『猫は忘れない』

正しく「待望の!!」という一冊を、非常に愉しく読了した!!

↓あの“ススキノ探偵”の最新作が、文庫で登場した!!

猫は忘れない
↑待望の作品を入手し、ページを繰り始めると止まらなくなり、素早く読了してしまった…

例によって、“俺”の一人称の語りで物語は綴られる。この方式は「一人の人間の行動、見聞、考えていたこと、思い出したことの範囲を逸れない」ので、読む側にとって「入り込み易い密度」に物語が落ち着くというのが好いと思う。

物語は、“俺”が知り合いのアパートに、借りていた鍵で入る場面から始まる。“俺”はスナックのママ“ミーナ”から、旅行に出る期間、飼い猫の世話をするように頼まれたのだった。何回かリハーサルをした要領で、餌と水を与えたのだが、何か変な気配がする。寝室を覗くと…猫のことを“俺”に頼んだミーナがベッドで死んでいた…

行きがかりから、“俺”は猫の“ナナ”を自宅で預かる羽目になった。詳しく個人的なことを知っているという程でもなかったミーナだが、頼まれた用事に出掛けて遺体を発見ということで、「何が起こっていたのか?」が気になる。そして、「金額的には僅かながら、“従業員の未払い賃金”に関して、遺族に申入れを行う」という口実を見付け、“俺”はミーナに関して、また事件に関して探る。

調べて行く中で、ミーナの知らなかった一面が少しずつ明らかになる。そして交際している華が真剣に心配している他方で、“俺”は少しばかり危ない目にも遭ってしまう。そして意外な型で事件の謎が解き明かされる…

こんな物語だが、今回は「猫の”ナナ”」が秀逸である。“俺”の住まいにやって来て、“俺”は猫を観察してみたり、猫に観察されているような気分を味わう。“パターン”の行動を取ったり、それを外したりするナナ…今回の一件の”鍵”でもある。

この“ススキノ探偵”シリーズには、なかなかに魅力的な、“俺”と付き合いの在る人達が登場するが、彼らも健在で、それぞれに活躍を見せる…

そして今作では、“俺”が益々「変わり物」扱いになっている…“俺”の用語で言う「ケータイ」を巡ってのことだが…そして“俺”は相変わらず酒呑みだが、相変わらず強いのか、多少弱くなったのか、何か微妙な描写が面白い…

今回の作品は、比較的軽妙な感じがする。このシリーズ…きっとマダマダ続くのであろう…

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