バスが着いたのは“ターミナル”のビルで、“駅”は存外に交通量が多い、なかなかに幅の広い道路の向こうだった…禁煙の車中から出て、煙草を点け、辺りを眺めると「とりあえず駅の辺りに近寄るには、歩道橋を渡ってみるしかない」と理解出来た…
そして煙草を消してから歩道橋に上がった…「ゴォー…ガタッ…ゴォー…」という独特な走行音が聞こえ、眼下を駆けるランプの強めな光が近付く…路面電車だ…
「シュー…」というブレーキ音がして走行音と混ざり合い、やがて電車は減速し、歩道橋の下に停車した…乗客が下車する…彼らは停留所の端部に繋がった階段を上がり始めた…歩道橋が「駅の跨線橋」のような状態になっていた…
↓長崎駅前で初めて視た路面電車…
という具合に、長崎に着いた瞬間に路面電車と出くわした。そして、長崎滞在を通じて、この路面電車と付き合うことになった。
長崎の電車は“長崎電気軌道”という民間会社によって運行されている。1914年に会社が設立され、1915年から電車の運行を続けている。
長崎の電車は、何となく“レトロ”な感じがする。1960年代辺りに導入された車輛の数が多めで、現在でも主流を占めているようだ。
↓こういう具合のモノが多い…塗装はクリーム色と緑の2色が“標準”らしい…
↓運転士が乗っていなかった方の運転台を撮影してみた…何か旧い感じだ…
他方で、もう少し時代が下った車輛や、最近流行の低床式の車輛も見受けられる。低床式の車輛は未だ数が少なめであるようで、見掛けると「おぉ!?」と思わず注目してしまう…
↓“新型”の車輌が現れると、なかなかに目立つ…
車内では次に停車する停留所を告げるアナウンスの合間に料金の案内が在る。これを聞いていると…「大人120円、子どもさんは60円です。釣銭が無いように御用意願います」と言っていた。“子どもさん”と“さん”が付いた…これがやや独特なように思えた…この料金は一律である。運転系統の始まりから終わりまで乗り通しても、1停留所の乗車でも同じだ。「日本一安価」な料金かもしれない…
現金の他、ICカードの乗車券も在る。広く普及している様子だった。これに関してだが、お金をカードに入れることを“積増”と言っていた。何年も前に東京方面に出て“PASMO”を初めて利用した際、駅に据えられた機械でお金を入れることを“チャージ”と言っていた。が、ここでは“積増”だ…「カードに積み立ててある電車の運賃に供するお金を増やす」のだから“積増”ということであろうか…他にもこういう言い方をしている地域が在るのかもしれないが、初めて出くわした…
この“積増”だが、運転士席の脇にある運賃箱・両替機と一体化された機械で行う。運行中、進行方向の運転士の脇だけではなく、後ろの機械も利用可能で、それを使って“積増”をやっている人達を何度も見掛けた…
↓こういう機械が車内に2台据えられている…
この路面電車に関しては、“長崎電気軌道”が出資している商業施設の一隅に“資料館”が設けられていて、戦災や自然災害も潜り抜け、永い間街の人々の暮らしに役立ってきた経過が判るようになっている…
↓これがその資料館の入口である…
長崎の電車は「安価な料金で気軽に利用して街の中を動き回る」ためには好適だ。今回は随分とお世話になった…
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