↓その“リガ”を題名に含む小説に出くわした…
リガの犬たち
↑一瞬、「ラトヴィアの小説?」と思ったが、スウェーデンの小説だった…
実は、過日札幌でこれを見付けて、札幌滞在中、更に一部は札幌から稚内への北上の途次に読み、読了してしまった…「夢中にさせるもの」が多い作品だったように思う。
ヴァランダー警部は、スウェーデン南部のスコーネ地方に在るイースタ(*寧ろ“イースタッド”と記載することが多いようだが…)に勤務している。彼らの署に奇妙な電話が入る。「ボートに乗せられた遺体が漂着するかもしれない」という内容だった…
暫く経ってみると、奇妙な電話が予告したとおり、海岸に救命ボートが漂着し、2人の男性の遺体が在った。他殺体と視られる遺体は、歯の治療痕から「東欧で暮らす人らしい」と推定された。
やがて、遺体はラトヴィア人であるらしいことが判り、ラトヴィアの捜査官がイースタにやって来た。そして、ヴァランダー警部達としてみれば、「事件をラトヴィア当局に引継いで、一件落着…」ということになった。
ラトヴィアの捜査官が帰国して程なく、事態が思わぬ展開を見せる。ヴァランダー警部は、ラトヴィアへ飛ぶ…
という物語で、これは1990年代に発表された、スウェーデンの人気シリーズ、“クルト・ヴァランダー警部シリーズ”の中の作品である…本作はシリーズ第2作らしい…
本作の時代設定だが、1991年の2・3月頃である。この時期は、“ソ連時代”の最末期であり、バルト3国では“市街戦”の様相を呈した流血の事態も見受けられ、やがて迎える“独立回復”への動きが盛んになった激動期である。
本作で設定されている時代は、所謂“東側”での政権交代が相次いだ時期でもある。「犯罪のネットワーク」とでも呼ぶべきものも変容していた過渡期であった…
こうした時代背景の中、ヴァランダー警部は“社会”や“人生”と向き合いながら、また新たな出会いを経験しながら、不思議な経過を辿ってしまった事件の謎に取組む。
今となっては「そんな時代も…」というような背景の中、多少草臥れた感も在るヴァランダー警部がなかなかに味わいの在る“冒険”をする作品である。
本作の舞台となっているような時代…私はかなり若かった…今になって、作中のヴァランダー警部にやや近い年代に差し掛かっている訳だが、本作を読んでいて、或いは「今の目線で、“昔”の或る時期を思い起こす…」というような感覚にも見舞われた…
今後、このシリーズを見付けたら…また手に取ってしまうかもしれない…
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