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私にとって正しく「まんまあの頃が甦るナンバー」である、“ナウチールス・ポンピリウス”の『Тутанхамон』(トゥタンハモン)に関して、その歌詞を少し考えてみようとしている。
ロシア語の歌詞を「字面どおり」に訳出してみたが、「益々よく分からない」感さえ在る。これを見ると、「人気バンドによるヒット曲の歌詞」というよりも、「文学部の授業で読まされる何処かの作家の詩」という雰囲気である…
ロシアでは、小説や戯曲を著す作家と同様か、それ以上に詩人への敬意が払われている。「韻文による文学」というようなものが非常に盛んな面がある。そういうことを念頭に『Тутанхамон』(トゥタンハモン)の歌詞を今一度見てみると、「歌詞故に…」という側面もあろうが、“韻文”として配慮された言葉の塊になっていることに思い至る。
私は勝手に思っているのだが…言葉というものは「発する者の意図」を表現する手段であるが、それ以上に言葉を「受ける者の物」ではないだろうか…言葉は発する者と受ける者とが“意図”を解し合う手段であるのだが、一旦発せられてしまえば、発した側の意図を通り越して何処までも飛んで行くという面があるように思う。
『Тутанхамон』(トゥタンハモン)の歌詞は、歌と無関係に「韻文による文学(=詩)」として読むと、「作者の置かれた状況や想いが、暗示的に綴られた作品」という気がする。“暗示”なのだから、“字面”では“意味不明”に近い状態となってしまうのも当然だ…
1993年の秋…或いは晩秋という趣のモスクワで、『Тутанхамон』(トゥタンハモン)を聴いていたラジオから流れてくるコマーシャルを耳にした。“ナウチールス・ポンピリウス”のコンサートの告知で、チケットが50米国ドルであると連呼されていた。当時のロシアでは「○○ドル」と価格表示をして、それを広告することさえ“お咎めなし”だった…そんな中、“50ドル”は殊更に高価に思えた。あの頃…芝居やクラシックのコンサートやアイスホッケーの試合のチケットは、レートでドルに換算すれば10ドルに届くか届かないかであったと記憶している。5ドルに満たない場合さえ多かったかもしれない…そういう中での“50ドル”…“ナウチールス・ポンピリウス”が「ソ連時代に最も人気が高かったロックグループの一つ」だという“証拠”を突き付けられたような気がしたものだった…
“ナウチールス・ポンピリウス”は1979年頃から活動し、1983年頃のアルバムによってソ連でメジャーになり、以降10年に亘ってソ連の音楽シーンで大きな存在であり続けた…
“停滞の時代”と言われたブレジネフ政権の時期が1982年に終わり、アンドロポフ、チェルネンコと二代の短命政権を経て、1985年にゴルバチョフが登場した。“ナウチールス・ポンピリウス”のようなロックもゴルバチョフ時代には“市民権”を拡大していた。実際の地理とは無関係に、政治的な事情で“東欧”と呼ばれていた国々で変革の浪が起こり、あの“ベルリンの壁”が打ち壊されて1990年代のカレンダーが捲られ、やがてソ連の赤旗が引きずり下ろされた。
『Тутанхамон』(トゥタンハモン)の、“字面”では意味が分かり難い歌詞を何度も聴き、何度も読み返すと…「“ナウチールス・ポンピリウス”自身と彼らの作品に親しんだ人々が歩んだ10年余りの後に出現した“ポストソ連”の社会への複雑な想い」というようなものが滲んでいるような気がする。
『Тутанхамон』(トゥタンハモン)の歌詞またはそういう題名の詩に込められたかもしれない、と私が勝手に想像しているのは下記のようなものだ…
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外面の好い狡猾な連中が擦り寄るが、“財産”は護られるのか?
狡猾な連中の前で愛想好く呑んでいても“財産”は無事か?
一度道を踏み外せば、何処までもその穢れた道を進むことを免れ得ない。
やってしまったことの取り返しはつかない。
元に戻るということなど在り得ないのだ。
起こってしまった現実の前に、そのまま佇むばかりなのだ。
「真実は何時も一つ」
古代のファラオはこう仰せだった。
あの方は大変に賢明であらせられる。
故にこう呼ばれるのだ。
“トゥタンハモン”と。
知り合いの女は、こっそり抜け出すことばかり考えていた。
出入り口など無数に在るのに、あの女はこっそり抜け出すことばかり考えていた。
あの女は死にかけていても、それでも相変わらずこっそり抜け出すことばかり考えていた。
あの女のような人物は、狡猾な連中に擦り寄ることはしないであろう。
あの女のような人物なら、愛想笑いを浮かべて狡猾な連中と呑むようなこともないであろう。
穢れた道へ踏み込んだり、取り返しのつかないことも仕出かさないであろう。
「真実は何時も一つ」
古代のファラオはこう仰せだった。
あの方は大変に賢明であらせられる。
故にこう呼ばれるのだ。
“トゥタンハモン”と。
**********
という具合だ…勿論、こんなものに“正解”など在る筈もない…

(Charlie at Wakkanai)
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