↓そうした、古くから在る“型”の、比較的近年の作品に出逢った…

東野圭吾/プラチナデータ - スタンダード エディション
↑大変に興味深く観た…そして劇中世界は“近未来”と設定され、さり気なく劇中で覗いていたモニターに「2016年」等と在ったが…或いは「本当に近年中に発生?」と思わせるような、「妙に迫る」リアリティーも在ったように思う…
物語は…
冒頭…他殺体が発見され、警察の捜査員達がその現場に駆け付ける場面だ。発見されたのは幼児の遺体で、捜査員達は悲しみと怒りを胸に黙祷を捧げている…
そんなことをしていると、ベテラン刑事の浅間がとある施設に呼び出される。そこは厳重な警備の下で研究を行っている施設だった。“DNAモンタージュ”なる手法で、事件の容疑者をかなり高い確率で割り出すことが出来るのだと、研究所の主任研究員である、若き天才エンジニアの神楽が言う…
そして研究所で神楽が名指しした人物を、捜査陣が追うことになった。すると…その人物は紛れもなく幼児殺害の容疑者であった…“DNAモンタージュ”なる手法の威力は絶大だった…
しかしベテラン刑事の浅間は疑問を抱く。神楽が“DNAモンタージュ”なる手法を駆使した際のDNAデータは、適法ではない方法で取得されたモノかもしれないと浅間は考えたのだ。
浅間は研究所に神楽を訪ねて詰め寄った。神楽は、間もなく新法が成立し、その辺りの問題は無くなると言い、DNAは人の全てを司る等と言い、それが“プラチナデータ”なのだとも言う…
と、少し長めなプロローグが入った後が本論である…
大学病院の一画で、そこに住み着いてソフトウェア開発を行っていた兄妹が、他殺と見られる状態の遺体で発見された。妹が数学の天才であり、神楽が進めていた“DNAモンタージュ”のプログラム作成に協力していたのだった。
そうした経過から、当然のように事件の容疑者割出しに“DNAモンタージュ”が用いられる運びになった。神楽は、事件現場で採集されたというDNAデータを解析する。
神楽は“DNAモンタージュ”が示した結果に驚愕した。容疑者として示されたのは、神楽自身だったのだ。神楽は全く身に覚えが無い。
神楽は、何故このようなことになったのか探り出そうとしながらも、追われる身となってしまい、必死に逃走する。そして浅間は容疑者となった神楽の追跡に参加するが、他方で神楽が余り公にしていない何かを持っていると考えて独自に調査を行う…
という以上は、物語の性質上、踏み込まない方が賢明というものであろう…
本作は“アクション”を巧みに見せながら、キッチリと“謎解き”と「少し考えさせられる何か」を伝えている。好い意味で「映画らしい」感じの作品だ。また、劇中の“DNAモンタージュ”なるモノなどを「らしく」見せる、SFの画創りも好きだ。
殊に“アクション”は秀逸であるように思う。必死に逃げる神楽と、懸命に追う浅間を含む捜査陣の様子を、多数のカメラを「基本的に一場面を切らない」ような、所謂“長回し”で撮っているようだ…思わず「どうするんだ、神楽?どう出るんだ、浅間?」と前のめりに見入ってしまうものが在った…
実はこれも原案の小説は在るのだが…本作は、小説とは違う「見せ方」、「感じさせ方」を有している映画の好さを十分に生かし切って、なかなかに見応えが在るモノになっている。
>>『音の惑星』 on the web...: 『プラチナデータ』(2012.07.31)
人間にはDNAのように、生物として身体に受け継がれているモノが当然在るが、他方で人格や行動や性格等は、実は自分で考えたり経験を重ねるなどしながら、自ら創っているのかもしれない…
「DNAが人の全て」と豪語する神楽がどうなって行くのか?思いも掛けない型で展開する事態をクールに見詰めながら、懸命に真相を追及する浅間刑事…この2人が“ダブル主人公”と私は観た…が、周辺の劇中人物達もそれぞれに面白い…お勧めな作品だ!!
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