門司港駅から歩いて、暗い夜道に多少の苦戦もしながら、和布刈(めかり)という高台に上がって関門橋の眺望を愉しんだ…暗がりに、デジカメを手に単独行…正しく「寒い国から来た男」(=不審なスパイ?)というようにも思えて、何やら妙に可笑しかった…
高台から下りながら歩いていて「往路はこんな場所を通ったか?」というエリアに入り込んでしまい…
↓暫く進めばこんなものに出くわした…
何やらエレベーターが付いている…公衆トイレも在るが「単なるトイレ」とは明らかに異なる…
↓エレベーターで地下に…
↑「歩行可能な海底トンネル」が関門海峡に設けられている!!
↓「この先は長州じゃ!!討ち込め!!」とばかりに、トンネル内を進んでみた…
以前、札幌都心部に在る商業施設の、荷物の搬入等を行う地下部分にお邪魔したことが在った。何かここは、そうした「大きな施設の地下」という雰囲気だった…緩やかな下り、やがて緩やかな上りで門司・下関を結んでいる通路だ…
何やら車輌が通行しているトンネルから発していると思しき不思議な音も聞こえている。少し驚くのは、門司や下関に住む人達と見受けられる、トレーニングウェアー姿の皆さんが多く見受けられたことだ。延長800m弱のトンネル…ジョギングやウォーキングに好適と受け止められているようだ…
↓トンネルの中間点辺りであろう…「海の底の徒歩で渡ることが出来る県境」というモノである…
↓「県境」を踏み越えて振り返ってみた…
関門海峡は“源平合戦”の古戦場でもある。源義経ら源氏の将兵と、平家陣営が船を繰り出して戦った場所だ…
2014年には俳優・菅原文太の訃報を耳にして、随分熱心に観ていた記憶の在る『武蔵坊弁慶』というテレビドラマを思い出していたところだった。源頼朝役だった菅原文太は関門海峡の戦いの場面には居なかったが…
その場面では、平家陣営随一の勇将、平知盛が洋上で主人公の弁慶が乗る船と対峙し、勝敗が決したことから降伏を促そうとする弁慶に対して「武蔵坊弁慶!!さらばじゃ!!」と知盛は錨を抱えて入水自殺してしまう…好敵手の悲壮な最期に弁慶は「知盛よ!!」と絶叫する…
こういう「男達の戦い」の脇で、平家の衰亡で世を儚んだ陣営の関係者が続々と入水自殺してしまう悲しい場面が在る…平家の隆盛をもたらすことになった、未だ少年であった前帝に女官が言う。「海の底は浄土にござります。参りましょう…」とである…
関門海峡のトンネルの中、思い出していたのはそんな場面だった。「海の底は浄土にござります」ではなかった…「海の底は県境にござります」であった…
↓振り返ると…「この先が鎮西じゃ!!進め!!」という具合になる、反対側の入口だ…
↓下関側の出入口辺りにはバス停が在る…
↑ここからバスで下関駅に向かい、この日の宿を押さえた九州側の小倉に引き上げた…
「源平合戦の古戦場の海底を、歩いて渡っている」等と考えていたが…下関駅へ向かう途中に“壇ノ浦”という名前の停留所も在った…
“帰国”後、山口県や福岡県と縁が在る方と話した際、関門人道が面白かった旨を話題にしたところ、「行ったことが無い!?」と驚かれた…そんなものかもしれないが…この「海の底の徒歩で渡ることが出来る県境」…類例も思い当たらない、なかなかに興味深い場所だ…
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