長崎・出島(2012.12.19)

“長崎”と聞けば、「ちゃんぽん」を思い浮かべる他、何となく「出島」を思い浮かべる。江戸時代の概ね250年間に亘り、オランダとの交易が行われていた場所である。

この出島は、扇型をした文字どおりの“島”で、街への出入口は“島”に架けられた橋だけだったという。が、明治時代以降、港や街の開発の中で周辺が埋め立てられてしまい、“島”という体裁は失われ、地名だけが残っていた…

長崎の案内には、長崎でポピュラーな路面電車の路線図が紹介されていることが多いように思うが、何気なく見てみると“出島”という停留所も在る。「どういう場所なのだろう?」と興味が湧く…

↓実は最近、出島が登場する時代モノの小説を愉しく読んだ…
>>『出島買います―長崎奉行所秘録伊立重蔵事件帖』

この小説の背景として出て来る話しで、それは史実でもあるのだが、交易に携わるオランダ人を住まわせるために埋立を行って出島を造ることになった時、長崎の富裕な商人達から出資を募り、出資者となった商人達は“株”を手にした。オランダ人達は出島の借地料、出島に建てられていた建物の家賃を幕府に収めることになっていて、そうした収入から“株”を持っている人達に毎年配当が在ったのだという。この“株”は、概ね最初の出資者達の家で代々受け継がれたようだ…

小説の方は、この“株”に関して、存在が知られていなかった「もう一牧」というものが出て来て、それを手にしたという江戸の札差―現代風に言えば金融業者のような感じか…―が、息の掛かった色々な連中を引き連れて長崎にやって来る。長崎奉行所に勤める主人公達は、この「もう一枚」の謎や、江戸から乗り込んだ悪者の陰謀を打ち砕こうと奮戦することになる…

更に…

↓上記の小説のシリーズということになるこの作品には、出島の“オランダ正月”やら、中の倉庫の様子というような描写も在る…
>>『砂糖相場の罠―長崎奉行所秘録伊立重蔵事件帖』

やや諄くなったが…出島に関しては「最早“小説”の作中世界だけのモノ」と思いながら、長崎市内を路面電車で巡り、何気なく“出島”という停留所で電車を下りてみた…そして驚いた!!

↓停留所の傍に、出島に在ったという門―小舟を着けて荷物の積み下ろしをする場所であったそうだが…―が建っていたのだ…
8309540525_eaa5d5f93a[1].jpg

↓「19世紀前半」な雰囲気が再現されている…
8311497469_100fb68566[1].jpg

↓中の様子も一部再現されている…
8312376636_49146edf20[1].jpg

↓明治期の建物が再現されている場所も在った…
8311349685_e5b4aca9cd[1].jpg

この出島…思わず結構な時間を費やしてしまい「長崎にもう少し滞在!!」と決める切っ掛けとなった…

↓長崎市によるサイト…
>>甦る出島

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック