↓第2巻はかの薩英戦争など、“攘夷”に対する英国の行動に焦点が当てられている。
遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄 2 薩英戦争
生麦事件を巡る処理は主に代理公使のニールが指揮を執り、続く下関での長州による外国船砲撃を受けた四国連合艦隊による遠征については、一時帰国から戻ってきたオールコックが指揮を執っている。ウィリスの書簡等では、ニールとオールコックのやり方の違いが「その下で働いている者の目線」で率直に綴られていてなかなかに面白い。
薩英戦争では、鹿児島の街を英国艦隊が焼き討ちにしたことや、薩摩の洋式船を拿捕した経過等が本国で大問題になった経過が在り、オールコックが下関を巡って“力”を行使したことは外務省の幹部達から批判されてしまう。
こうしたことに関連して、通信の往来に数ヶ月を要していたという当時の事情が在る。オールコックの対応は、“攘夷”で揺れていた情勢を平穏化させたという意味では、寧ろ当時の人達に歓迎されるものであったのだが、外務省の高官達にはそういう情勢に関する情報が余りにも届いていなかったのだ…
“攘夷”に揺れた当時という140年以上も前の情勢が、多数の“一次史料”が丹念に引かれていることによって、何か「最近の出来事」でもあるかのようにドキュメンタリー風に浮かび上がる…もっとも、長い歴史の中で「140年と少し前」というのは“最近”かもしれないが…
本作の“主人公”的な位置付けのサトウも、どんどん日本語に習熟し、日本研究をも志すようになってきている…
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