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最近は何処の地方でも「歓迎・修学旅行御一行様」であると思う…稚内でも大都市圏の学校からの修学旅行を多少迎えている。
聞いた話しだが…関西の高校生が稚内に来た際、移動のバスの車窓から牧草地が見え、草を食む乳牛が姿を見せた時だった。ある生徒が「“ナマウシ”…初めて見た…」と言い出し、車内が賑やかさを増し、「流石は“北海道”だ…」というようなことになったらしい。
稚内で彼らを迎えた関係者の間では、“ナマウシ”(生きていて動き、目の前で餌を食む牛のことを言っている…)という、「“今時の若者”風な表現」に意表を突かれたという“笑い話”的な挿話として伝わっているようだが…“牛”は「牧草地を動き回って草を食む」という以上でも以下でもない…“ナマ”を付けて「生きていて動き、目の前で餌を食む」という“当然の生態”を強調する感覚には愕かされる…要するに若者達は「観たことがない」ので「とにかくも愕いていた」という訳だ…
結局のところ…大都市圏の若者は「牛の沢山居る北海道」という強いイメージを持っていて、「正しくそのイメージどおり」の光景が車窓に広がっていることに感心したのであろうと思う…それが彼ら流の“ナマウシ”という表現で口を突いたということだ…
稚内では現在、“農業”と言った場合、「牧草を育て、乳牛を肥育し、牛乳を出荷する」という“酪農”と殆ど同義になってしまう。稚内での所謂“農業生産”というものは「牛乳の出荷額」と換言してしまって、間違いではないのだ。多分それが、“農業生産”の99%、或いはそれ以上を占めている筈だ…
稚内もかつてはジャガイモ栽培等が盛んに行われていた。が、種芋を蒔き、その芋が巧く育って美味しい芋が出荷できれば良いが…寒冷地故に不作も在る…所謂“冷害”だ…そして種芋を蒔き、無事に芋が育つのは年に一回…“冷害”が発生すれば、忽ち農家の経営は危険な状態に陥ってしまう…
そうした事情から、稚内では1950年代辺りから、ジャガイモ栽培のような畑作を諦め、酪農を盛んに行うようになった。牧草は、稚内のような寒冷地でも育つ…牧草を確り育てて牛を肥育すれば、牛乳は1年を通して安定的に出荷出来る。農家の経営は安定する…
稚内の事情に文字数を割いたが…サハリン辺りは、自然条件は稚内辺りと酷似している。サハリン南部には、「写真を撮って、“稚内の郊外”と言って見せて、誰も疑わないであろう…」というような場所も散見する程である。遥かな太古の昔には、サハリンと北海道は陸続きだった時期も在ったらしいが、そういう話しに妙に納得してしまうものがあるのだ…
自然条件が酷似…農業の基礎になるものが酷似していることになるが、稚内辺りとサハリンの農業の様子はかなり違う。それは“歴史”が違ってしまっているからに他ならないのだが…
サハリンの農業は、稚内などのように“酪農”に特化している訳ではない。
ソ連時代を通じて、サハリンでは“コルホーズ”(集団農場)や“ソフホーズ”(国営農場)等と呼ばれた、「農業を営む法人」のようなものが農業の主要な担い手であったのだが、農場では畑作も牧畜も「可能と思われる営農は一通りやっている」というような状態だ。更に、北海道の北の方では例を余り聞かないような、「大規模な温室を建設しての野菜栽培」という例さえ、“極限られた例”とは言え見受けられる程で、一寸愕いてしまう…
“ソ連後”については、嘗ての“コルホーズ”(集団農場)や“ソフホーズ”(国営農場)を母体にした法人や、その他の個人経営の農場などが農業を担っているようである。それでも、様々な種類の畑作が見受けられ、他方に牧畜も見受けられる。
稚内で“農業”が“酪農”に特化していくプロセスの中では、ある程度安定した価格で、各牧場から出荷される牛乳が取引される仕組みが整備されていた訳で、そういったもののお陰で、稚内などは“酪農地域”として努力を重ね、色々と細々した問題も工夫して解決を図って今日に至っているのだが…サハリンでは、そういう辺りが必ずしも行き届いていない面もあるかもしれない…色々と研究中のようだ…
サハリンという地域は、サハリン以外の地域から色々なものの移入が見受けられる地域ではあるのだが、それでも“賞味期限”が限られる生鮮品などは極力地元で賄う努力も行われている。牛乳もそうした製品の一つである。
あれは一昨年だった…サハリンの方と「サハリンで、牛乳1リットルはどの位の値段でしょうか?」という話しをする機会が在った…「50ルーブルでお釣が来るような値段で…今のレートで200円一寸?」という話しをしていた記憶が在る。今回、ユジノサハリンスクのスーパーで牛乳を見つけた。四角い1リットルパックが、46ルーブルだった。多分、これは一昨年と然程変わっていないであろう。当時は1ルーブルが4円以上だったので200円程度だ…今はレートが変わり、1ルーブルが3円弱なので140円程度となるが…レートを基準にして、高い、安いを論じることの意味は薄い…
実は、サハリンで産業振興の仕事に携わる方が稚内にやって来て、稚内や周辺の農場などの関連施設を見学に行ったということがあり、それに同行した経験が在った。ユジノサハリンスクのスーパーで1リットル入りの牛乳というものを見て、そんなことが妙に懐かしく思い出された。
このユジノサハリンスクのスーパーで見つけた牛乳のパックが妙に好い!!サハリンの地図が描かれていて『故国の朝』という商標である。牛乳は何時でも飲むが、サハリンでも「朝食の時に頂く」というのがポピュラーなイメージなのだろうか?
稚内辺りのスーパーでも、牛乳関係は結構色々な種類が在るのだが、ユジノサハリンスクのスーパーでは、或る意味では稚内以上に種類が豊富かもしれない…と言うのは、“ケフィール”と称するヨーグルトドリンクのようなものや、“スメタナ”などと称している料理に入れるサワークリームのようなものなど、「牛乳を試飲?」というつもりで買い求めると、多分困惑するような代物がゴロゴロと並んでいるのだ…そして、何となく眺める限り、その「“牛乳を試飲?”というつもりで買い求めると、多分困惑するような代物」が妙に多い…それぞれどういうものなのか、よく判らない…恐らくは「乳製品の利用方法が違う」ということなのだろう…或る程度話しは聞いていたが、こうして実際にスーパーの棚で眺めると、何か凄いものがある…
私はやや慎重に「молоко」(マラコー)を確かめようとした。「サハリンの牛乳」と書いてあるパックを見付けて、「これだ!!」ということにした…
購入したパックを宿泊先の部屋で開け、グラスに慎重に注いでみた。間違いなく“普通の牛乳”だった…「朝に牛乳」というのも定番かもしれないが、「夜の風呂上り」というタイミングで頂くのも定番の一つであろうと、部屋のシャワーを利用した後だっただけに、妙に嬉しく牛乳を頂いたのだが、一寸気付いた…少々“軽い”感じがする…改めてパックをよく見た…「3.2%」とあった。“低脂肪牛乳”である…お陰で飲み易く、これはこれで愉しんで頂いたが…
稚内辺りで売っている牛乳だが、パックの表示は3.7%とか3.8%程度になっている。3.2%というのは普通ではない。そういうのは“低脂肪牛乳”ということになる…
牛乳というものは、通常は加熱殺菌するのみで、中の成分に手は加えない…ここで思い出した。サハリンの牛乳は、稚内等の牛乳に比べると、脂肪分が若干低いのが普通であるという情報をである。そう言えば、小学生位の頃だったが「○○3.4牛乳」というようなのを近所の店でよく見掛けたような記憶がある。あの頃は多分、一般的な牛乳の脂肪分がそんな程度だったのであろう。現在はその「○○3.4牛乳」というようなものは見ない…多分「3.7%程度が当然化していて、“3.4”というような看板は具合が悪い」ということになっているのであろう…
宿泊先の部屋という、不自由と言えば不自由な中での極短い滞在であったが、今回は近所のスーパーのお陰で、色々と「一寸した暮らしの様子」が見え隠れする経験をさせて頂くことが出来た…

(Charlie at Wakkanai)
→今回のサハリンの写真はこちら…
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この記事へのコメント
Mumunchik
モスクワのスーパーにもケフィル、スメタナ、トゥボログなど日本ではまず見かけないような乳製品が多く置いてあります。ロシア語が読めない人が見れば、牛乳やチーズなどと間違えそうな代物が多いです。牛乳の他に、ケフィルも最近は3.7%の物が多いです。何種類かあるので、好みで選べますが、うちはよく1%とか買ってます。
DJ Charlie
この辺りでは、郊外の広い場所に出ると、牧場を見掛ける機会も多いのですが、縁が薄い地域もありますよね…
ロシアの乳製品!!日本とは一寸品揃えが違って「買ってみよう…」等と思い立つと存外戸惑います…1%のケフィール?所謂“ローファット”は飲み易いと思います。またロシアで乳製品も買ってみたいものです…