であることを認めた。車中で夫妻が揉み合いになってしまい、車は崖から転落してしまう。夫は死亡し、妻は生き残った…
話しは2010年…現代へ…カール・マーク警部補は、部下のアサドが介入して、一応の解決のようになった風俗街でのトラブルに関して、何やら引っ掛かるモノを感じる等していたのだが、そういう日常の中でローセが「これは調査しなければ…」と気になる案件を持ち出した。1987年の「同一日?」と推定可能な時期に、行方不明者が多発していた。行方不明者は20年以上も発見されていない。或いは「殺害されてしまっている。それも多数の人間が一度に…」という危惧も在る。
行方不明者相互の関係性は低い。ひっそりと行方を眩ませてしまって、何処かで自殺でもしてしまいそうな人物が居ないでもないが、夢中になっていた歌手のコンサートに行く段取りをしていた痕跡が在る等、「ひっそり自殺をするような訳がない」と思われる人物も在った。
相互の関係性は低いと見受けられた行方不明者達だが、各々を調べると、共通する名前に出くわした。それが、1985年に事故に遭っている、会社経営者の妻だった…更に、その女性とも過去に関わりが在ったと視られる、現在は極右的政党の指導者となっている医師の存在も浮かび上がった…
カール・マーク警部捕は、1987年のまとまった行方不明者が発生した日に何が起こっていたのか、過去の「恐ろしい事実」に関連した事件の真相を探り当てて行くことになる…
物語は、事件発生時とそこに至るまでのこと、事件に向き合うカール・マーク警部捕達や彼が追う関係者が動き回る現代とを往来しながら進んで行く…今作では「事件発生時とそこに至るまでのこと」の部分が大きく、また重いかもしれない…
こうした“幹”の展開の他方で、カール・マーク警部捕自身の未解決事件に関する展開や、別居中の妻との関係に纏わることや、事件時の重傷で身体が動かせなくなり、病院に倦んでカール・マーク警部捕宅に住むことになった元同僚の僅かな快復兆候が視られる等、“枝”の展開も目が離せない。加えて…ローセのエキセントリックさの起源に迫る話題が出たり、問題の医師に関する調査で奮戦するアサドが危機に陥るという展開も在る…
本作で取上げられる過去の「恐ろしい事実」…“実話”に基づくのだという。人間の尊厳を余りにも蔑ろにする冷酷な振る舞いだが、遺憾ながら、そんなことが容認されてしまっていた時代が在った…そういう振る舞いに及んだ側…それに巻き込まれて行って、途轍もない不幸を負わされてしまった側…途轍もない不幸を負わされた地点から、真摯に救いの手を差し伸べる人の支援で前進し、幸運を掴み取ってさえも、負わされてしまった不幸から脱け出せない…そして“事件”…このシリーズの各作品で、最も「重い」感じだ…
未だシリーズは続いている様子だ…新しい作品も是非読みたい!!
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