『鈴蘭』

東直己によるシリーズ作品は「新たに文庫が登場」に気付いた時点で、極力入手して愉しむようになっている。

↓そのシリーズ作品の一つ…探偵の畝原が活躍するシリーズだ…



鈴蘭(ハルキ文庫)

↑札幌が主な舞台―畝原は札幌市内に住んでいて、探偵業を営む男である…―となって展開する渋い物語だ…愉しく読了した…

畝原は離婚した妻との間の娘、再婚した女性とその娘、加えて或る事件が切っ掛けで養女にした娘の5人家族で暮らしている。冒頭は5人家族が休日に郊外に遊びに出るような場面で始まる。実は懇意にしているテレビ局のプロデューサーから頼まれた調査活動の一環でもあったドライブだったが、訪ねた先で、何やら妙な男に出くわす。妙な男というのは“ゴミ街道”と通称される場所に住み着いているという男だ。

畝原は、最初にテレビ局のプロデューサーから受けた仕事、加えて妙な男に関する調査を進めるが、更に依頼が舞い込んだ…畝原一家が訪ねた施設を営む老人が、“ゴミ街道”に女性が居た筈だが、その姿が何時の間にか見えなくなってしまっていることを指摘し、事情を探るように依頼してきた…更に畝原と接点が在った元暴力団関係者でもある男からも依頼が在った。中退してしまった高校で、最後まで退学に反対していたと聞く熱血先生が行方を眩ませてしまっていることを知り、非常に心配しているのであるという。畝原は、その教師の行方や失踪の事情を探り始める…

居なくなった女性、元教師の事情を探り続ける中で、それらの調査が交錯し始め、次第に事情が明らかになる…

本作では、“ゴミ屋敷”というような問題や、悪辣な“貧困ビジネス”というような問題に畝原は直面することになる…そしてタイトルにもなっている“鈴蘭”だが…是非ともそれは本作でお読み頂きたい…

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