『三秒間の死角』

“シリーズ”の“新作”が登場したことを知ると、とりあえず読んでみたくなるというものである…

↓ストックホルム警察のグレーンス警部が活躍するシリーズの新作である!!



三秒間の死角(上)(角川文庫)





三秒間の死角(下)(角川文庫)

↑執念深く事件を追う、少し偏屈で変わり者という印象を与えるグレーンス警部…今回はとんでもない事態に身を置くことになるのだが、大変興味深く読了したところである…

各部の章毎に「○曜日」と副題が添えられ、時系列に淡々と各劇中人物の動きが追われ、物語は進んで行く…

フェリーでスウェーデンを目指す、やや不自然な行動を見せるポーランド人…米国の捜査機関関係者研修施設に居るスウェーデン人が、何やら密かに連絡を取る様…そしてスウェーデン人とポーランド人が何やら麻薬取引の現場に居て“事件”が起こってしまう…

ここで“事件”を捜査するグレーンス警部が現れる。彼は、若い頃に頭の怪我が原因で脳に障害を負ってしまった女性を愛し続け、そのことで苦しんでいたが、終に女性が死去してしまい、心が揺れている最中であった。そんな中、匿名の電話通報で駆け付けた警官が発見した遺体を巡る事件の捜査を担うことになる。

この“事件”だが…暗躍するポーランド系組織犯罪の情報を得るために活動していた“情報提供者”、“潜入捜査官”が関与していた…その“潜入捜査官”は犯罪組織の中枢に潜り込み、「刑務所内での麻薬密売」の指揮を執るという話しになっていた。その活動を通じて、スウェーデン進出を図る組織の壊滅を目指すため、“潜入捜査官”は活動を続けることになる…

“潜入捜査官”の活動継続は容認されたが…他方でグレーンス警部の捜査も続く…遺体で見付かった人物の素性を知り、やがて“事件”に関与している可能性も排除出来ない人物達に行き当たる…最後の1人が刑務所に収監されたことを知り、彼は刑務所を目指す…“潜入捜査官”を運用する側は…非情な決断をした…

ということで、何が起きてどうなるのか、というのが物語の肝だ…

刑務所に入ることになる“潜入捜査官”の不思議な行動の真意?刑務所での異常な事態に向き合う羽目になるグレーンス警部と、彼が解き明かす事の真相?スリリングだ…そして題名の“三秒間”とは何か?興味深い!!

「刑務所内での麻薬密売」というようなことを通じて、外国起源の組織犯罪が勢力を伸張するというような事態…「丸っきりのフィクション」という訳でもないようだ…そして“潜入捜査”も一部に実際に在り、その“問題点”も「丸っきりのフィクション」でもないらしい…

心休まらないグレーンス警部なのだが、彼の行く手にはしばしばとんでもない事態が待っている…

このシリーズ…翻訳は3作品既刊である。本作は5作目で、4作目は翻訳が登場していないそうだ…

↓既刊、既読のこのシリーズ…
>>『制裁』
>>『ボックス21』
>>『死刑囚』

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