『北帰行』

↓この表紙に注目!!稚内港北防波堤ドームだ!!

北帰行
↑かの佐々木譲の小説…稚内!!素早く入手し、夢中で読了である!!

この作品は、ハードカバーの本が出ていた時点で「稚内が出て来る、アクションも在るサスペンスで、なかなか面白い…かの佐々木譲の作品!!」と、話題にしている知人も在ったので気に掛けていた。その作品が気軽に入手して持ち歩ける文庫本で登場した訳だ…

冒頭、暴力団組長が“事件”を起こしてしまう…それを巡る動きが展開することになる…

主人公の関口卓也は旅行会社を営んでいる。大手に勤務した経験を持っていて、現在は一人で独立して仕事をしている。彼の主な仕事は「来日ロシア人のアテンド」で、滞在先ホテル、食事、交通等を手配し、更に自ら車を使って送迎や案内も行う…個人営業の身軽さが身上で、鋭意営業中なのだ…

卓也は「2泊3日でビジネス」ということでモスクワからやって来るターニャことタチヤナ・クリヤカワという若い女性客を成田空港に迎えに行った。ホテルを手配する他、彼女が向かいたい先へ案内するというアテンド業務を請け負ったのである…

卓也は毎度の仕事のつもりでターニャを案内して都内を車で動いていた。ターニャが「ここに…」と入って行ったビルの前で見知った顔に出くわした。大手旅行会社に勤務していてモスクワに居た頃にアテンドをしたことのある男で、男は藤倉と言った。後で知ったことは、藤倉が暴力団幹部であったということだった…

何か気まずいものを感じた時、“事件”が発生した…

こういうことで、卓也はターニャの引き起こす“事件”に巻き込まれてしまう…巻き込まれる度合いは高まり、やがてただならぬ状況に陥ってしまうのだが…

“事件”はその舞台を新潟へ、更に稚内へと移しながら目まぐるしく展開する…目的を達しようと動くターニャと、すっかり巻き込まれてしまった卓也…2人を追う藤倉…一件に関るコリアン系のロシア・マフィア達…“事件”を捜査する“マル暴”の寒河江警部…

“プロ”に徹しようとしながら親身な卓也に心を許すかに見えて、何か「寄せ付けないもの」を漂わせるターニャ…ターニャが抱えるものや、2人の関係は如何に?ターニャが「あの“ジゴロ”」と呼ぶ、ホスト風の風貌で、冷徹で計算高い藤倉…ベテランの経験則を超える展開の事件に翻弄されながら、必死に関係者を追う寒河江警部…物語のキーパーソン達が各々に好い…

或いは本作は、ドラマや映画のような映像作品の原案として好適かもしれない。キーパーソンが整頓されていて、各々が面白い特徴を有していて、展開は速く、アクションも佳い…読み始めると、どんどん引き込まれてしまった愉しい作品である…

因みに「作中の稚内」だが…「実際の稚内」を巧く「作品世界」のものに料理してくれていると思う…出て来る市内の住所も実在のもので、場所を知っていて読んでも違和感が無い。それでいて、フィクションとして巧く完結した描写になっている…

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