『黒頭巾旋風録』

“宿題”というのでもないが、少し以前に読了していて、未だ御紹介していなかった作品が在った…

↓江戸時代の蝦夷地を舞台に展開するアクションである…



黒頭巾旋風録


松前家支配下の蝦夷地…各地でアイヌに対する過酷な仕打ちが、残念ながら絶えなかった時期でも在る…“アッケシ”の寺に赴任することになった僧侶が、そういう様子を視て心を傷める…

やがて…阿漕な真似をしている人達の所に、黒ずくめの服装で、黒い覆面までした正体不明の人物が騎馬で現れ、鞭を振るって彼らに掣肘を加えるという事件が伝えられるようになった…

ということで、この「黒ずくめの服装で、黒い覆面までした正体不明の人物」が“黒頭巾”と通称されるようになり、この“黒頭巾”と松前家中関係者や、利権を持っていて阿漕な真似に及んでいた人達との戦いが展開する…

この“黒頭巾”の話しだが…北海道各地を調査したことで知られる松浦武四郎が、「地元の伝承」として聴き書きした内容に着想を得て綴られた物語であるという…作者の想像力だけではなく、“伝承”が加わっているというのが面白い…

本作には、「一寸酷い…」と眉を顰めたくなるような事例も含め、非常に過酷だったと伝えられる江戸時代の蝦夷地支配のことも確り描かれている。そしてそれに疑問を呈して、密かに立ち上がる主人公が居る訳だが、なかなかに魅力的な造型になっていると思う。

これも言わば「北海道“ウェスタン”」というような魅力が溢れる作品だ…

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