『ススキノハーフボイルド』

文庫本が出ている東直己の小説…目に留めると、入手して愉しんでいる…

↓文庫本が出ているものは大概読んでいるような気もするが…未読だったもの…在った!!

ススキノ・ハーフボイルド
↑愉しく読了した!!

本作の主人公は、高校3年生の松井省吾である。札幌市内の公立進学校に通っているのだが…ススキノにも出入している…目下、10歳程年上の凄く美人なホステスと交際中である。そんな彼の夏休みの日々が本作の物語である。

この松井省吾…本作で描かれているのは「小泉政権時代か、その少し後」と見受けられるのだが、そんな時代の高校生でありながら、何かあの「ススキノの便利屋」に近い価値観を持っているように見受けられる…そして、実際に本作にも、件の“便利屋”は登場する。

前半は、受験生である他方でススキノに出入して、という何か独特な松井省吾の青春が綴られるが…中盤以降は“事件”である…

実は本作は、<ススキノ探偵シリーズ>の『駆けてきた少女』で綴られた事件の一部に関して、「少し別な角度から語った」というものになっている。しかし、独立した作品として楽しめる。或いは…『駆けてきた少女』は「やや煮え切らない?」という仄かな印象も在ったのだが、本作はもっとスッキリしている。更に…本作と『駆けてきた少女』に“敵役”的に出て来る人物だが…探偵・畝原が活躍するシリーズの『熾火』に「数年後」が出て来る…

東直己作品を読んでいて思う。この作家は「耳が良い」というのか…作中に出て来る人々の“話し言葉”が凄く「らしい!!」感じになっている。本作でもそれは健在だ。本作は、基本的に主人公・松井省吾の一人称の文章で綴られる。<ススキノ探偵シリーズ>のムードに似ている…

恐らく、この“松井省吾”が出て来る作品も他に在るのであろう…何か「平成の世に転生した昭和の男」というような感じで、意外に面白い…

東直己作品…マダマダ色々と愉しいものが在りそうだ…

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